セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2025年 映画 06本、 演劇 06本

空白 (2021/日)(吉田恵輔) 80点

2021-09-25 19:27:04 | 映画遍歴
ある事故が、被害者と加害者を作る。人間の本源に迫る問題作だ。苦しい時間が続くも、最後にかすかな微光が見える、、。 誰にでもどこにでも起こり得る事故だ。万引きで逃げる少女と、追いかけるスーパー店長、少女を引いてしまう女性、さらに巻き込まれるトラック。まさに一瞬にして人生が変わる地獄絵図だ。 少女の父親が被害者であり、しかし加害者ともなって関係者を追い込んでゆく。一番責められるべき父親が実はそれを . . . 本文を読む
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硝子の塔の殺人(知念 実希人 著)(‎実業之日本社 2021) 80点

2021-09-21 20:25:23 | 読書遍歴
今年の本格ミステリー小説の話題をさらう筆頭でしょう。500ページの長丁場、冒頭部から主人公が殺人をする叙述ものと思いきや、否そんな単純なものではありますまいと、ページを繰る吾輩。 話はあり得ぬ密室が続き、真犯人はこれぞと思わせといて、二転三転最後にひねりを加え、最後はさらに屈伸を加え、この超本格ミステリーは終わります。 やはりこれだけのミステリーを書けるということは、われわれ凡人には及ばぬ才能 . . . 本文を読む
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傷痕のメッセージ (知念 実希人)(2021 角川書店) 80点

2021-09-20 11:40:26 | 読書遍歴
まず自分の遺体を解剖するまでの臓器に加えられたメッセージとは何か、というミステリー提示に度肝を抜く。でも意外とそれは簡単に謎解きされるのだが、文章も読みやすく、ああという間に最終章へ。いいミステリーの極意である。 真犯人のひっかけもしてあるし、28年前の連続殺人が現代によみがえるというう設定もよろしい。簡単に警察機構の説明もしてあるし、読み見ごたえがあります。初めての作家だが、これからが楽しみで . . . 本文を読む
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マスカレード・ナイト (2021/日)(鈴木雅之)  70点

2021-09-17 19:42:52 | 映画遍歴
このシリーズ第1作、原作もよかったんだろうけど、ホテルという素材の蘊蓄も新鮮、しかも木村・長澤のコンビが心地よくミステリーとしても秀作だった。そして本作2作目。同じ題材なんだけど、ちょい期待しすぎかな。楽しみは大勢の旬の俳優陣をじっくり見られるところ。ファン冥利に尽きます。 . . . 本文を読む
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あの日、君は何をした (小学館文庫) (まさき としか 2020) 80点

2021-09-07 11:36:08 | 読書遍歴
読み始めるとページを自然と繰っている自分がいる。秀作ミステリーの常だ。最初の事件から15年の歳月が過ぎ、全く関係のないと思われた事件が結合してゆく。 書き込みも見事で、なかなかの力量だと思う。真犯人が思いがけない人なのと、冒頭の謎が最後に説明され、ミステリーとしては有望の作家だと思う。ミステリーはこうでなくてはね。 ところで、そのミステリーを解く三ツ矢刑事、自分の事件の謎は次回へ、ですかね、、 . . . 本文を読む
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五番町夕霧樓 (1963/日)(田坂具隆) 70点

2021-09-05 21:31:00 | 映画遍歴
当時のキネ旬3位ということで、また古い映画を観にシネヌーヴォに行ってきました。最初の字幕で木暮実千代がトップだったので、え、佐久間じゃないのか、と不思議がる。 京の故郷に人生の原点を求める薄幸の幼馴染二人の話だが、前半は昭和最後の廓話でなかなか活気がある面白い展開で、丁寧な描写を見せる。佐久間は美しい。岩崎加根子も初々しい。でも、やはり字幕トップの木暮の、水を得た魚のような立ち位置、振る舞いが妙 . . . 本文を読む
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