今時あっと驚くモノクロ映画。モノクロの方がカネかかるのによくやった。とにかく映像がやはり美しい。美しいがゆえ、やけにシュールが冴えた。
男にとって家族と遊園地に行くということはまさにこの映画のごとく悪夢なのである。それだけでも心は震える重い鐘をぶら下げているのに、行楽の最初に、なんと携帯一つで男は会社からクビを告げられる。でもそれを家族には押し隠し日常を楽しもうとディズニーに浸ろうとする男だった . . . 本文を読む
これはまた変わった映画を作ったものだ。小説ではこんなの結構あるけれど映画でこれをやるとなかなか難しい。パズルを最初からごちゃ混ぜにして作ったような映画です。
冒頭で息子に母親から電話がかかり「お前もぶらぶらしていないで、そんなだったら将来が不安だろうに、、」なんて言われてる。別に世間でよく聞く普通の電話会話である。
そしてその彼は大学教授らしくて哲学めいた内容の授業をしている。は?、ぶらぶらし . . . 本文を読む
思ったよりいい映画でした。やはり本も読まず映画でピュアな気持ちになれるのはいい経験です。絵もきれいだし、2時間弱素敵な時間にいました。
後半になって来るとどういうところに帰結していくのか分かって来るのだが、それでも感動させるのはやはりジブリかな。
ただ時々杏奈が男の子のように見えてしまうのは隠された意図でもあるのだろうか、、。これはそうだとしたら大人の悪い企みだと思います。
また、マーニーと . . . 本文を読む
「教場」がすばらしくその勢いでこの本を読む。でも、随分人工的な7篇であった。最初のレコード盤は仕組みからしてなかなか面白く期待を持たせたが、それ以降がいけない。
ミステリーって少々トリックは奇抜で実現可能かどうかという問題はさておいて、あまりにも題材に立ち入り過ぎて、逆にそれに溺れるようなミステリーはちと問題があるように思う。
例えば一時不再理の(これはミステリーではかなり取り上げられる題材で . . . 本文を読む
あまり知らない台湾の景色を自転車で拝見、といった緩い映画でもないだろうに、セリフに密度がないため軽いなあと思ってしまう。
セリフに内容がない。ひょっとしたらアドリブで全編対応したのではないかと思えるほど、彼女たちのセリフがまるで電車で聞こえて来るような日常的な言い回しなのだ。僕は映画館に来てまで街の騒音を聴きたいわけではない。
あーあ、最近ではめずらしいほど画面から身を引いて見ていた映画であり . . . 本文を読む
たまたま祝日で空いていたという理由で初めて見た劇団。料金は1000円。映画代より安い。でもこの作品はキャラメルボックスの名作であることは知っていた。見る前から俄然期待する。
Nyanは狭い空間だ。前に来た時は結構広いと思ったが、入口から1/3ぐらいはカフェになっていて劇場として使えるのは2/3部分。でもカウンターなり電子レンジの調度品をうまく舞台装置に活用していた。
話は、夜遅く部屋に帰って来 . . . 本文を読む
我が敬愛する劇団「空晴」の最新作。もうこの劇団を追っかけて何年になるだろうか。時は東京で単身赴任していた頃。会社の同僚とみんなで演劇に。そしてその後夜遅くまで電車を気にしながら演劇談。その内人生談になっていく。仕事も忙しかったけれどよく遊んだよなあ、、。
そしてこの「空晴」は僕が演劇を知るきっかけとなった劇団なのであります。当時は「ランニングシアターダッシュ」という劇団で、とにかく狭い舞台を20 . . . 本文を読む
「傍聞き」でミステリーファンをうならせた長岡 弘樹。巷では昨年のベストと評判の作品だ。気にはなっていたけど時間がなくてようやく読み終わる。というか、結構短いので時間としてはあっという間。
しかし、練られた内容なのでさらーと読んでしまうとまた前に戻って読み直すことになる、だからページ数が少なくとも読者側に読む緊張感を強いられる珍しいミステリーなのである。
この、警察学校が実際と実はかい離していよ . . . 本文を読む
「サニー 永遠の仲間たち」もそうだったが、とても力が入るほど画面に入り込んでしまう熱中映画です。韓国映画って、一年に一本ぐらいこういう映画が来ます。その「サニー」にも出演していたシム・ウンギョンが何と本作では主演。熱中症になります。
とにかく面白い。映画の持つ面白さだけを追求してる。映画って、分かっていても、作るとそう実際は面白くならないのに、この映画は本当に面白い。娯楽映画の本道を行ってる。大 . . . 本文を読む
ホドロフスキーって、恥ずかしながら初めて聞く名前でこの映画が初体験。どこの国の映画か分かるまでに時間を要し、チリってあまり知らないなあと思いつつも国情がそのうち分かって来る。
かなり奔放なイメージが映像に蔓延している。足や手をなくした人たちが搬送車にゴミのごとく運搬されるシーンはその風貌にまず気持ちを奪われる。いろんな映画を見て来たがそういう不具者たちを俳優として大勢使っているのを初めて見る。ど . . . 本文を読む
パガニーニって知ってそうでそれほど知らない音楽家だ。残っている曲も少なく、一方で狂気のヴァイオリニストって、またそんな題名付けて、と思っていたら、、
彼はあまりに巧み過ぎて悪魔に魂を売ったヴァイオリニストだと当時は真剣に思われていたようです。演奏会でもクラシック風の静かな雰囲気ではなく、まるでロックコンサートのように若い女性が失神までしてる。なんと今のクラシックコンサートと違うことよ、と面白い。 . . . 本文を読む
最近本を読んでいなくてホント久しぶりのミステリーだ。何か思わせぶりではあるが、文章表現は確かである。しかも読みやすい。実際200ページもないぐらいであっという間に読んでしまう。
ミステリーが面白いから読んでしまうという一気読みではなく、ただ流れに任せるまま読んでしまうという不思議な作品であった。
でもこれって、題材は確かにミステリー風ではあるが、本当にミステリーなんだろうか。読者が入り込む何か . . . 本文を読む
見たくないものを延々と見せつけられ何度も映画館を出てみようかと思い続けた映画もまた久しぶり。それはしかしなんとその感覚は最後の最後まで続くのだ、、。
事故で人を殺しておきながら、亡くなった人には全く哀悼の気持もないまま、この情けない息子と、今まで挫折したことのないような貪欲ママゴンは時速160キロで人生の高速道路を闊歩する。
けれど息子は最後には自分の意志を持ち人間としてやっと自分自身に立ち向 . . . 本文を読む
冒頭からの日和見で、しょぼいトムには驚いた。たまにこういう役もやって見たかったんだろうなあと彼のにんまりも想像できるが、実際は彼の期待ほどそれほど面白くはない。今回は動いているシーンが多かったせいかトム君、なかなか寄る年を思わせない。さすがだ。
売りは何回死んでもまた元に戻れるというループなんだが、これも最初は面白いがそのうちだんだん慣れて来て、うとうとしてしまう時もあるなり。
あのギタイの定 . . . 本文を読む
ケネディ暗殺の4日間の出来事。思いがけず有名俳優陣の多出演、そして彼らの的確な演技で、じわじわと関係者たちに与えた重く暗い人生を知ることとなる。ただ真打ちのケネディ暗殺の真実は雲の彼方であることは残念至極なり。
オズワルドの家族の描写が秀逸だ。狂的な母親と対比させたノーマルの兄のこの事件への対応には脱帽。彼は生涯ダラスにずっと残っていたという。
葬儀に断られ続け、やっと埋葬できたオズワルドの家 . . . 本文を読む