4編の倒叙ものである。それぞれ本当によく考えられている。そんな殺人手引書が実際あるかのように思われる。それほど専門的なそれぞれの殺戮方法である。(よくぞこんなことを考えた!)
でもそれぞれつまらないところからほころびが始まる。やはり完全殺人はないのである。そう思いたい。
そしてほっとした後のエピローグである。だいたいボクはあの手引き書を作成したのは、海埜刑事だと思っていたので、どえらい間違いを . . . 本文を読む
これは凄い。予告編では想像できないほど断然いい。日本でも怪獣映画のジャンルで、こんなに質のいい、レベルの高い、海外に出しても遜色のない秀作を輩出出来たのが素直にうれしい。ラストのクレジット、五十音順ですべての俳優の気持ちが結集しており見事。
端的には日本に2度落とされた原爆と東日本大地震の津波の恐怖、これに尽きます。また日本の役所の組織ぶりから世界各国のエゴイズムまで見事に表現されますね。ぼくは . . . 本文を読む
あまりアニメは見ない吾輩ですが、社会現象にまでなっているこの作品はやはり気になりました。美しい映像、音楽、日常からそう遠くないところにある青春の姿がまぶしかったです。
あの入れ替わりは「転校生」そのものでありますが、時々戻るというところが異色です。ところが、ある時からその入れ替わりがストップする。それからが本当に悲しさを帯びた恋愛に入ってゆくんですね。素晴らしい。
この辺りからヤングたちはどん . . . 本文を読む
こういうみんなが知っている事故を映画化する意義はどこにあるのか、をずっと考えていました。だいたいイーストウッドはもう余裕だから、作りたい映画しか作らないんだよね。そんなイーストウッドの心境を探ると、、。
映画はそりゃあイーストウッドにしてはコンパクトだけど、さすがの映画構成を見せてくれる。2時間弱、「気持ちとしては一気」だからすこぶる秀逸な映画であります。また単なる事故もの映画にしていないのは冒 . . . 本文を読む
売春婦なんていう呼び方より娼婦のほうがよくない?とか勝手なことを言ってますが、まああまり、らしきない人たちばかりいましたね。(そりゃあそうでしょうが、、)
あんな人たちがいらっしゃる、そういうところがあるとしたら一度は訪れたい、、なんてバカなことを考えてしまいます。
その中に、化学に通じてキノコを培養している人もいれば、何故か無理やり回数を争っている人もいる。また弟との近親相関愛を感じ逃げるよ . . . 本文を読む
前作「プレゼントタイム・ハローグッバイ」 がかなり完成度が高かった劇なだけに、本作はかなりファンとして不思議な思いだったが、またいつもの匿名を歩み出したようだ。何か変だけどちょっと安心。
劇はやはりちょっとヘンテコなんだよね。感情をなくした人間の話。宇宙人がある人を拉致し、ある人を指定して、その人が泣けば解放するという。でも指定された人は感情を宇宙人になくされているので泣けない。そんな話がベース . . . 本文を読む
前作『SQUARE AREA』が今でも脳裡に残っている。通常の演劇でないレベルの高いところを目指している劇団であることが分かる。その最新劇である。
とにかくスタイリッシュなのである。洗練されているのである。小気味いい大音響。それは身体を突き抜ける。今回はリングを持ったアクション。これがまたよく使われており、いい。すこぶるいい。練習量凄いんだろうなあと思わせる。15名ほどがABCホールの舞台狭しと . . . 本文を読む
登場人物30数名。この小説だけは冒頭の主な登場人物名を何度読み返したことか。
事件が新聞記事になるまでのプロセスが本当によく分かり、今更ながら記者たちの苦労に頭が下がります。社会部が中心なのだが、記事のレイアウトをする整理部にまでその著述が及ぶ。これもたまらない面白さである。
7年前の児童連続誘拐事件によるミスで大いなる社会的責任を取らされた3人のジャーナリスト。同じような事件が現代に再現され . . . 本文を読む
佐藤泰志原作ものとしては前2作に較べ多少明るい。函館の空気は依然どんよりしているが、それでも前向きの希望はかすかに見える。生きているということ、生きるということ、人と関わり合うということ、そのようなことを否が応にも考えてしまう作品だ。
男は普通の生活をしていたと思っていた。普通の人間だと思っていた。子供も生まれ、そんな人生がこの先ずっと続くのだと思っていた。けれど自分の存在が女を徐々に滅入らせて . . . 本文を読む
うーん、2時間20分の長尺は持ち応えた。ある意味娯楽作でもあり、十分楽しめる。特に、これだけの俳優のオンパレードは見ているだけで得難いものがあり、貴重だ。
想像していたよりラストに近くなるほど題名には窺い知れぬヒューマン映画であることを知る。3組の山神エピソードにはうまくだまされてしまった。あの、整形後の指名手配写真から、この話は山神が大西→田代→田中と変貌する時系列の映画だ . . . 本文を読む
入るともうそこは電車の入り口。劇場は完全に電車の内部となっている。ほとんどの観客は電車の椅子部分の2階・3階に位置することになる。この美術はカネがかかってるなあ(車両部分どうやったんだろうか)。見たことのない設営である。そしてその車内で不思議な物語が繰り広げられてゆく、、。
前作が初演にしては完全作だっただけに、僕にはこの2作目が注視されたわけであります。劇場もHEPからごく小さいSPACE9に . . . 本文を読む
さすがの僕も少々疲労困憊気味。そして今日も演劇鑑賞だ。正午に開演、午後3時半に終演。3時間半。6団体だったが、そのうち一つは途中で見失うことも。何のために演劇を見てるのやら、、。
みんな若いのである。平均年齢は二十歳そこそこか。やはり若いからいろんなパターンの演劇を見せてくれる。面白い。溌剌としている。演劇の極意である。
みんなよかったが、僕は最後の精華高校演劇部「Compassion」を評価 . . . 本文を読む
先週は140分芝居を2本連荘して程よい疲れ。そして昨日はというと、二人芝居が60分、三人芝居が20分、一人芝居が80分。幕間にそれぞれ20分、芝居前に15分の音楽ライブと来たから、午後5時開演で終演は午後9時でした。
何と4時間。これは僕の記録です(歌舞伎とかはあるけど)。結構お年寄りにはきつい。観客と、3本の芝居出ずっぱりの練間沙たちPAMとの正真正銘の格闘劇でもあります。
入ると、いつも窮 . . . 本文を読む
別名「ミシェル・ゴンドリーの思春期」とでも言うべき清々しい映画です。あのひねくれ者ゴンドリーがよくもこんな素直な映画を作ったもんだと実は超驚きました。やはり人は自分の幼年期を描く時、先人のフェリーニ、トリュフォーと同じく心がピュアになるんだ、、。 . . . 本文を読む
ドビュッシー、ラフマニノフと続いていよいよ真打ショパンが来ました。しかも舞台があのわくわくするショパンコンクールでのミステリー。しかも今回はテロリストとの闘いでもある。
このコンクールでの予選から本選に至るコンクールの描写が絶品である。例のあの音源描写は今回はとても多量で、もう楽しんで楽しんで、、。この描写とともにCDをかけて頁を繰ろうかなと思ったぐらいである。
思いがけない犯人もさすがだが、 . . . 本文を読む