韓国で評判の質の高い映画だ。映像がモノクロなので、映像美が十分楽しめる。特に冒頭の海上からの俯瞰撮影は息をのむほど美しい。
で、その後、異教を取り締まることによる流刑となる上級官吏の3兄弟。映画はその一人の物語である。
ソル・ギョングが残りの生きる人生を学問への究明から実務上の魚辞書作成に転向し、一方漁夫のピョン・ヨハン(好演)は学問を目指すことで人間への究明を図ろうと思う。この二人の立ち位置 . . . 本文を読む
年末近くになると催される一人芝居フェス。全国から精鋭がやってくる。でも今年は地方色の方言があまり聞けなかった感がするなあ、、。
上演時間が午前11時から終わりが午後5時半。その間、3ブロックで9人の一人芝居が繰り広げられる。いつもこれを見ているときはまだ吾輩も健康なんだと思い起している。だから、健康パラメーター代わりに鑑賞しているのである。
冒頭の「黒川の宴」のかっこよさから始まり、最後は真打 . . . 本文を読む
道尾作品、結構読み続けている。最近はミステリーをまた書き始めており、期待大であった。全体に、でも、ちょっと冗長かな。そして、うまく偶然が続き、これはミステリーとしてはいただけない、と思う。
またミステリーで定番の、冒頭のエピソード。これが重要なのはいうまでもないのだけれど、こういう使い方をされると、ちょっと裏切られた感も漂ってくる。
しかし、道尾作品のミステリーはどこか魅力があり、やはり切り捨 . . . 本文を読む
脚本は柿喰う客の骨太作品。これを六風館がどう調理するのか、とても興味があったが、さすがでした。7人いる俳優陣、誰一人セリフのトチリもなく、相変わらず大学演劇での能力の高さを証明した形となった。
ただ、内容がとてつもない深い作品なので、美術等学生会館の舞台では少々物足りなく、演劇の中枢に行くにはとっつきにくい気がした。これだけは彼らのせいではないだろう。全体的にも六風館の体は十分成していた。
神 . . . 本文を読む
14歳、中2。もうずいぶん前なので覚えていず。けれど、この映画に出てくる心象風景はなぜか微妙に痛くしかも柔らかい感触へといざなう。
自己から家族と言えど第三者として意識する放射角。家族よりむしろ心を寄せる友達たちにも感じる疎外感。そんな濁流の中でただ一人自分を受け止めてくれた塾講師。彼女はこの俗世間の中でただ一人心を遊離させてくれた心の旅人であった。
けれど人生は彼女に姉の代わりに死を与えると . . . 本文を読む
題名からは想像できないニューヨークの底辺にたたずむ市井の人々を追うカメラの優しく暖かいことこの上ない。このタッチ、そうか「ワン・デイ~」のロネ・シェルフィグだ。バックに流れる音楽もいい。
現代のニューヨークにこんな一面もあるという実に誠実な映画だ。こんないい映画を見ると、まだまだ人間に愛着を持っていいんだ、と明日への希望も感じる。
俳優陣がみな脇役のような風情を持った俳優で占めているのも好感が . . . 本文を読む
久しぶりに青春のかけらを思い出す。徹底的にグラウンドを見せない舞台劇。その舞台の臨場感が冴えわたる秀作映画だ。そのメリットがよく出てる。舞台で見てみたい!
この映画見ているとき、見終わったとき、そう言えば忘れかけていたこんなこともあったとか、ホント次から次から出てくる。もう半世紀も前のできごとばかりなのに何故? 不思議な映画です。ラストはちょっと甘いけれど、でも、でも許しちゃおう! 誰もが辿った . . . 本文を読む
お気に入り作家です。幕末の時代物ミステリーから今回は5,60経って昭和初期へ。舞台は満州。岸信彦なんかも実名で出てくるから面白い。彼は戦犯で死刑寸前までの経験をした日本の首相である。わが子供時代には第一次安保闘争で、子供ながらにも岸首相の名前は刻み込まれている。だが、主役というわけでもなく、実にうまい使い分けを作者は試みている。
展開は連続殺人事件ではあるが、それほど綿密なミステリーではなく、読 . . . 本文を読む
関西の雄、演劇集団。今回はそれほど凝ってなく、あるところにたまたま集まるコミカルな人たちの日常話。それぞれ悩みは尽きないが、まず明日というものがあるのなら、それを目指して生きていこうやないか、というコメディです。
現状のコロナ禍、不景気等、我々を取り巻く身近な状況がこの物語の奥を秘めていると思うが、人々は悩み、わめき、考え、それでも生きてゆく。
観客はそれぞれ何らかの接点を見出だし、帰ってゆく . . . 本文を読む
阪大の学園祭の一環としての演劇公演なので、恐ろしく大変な公演手続きを踏む。まあ、ネットでQRコードを獲得できるまでは何とか進んだが、当日演劇の受付の前に入場受付という厄介なものが控えていることに気づく。
何と、あの阪大の坂道の入門管理が待っていた。40分も並ばされて、若い人は慣れているのだろうけど、僕は全然ダメ。とは言いながら、石橋の高台にやっと来てのこのこ帰られない、、。
やっとのこと学生会 . . . 本文を読む