【ウォンビン】ファンのための映画であることは間違いないだろう。前半。顔を覆う髪の毛で顔を隠す。表情を隠しているのではない。顔を見せないことでファンをいらつかせているのだ。そんなこと関係ない男どもはちょいいらつく。
前半のもう一つの要素は【ウォンビン】の極端な寡黙ぶり。相変わらず女性ファンを意識している。けれど意外とこの映画、暴力シーンが激しく、韓流を求めて見に来た女性は大驚きだろう。ざまあみろ、 . . . 本文を読む
久々の【ヴェンダース】、ちょっと昔に戻った感がする。セレブの売れっ子写真家。撮った写真をデジタル処理して違う芸術空間を創造する。家庭的には妻と別居中。母親を亡くし死を身近に感じている。
【ヴェンダース】ファンには安心できる作品だ。一応死をテーマにしているがそこにあるのは概念的な死であり、切羽づまったものでない。端的な言い方をすればセレブがふと思い浮かべる死である。掘り下げた哲学的な死でもない。言 . . . 本文を読む
これはすごい。2時間、ずっと続く至近戦の迫力が圧倒的。通常の大爆撃ではなく、ほぼ見放された部隊がたった7人でロスを守り切るという手に汗握る濃度の濃い戦争映画になっている。
映画的には最初から敵のエイリアンが姿を現さない演出が憎い。しばらく出て来ないのでかなり不気味なのだ。そしてやっと現れたら金属昆虫っぽい、それでいて人間に似たエイリアンだ。その数多数。キモイ。
よくこの小部隊で持つなあと穿った . . . 本文を読む
3D映画だそうである。あの、鬱陶しい眼鏡をずっとかけながら平板な映像を見ました。だいたい、この映画、3D映画である理由がまず分らない。2Dを無理やり3dにした感じがする。それに、J・キャメロンは製作の一部だろうが、、。
ということで、内容も平板。俳優陣も魅力なし。無理やり映画料金を取られた感もじわじわしてくる始末。確かに、洞窟の中はそれなりに美しいが、でもこれだったら沖縄の海の方がずっときれい。 . . . 本文を読む
なかなかの秀作。二組の夫婦の性格付け、心理状況が見事的確に描写される。骨髄移植のために元夫との駆け引きをしてまで娘を救おうとする母親と現夫との隠微な関係。元夫とスチュワーデスの妻との夫婦関係まで当然ながらぎすぎすしてくる。
この研ぎ澄まされた4人の心理劇はある意味ホラーとでも言うべきである。特に現夫が義理の娘のために仕事を内勤にしてまで尽くし、人工授精が失敗すると妻の肉体的提供まで看過し、もし妊 . . . 本文を読む
少女は親も見放すぐうたら性格。仕事にも精出さず、男との遊びだけはマメだ。そんな少女が映画に誘われ途中で強姦されたことから、忌まわしい田舎を抜け出すため都会に働きに出る。
縫製工場で働くも、ぐうたら性格は変わらず工場を即、クビになる。風俗に勤め出すが、すぐヤクザと同棲する。そのヤクザももめごとで殺されたあと、彼が貯め込んでいた金を見つけ男が行きたがっていたロンドンに観光旅行をする。そして、ツアーか . . . 本文を読む
人類が初めて宇宙に飛び立つという時代。その不安、苦悩、政治、、。映画はほとんど混沌とでも言うべき映像を連ね、登場人物の多彩さ、全体を霧煙る画面、前衛的な美術群を通して人間の存在を問うているかのようだ。読後感はただただシュールなる美。 . . . 本文を読む
【マイク・リー】の新作。そしてベルリンの銀熊賞。かなり期待して見る。冒頭の何やら軽やかな笑顔で自転車をこぐ決して若くはない女。まあ決して美人ではない。本屋に入り、店主に無駄話で声をかけるも無視される。外に出ると自転車が盗まれている。
でも、彼女、誰をも恨むことなく自転車にさよならの言葉をかけていなかったわあと楽天的。即、自転車から運転免許取得へと実行力も早い。30歳ぐらいの、ちょっと行き遅れ気味 . . . 本文を読む
そもそも暴力とは何なのか。暴力に対抗する暴力とは結局戦争ごときものしか生まないのではないか。映画は卑近な家庭劇での問題をあぶりだし、いわゆる9・11以降の現代人の生き方を問うているかのようだ。
映画でテーゼされたのは普遍的な学校でのいじめ、非暴力主義の父親に対する息子たちの恐るべき行動、アフリカ難民キャンプでの逸脱した異常暴力への対応、そして夫婦間の不倫さえある意味相手に対する精神的暴力なのでは . . . 本文を読む
何故かいつも満席状態の映画だった。ただ単なるスリラーなのに何故、と不可思議にに思いながらやっとチケットを手に入れ席に着く。話題の映画なのかなあとちょっとした期待感。しかしふと観客層がいつもと違うことに気づく。
ヤングが多い。しかもほとんどがカップル。映画が始まっても私語が続く。何か嫌な予感、、。
映画はそこそこまあ面白く作ってある。映像を見ながら、作り手のニヤツキ、しかめっ面、期待感がしのばれ . . . 本文を読む
好きです、この映画。いわゆるさわやか青春スポーツものだ。そして題材は問題プロ野球選手と聴覚不自由者野球チームとの激しいやり取り。高校野球の季節。これを見ずして暑い夏は乗り切れない、そんな怒涛の青春を一人で感じ取る熱い一日だった。
何故一人だって?何と、とうとう映画館で初めて(だと思う、、)一人しかいない客席で映画を見てしまったのですよ。でも、これはとても贅沢。というのも、館内に入るとエアコンを入 . . . 本文を読む
監督、俳優名からこの映画が生半可な映画でないことは理解するも、演出力、映像力、演技力を持ってしてもやはり映画というものは題材に左右されるのだという見本のような作品ではないか。
【チョン・ドヨン】、【 イ・ジョンジェ】にあられもないような熱演を仕掛けたり本当に 【イム・サンス】は大御所ですが、この作品で人間をえぐると言うところまでは全うされてはない。
サスペンスでもなく、ホラーでもなく、ましてや . . . 本文を読む
超お気に入りシリーズの3作目。この、超エリートでありながら、官僚丸出しのはみ出し警察署長竜崎は考え方に筋が通っているから、国家の危機管理者として現代の日本国家にとって今一番要望されている人物だと思われるほど魅力的だ。
とにかく警察機構を題材にしてはいながらも、話の展開がいつも面白く、ミステリーの秀作の条件である一気読みができる希有な小説でもあるのだ。
今回も期待は高く読みだしていく。ところが3 . . . 本文を読む
ヒューマン映画ですね。人の命をじっくり見つめた映画です。医療映画でありながらそこにきっちり仕事とモラル、階級とヒューマン志向との現実を描く。友情とは愛とは、そして人間と人間とのつながりを死を見据えたマクロレンズに写す。
通常よりゆっくり目の思考回路で考える医師の姿がいい。フラット思考なんだ。何でも原点に戻り考えようとしている。人の意見を拒否することもない。ただこういう人は(ひがみではないですよ) . . . 本文を読む
まあよくある少女テロリストものと言ってしまえばそれまでだが、監督が【ジョー・ライト】だけに一味違ったほろりと苦い快作となった。
そして主役は若き演技派【シアーシャ・ローナン】 である。布陣も【ケイト】を始め演技派をそろえている。これだけのスタッフ、どんな作品になるのかなと興味つかなかったが、さすが【ジョー・ライト】、そこらのサスペンス映画にはしていない。
まず、フィンランドの地球の奥深い秘境で . . . 本文を読む