ミステリーとして読むと、換言すれば、通常の連続殺人事件として読むと、とんでもない真相に突き当たります。最後にあっと驚かされる真相はさすが度肝を抜かされますが、そういう意味ではこれも立派なミステリーというべきなんでしょう。空白も多く、読みやすく、読むのにそれほど苦労は要りません。
もうミステリーもあまねく開発されつくし、書きづらくなっているのが現状なんでしょうか、、。
でも、僕らの身の回りにはい . . . 本文を読む
米澤 穂信 、あっと驚く戦国ミステリー。440ページで結構長いが、4つのミステリーに分かれているので、読みやすい。あの、高校生の甘い清廉な心情を書いてきた米澤がジャンルの全く違う戦国ものへの挑戦はかなり驚いた。
登場人物が話す言葉の美しいこと。映画等でしか聞けない言葉だが、とてもいい。現代の言葉との差異に唖然とするばかり。
ミステリーとしては、少々強引な気もするが、まあこれはいつものこと。面白 . . . 本文を読む
クレイグシリーズは全部見ている。ラストという触れ込みなので、見落とすことのないように背筋を伸ばしてみる(大げさか)。冒頭からの入りは007シリーズでも出色の出来。ワクワクさせる。これは筋金入りだぜ!
ところがその後気づいたら、なんとジェームズ・ボンドのファミリー映画・哀切ものに辿ってゆく。え、こんなの、007か、とこちとら、とても心おののく。
クレイグへのオマージュは分かるが、007愛好家とし . . . 本文を読む
3時間に及ぶブレヒトの演劇の魅力を十分見せつける充実作だ。主題としては資本家と労働者を隔てる黒く重い河。それを意識してか、かなり楽しく明るい色調に徹しているので、見ている間はそれをちらほら感じる程度だ。
出演者の生演奏も入り、ダンスもあり、舞台上からの二人の立小便もあり、なかなか思い切った若者らしい溌剌さを感じる。実に練習たっぷりのいい舞台だ。
卒業公演なのでみんな一つの輝く地点を目指している . . . 本文を読む