時間給800円のパートから月給14万円の正社員になった主人公。計算したら800円×7h×25日=14万円でペイ的にはまったく変わらない。これで、転職したとはいえ大卒の女性29歳の給料である。親元で暮らしながらのつつましい生活感がにじみ出る。
ほとんどが彼女の生活スケッチというものである。大阪弁が話し言葉そのままの表現されているので、とてもいい。大阪弁がこんなに詩的で美しいというのも初めて感じる。 . . . 本文を読む
まさにB級映画なんだけれど、結構丁寧に作られているので、映画の骨格がはっきりしている。こういう映画は見ているうちにどんどん目が輝いてくる。エンタメの本骨頂だ。
恐らく演出が行き届いているのだろう、画面から画面へのカットも情緒が残るようにB級映画でよく見られるような無愛想な部分はほとんどない。
ただ、ストーリー的にはちょっと欲張ったというか、大きくなりすぎていくらなんでもこんなことのために政治家 . . . 本文を読む
実写的には湯水のようなお金を使った贅沢な映画です。2時間半、それこそ打ち上げ花火のように金属同士の戦いのオンパレード。
ストーリーはそっちのけでそれを見ているだけでよだれが出そうだが、それにしても全編クライマックスの戦闘シーンの連続は美しさを通り抜け本当に花火ショーだ。ものすごい技術を駆使したハイテク映画であることは間違いない。
でも、やはり牛肉のフルコースと超濃厚ワインの2時間半はお年寄りに . . . 本文を読む
お気に入り道尾秀介の最新作。今回は義父、義母と暮らすそれぞれ二人の兄弟と、その交錯から生じるミステリーだ。
まあ、二組の家族設定は通常だが、あるふとしたことから関係性が生じてしまうという設定がこの小説のみそである。そして底流イメージの題名の竜神。相変わらずひねりひねりが進行し、そして最後はいつも通りのどんでん返し気味の展開。
でも、今回はこの偶然が生む設定がこの小説のすべてであり、その分道尾の . . . 本文を読む