ある事故が、被害者と加害者を作る。人間の本源に迫る問題作だ。苦しい時間が続くも、最後にかすかな微光が見える、、。
誰にでもどこにでも起こり得る事故だ。万引きで逃げる少女と、追いかけるスーパー店長、少女を引いてしまう女性、さらに巻き込まれるトラック。まさに一瞬にして人生が変わる地獄絵図だ。
少女の父親が被害者であり、しかし加害者ともなって関係者を追い込んでゆく。一番責められるべき父親が実はそれを . . . 本文を読む
今年の本格ミステリー小説の話題をさらう筆頭でしょう。500ページの長丁場、冒頭部から主人公が殺人をする叙述ものと思いきや、否そんな単純なものではありますまいと、ページを繰る吾輩。
話はあり得ぬ密室が続き、真犯人はこれぞと思わせといて、二転三転最後にひねりを加え、最後はさらに屈伸を加え、この超本格ミステリーは終わります。
やはりこれだけのミステリーを書けるということは、われわれ凡人には及ばぬ才能 . . . 本文を読む
まず自分の遺体を解剖するまでの臓器に加えられたメッセージとは何か、というミステリー提示に度肝を抜く。でも意外とそれは簡単に謎解きされるのだが、文章も読みやすく、ああという間に最終章へ。いいミステリーの極意である。
真犯人のひっかけもしてあるし、28年前の連続殺人が現代によみがえるというう設定もよろしい。簡単に警察機構の説明もしてあるし、読み見ごたえがあります。初めての作家だが、これからが楽しみで . . . 本文を読む
このシリーズ第1作、原作もよかったんだろうけど、ホテルという素材の蘊蓄も新鮮、しかも木村・長澤のコンビが心地よくミステリーとしても秀作だった。そして本作2作目。同じ題材なんだけど、ちょい期待しすぎかな。楽しみは大勢の旬の俳優陣をじっくり見られるところ。ファン冥利に尽きます。 . . . 本文を読む
読み始めるとページを自然と繰っている自分がいる。秀作ミステリーの常だ。最初の事件から15年の歳月が過ぎ、全く関係のないと思われた事件が結合してゆく。
書き込みも見事で、なかなかの力量だと思う。真犯人が思いがけない人なのと、冒頭の謎が最後に説明され、ミステリーとしては有望の作家だと思う。ミステリーはこうでなくてはね。
ところで、そのミステリーを解く三ツ矢刑事、自分の事件の謎は次回へ、ですかね、、 . . . 本文を読む
当時のキネ旬3位ということで、また古い映画を観にシネヌーヴォに行ってきました。最初の字幕で木暮実千代がトップだったので、え、佐久間じゃないのか、と不思議がる。
京の故郷に人生の原点を求める薄幸の幼馴染二人の話だが、前半は昭和最後の廓話でなかなか活気がある面白い展開で、丁寧な描写を見せる。佐久間は美しい。岩崎加根子も初々しい。でも、やはり字幕トップの木暮の、水を得た魚のような立ち位置、振る舞いが妙 . . . 本文を読む