今年は日常が忙しく、映画本数がた減り。とはいっても69本って、普通の人では多いんだろうけど、200本を超えていた時を知る僕にはかなり貧しい本数である。
原因は映画が僕を揺さぶってくれなくなったからなんだと思う。1960年代から1970年代にかけての映画は、どんな映画でも僕の滋養になった。要するに、僕が年を重ね、栄養過多で受け付けなくなったということもあるけれど、ヨーロッパ映画の凋落・ハイウッド映 . . . 本文を読む
42年という時間の流れを感じさせない最終編。何かRPGの最後にたどり着いたような感動もあったが、僕も随分年老いました。それが第一の感想。この最終回の解決編は思ったよりすっきりしていて明るく素敵だ。スターウォーズ、なんだかやるせないその青春。ありがとう! . . . 本文を読む
期待して見たわけではなかったが、それでも周防作品、見なければという気持ちが強かったです。そして、、、
結論的には永瀬に言わせる「写真以外のものは映画ではない」という正論を吐いてるんだが、まさに写真以外の本来ないはずの話を弁士に仕立てる映画カツドウって悪くないじゃん?と言ってるようでもあり、この辺り混濁しました。
映画へのオマージュとして「ニューシネマパラダイス」は然り、栗島すみ子似の黒島結菜を . . . 本文を読む
生きることと死ぬことは同じことと見つけたり、と長く語られてきたが、現代の若者が真摯に語らう断片のページ集だ。
4つの短編のオムニバスの展開である。素朴でいたいけな心の内をストレートに全部つぶやいているのがいい。私のような老人になってしまうと、随分最近の大学生も思春期に近い恥じらしさを持っているように感じたが、寄る年波を感じている老人の戯れと許してくださりませ。
まさに気恥ずかしい4編だが、特に . . . 本文を読む
脇役陣にいい俳優揃えてるんだけどなあ。でも彼らもそれほどの個性を発揮せずのまま、ストーリーは進んでいき、、
主役の二人があまり魅力のないのがこの映画の弱点か。
なんだかふにゃふにゃの話に展開していき、そのうち途中で真相も伏線で告げられ、それからは何だかなあという話になってしまいました。
どうせだったら、寓話にしてしまう思い切りがあればもっと締まった作品なったものを、いい話にしようとすればする . . . 本文を読む
キャラメルボックスの名作。ストーリーを知っているからか、なぜかワクワク感がない。学生演劇だから、年齢差を感じない役柄もすぐ慣れるのだが、全体的に流れを感じないなあ。
俳優陣はみんな声がちゃんと出ているし、セリフのとちりもない。好演である。なのに、なんだか不思議とこちらに伝わってこない。こうなると、演出かなあと考えてしまう。単なる僕の体調の悪さかもしれないし、、。
俳優一人一人はホント才能豊かな . . . 本文を読む
よく考えられたサービス精神いっぱいの脚本です。コメディを前面に出し、退屈なんか絶対しない演劇づくりを目指しているかのような、ほんわかコメディで、90分があっと終わる。
終わったかなと思ったら、本当の終わりがまた待ち受けていて、かなり観客を受けを考えている演劇だと思う。その努力を買います。
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6人の登場人物。それぞれ個性があり、というか皆それぞれに毒を持っている。それが大小であるかは問わず生きているのが人間なのだ。
この劇ではそれに加えて言葉、方言、言語を問題にする。関西弁から、俄然標準語に変わりそして最後は人間の発する言葉ではないような言語まで登場する。観客は何事かと驚く。
斬新な劇であるが、言語の流転と町への居住の意味をこれほど考える劇は少なく、作者の感性の鋭さに驚く。
俳優 . . . 本文を読む
読みづらいこともないが、かなりの部分を占める政治的蘊蓄を読めるかどうかでこの小説の評価が決まると思う。別にこういう考えがあってもいいのではないか、と普通に読んでしまう僕はそれほど気にならなかった。
ということで、あとはこの厄介な密室解読と実質的な探偵が誰なのかに焦点が移るわけですが、あっと驚くほどではないが、それほどににんまりしたかなあ、、。もうミステリー界においては密室は解き明かされた代物だか . . . 本文を読む
確かに面白く、ユニークな題材だ。こんな恐ろしい真剣劇にはわが人生、出来たら出くわしたくないわいと思いながら、それでも覗き見してしまう人間の悪趣味が出て、怖い。
でも僕はこのスマホ勝負には正直、中途辺りで誰もがもうやめようといわないのが不思議で、どうもあざといことに気づく。そう、作り事過ぎるのである。こんなに、秘めごとのオンパレードを次から次へと見せつけられると、だんだん慣れて来るね。そういうあざ . . . 本文を読む
最初の2編辺りで読むのをやめようかなと思っていた。米澤にしてはかなり手を抜いているイメージがしており、これ以上読んでもと思いつつページを繰っていくと、だんだん面白くなっていくではないか。
これはいつもの米澤ペースに嵌っているぞ、と分かりつつもずんずん終息へ。なんと、こういうどんでん返しがあったとは。
読み進めていくうちにだんだん面白くなっていくミステリーは実は少ないと思う。通常は逆だろうから。 . . . 本文を読む
見事、冴えわたる名作と言われる脚本。女6人だけの演劇スタイル。妊娠という当たり前の女だけの人類の営みを、ある旧家に生き生きと流れる女のいのちを描いている。
女の強さ、弱さ、喜び、哀しみ80歳ほどの年長者から初潮を経験する11歳の女の子まで、脈々と流れる女の神髄・歴史を描いてゆく。コメディタッチで演出するも、そこには感動的な女性への神々しさまで感じ取れる。
秀作です。 . . . 本文を読む
アミューズ恒例の歳末公演。いつもはさりげない人生の機微を感じてその年を終えるのだが、今年は大竹野作品でどうなることやら、と少々危惧もし楽しみでもあったが、やはりしっとりとした大竹野作品となっていた。この辺りはアミューズの感性が突出しているからだろうか、、。
主要女優のうち、笠嶋千恵美が重要な主婦の役柄で、残りの条あけみさんと思い野未帆さん、中村ゆりさんは黒子役だったり、狂言回し役だったりしていた . . . 本文を読む
470ページもの長編だが、読みやすいし、説得力のある書きぶりで、長いのは気にならない。作者の思い入れも強く感じられる内容でもある。
途中ですべてが分かってしまうしまう展開で、ミステリーの醍醐味は味わえないが、冒頭から全容を秘匿している誘拐事件の顛末はやはり何とも言えないほど後味が悪い。貫井もこの作品を集大成と言っているようだが、こんな話にするなんて、彼もかなり悪い性格だというような気もする。
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朗読劇のようでもあり、ちゃんとセリフを聞いていたつもりがどこか違う空間にいざなわれている自分を見つけたり、ポエム劇といった方がいいのだろうか、感性を大切にしている劇だと思われた。
ストーリーはありそうでなく、そこにはぼんやりとした、そうかすかな光が満ちている、そんな感じだ。こういう演劇は割と好きな方だが、2,3回見なければ奥底に秘められた真実に近づけないかもしれない。
俳優陣がみんな美しく、う . . . 本文を読む