最近、映画のコメントを書くのがかなり苦痛になってきている。うまく書こうなんて思ってはいないが、書こうと構える気持ちとかモニターを睨む瞬間すでに嫌になってきている。
以前は映画を見たらその日に楽しくコメントを書いていたが、最近はその週に書いている。こうすると多少は後送り出来るので、まあ続けられていたのだが、、。
で、最近のように映画本数が多くなると、当然コメント数も多くなる。で、気も重くなるのだ。 . . . 本文を読む
題名の意味も考えず何となく見てしまった映画だった。そのうち題名どおりだったことに気づくと、これは大変な映画だわい、と画面に目を引き付けられる自分に気づく。
まあ、自分の家庭では絶対起こりえないという話でもないから、逆にそれだからこそ引き込まれたのですが、やはりクライマックスの、子供たちだけで出産をやってのけるという設定に無理があるので、その不自然さの残滓が後々続く。
また、全くおぼこい二人だと . . . 本文を読む
幼い少女と精神病患者との邂逅と聞けば古く「シベールの日曜日」という恐い名作を思い出す。二人だけの世界というのは当人以外にはどんな場合でも理解されないものなのだ。この映画も嫌な結末を想像してしまったが、かろうじてこらえている。
10歳ぐらいの少女の心の中はもう僕らの年代になると分かりようもないのであるが、やはり繊細で硝子のような構造になっているのであろう。両親は毎晩口げんか、姉は寄宿舎に行く。完全 . . . 本文を読む
まさに3D映画。3D眼鏡をかけて、昔見た懐かしい見世物小屋のごとく童心に戻り、またハイテクな3D表現に現代に生きていることを感謝し、映画というより一日楽しいテーマパークに行ったような楽しい気持を共有できた。
音響と、どこからでも水なんかがこちらに飛びついてくるかのような3Dならではの超リアル体験、これは正直、映画を語るというより、体験するということです。出し物はヴェルヌの「地底探検」。これは僕の . . . 本文を読む
さすが「まぶだち」「ロボコン」の古厩智之、原作以上の素晴らしい心の映画を作ってくれました。予告編では想像出来ないすばらしい出来に驚きもし、また思いがけずじわじわと感動し泣き崩れてしまった。
現代人において食べるということは飽食という意味でもあったと思っている人も多いはず。しかし、現代においては飽食は逆に死語であり、寝食猶予ならずが実際の本音なのであります。都会においても寝床自体が不安定な経済社会 . . . 本文を読む
イギリス王室史でも常に話題に欠かないヘンリー8世の、その王妃で悲劇の人といわれているアン・ブーリンの血なまぐさい物語である。アンだけでは平板だと思ったのか、妹のメアリーを舞台に出して輻輳した愛憎劇に仕立ててある。
歴史的にはメアリーは姉らしいが、どういうわけか妹の設定である。まあ、順番からして妹を最初の妻にする方が映画的には面白い。しかし、歴史的な事実をすっぽり変えてしまうというのも思い切ったや . . . 本文を読む
ピアノの詩人って言葉があるけれど、ターセムはまさに映画の詩人と言えるだろう。だって、映画って映像で描いていくいわば映像感覚の世界でしょう。その映像で伝えたいことをスケッチしていくというのは意外と難しいのだ。作る方も見る方もだから感覚を磨く必要があります。
この映画はまさに映像で映画を見せる。絵画のような映像の連続。巨視的な広がりを持ったワイド視点。考え抜いたアングルの映像と色彩。映像ファンには随 . . . 本文を読む
10/20
まずTOHO難波で朝一回目の「P.S.アイラヴユー」を見る。ヒラリー・スワンクあまり好きな女優ではないが、やはりうまい。こういう女性向けの映画でもしっとりとした情感が出せる。さすが演技派だ。くさくないところがいい。映画は通常映画ではやらない後日談形式。そこがこの映画の魅力。
その後、心斎橋まで歩く。先週来た時はマグドナルドで済ましたのでもうちょっとまともなものを食べたかったが、今回も時 . . . 本文を読む
珍しいメキシコ映画だ。しかもクライムコメディというのだろうか、登場人物の多さ、あらゆる所に伏線を敷いているところ、起承転結、時間の感覚等映画に寄せる想いがムンムンのいわば才気煥発映画であります。
アクの強そうなラテン系やまさに白人系の人間が入り乱れているので、映画の画面はいつもごった返しているが、話の展開も間延びしている部分は全くなく、緊密であり、こちらが気を休める瞬間がないほどだ。まあ、それだ . . . 本文を読む
モノローグと回想が頻繁に映像化される。地獄のような拷問である。ただ、それが執拗に続く。緩慢な展開である。前に進まない。もたもたしている。切れが悪い。少々退屈してくる。ところが、、。
これはプロットの映画だ。製作、原案が日本人女性。何かあるワイ、と思っていたら、ラスト近くのあっと驚くどんでん返し。うーん、でもこれはかなり面白いが、違反すれすれかな。このプロットで作品の評価は少し上がったが、でもそれ . . . 本文を読む
うーん、見ている間何度頭を左右、斜めにかわしたか。ノンストップアクションとしては出色の出来だが、その面白さを演出した犯人像を知るにつけ、超しらけムードが漂い始め、急遽しょぼくりまくったことよ。
そりゃあ、面白いさ。行くところ、すべて全能の神が指示を与えるその「何故?」からスピーデーなアクションは行き着くところを知らないぐらい。まるで、ストップ装置のないジェットコースターに乗っている感じでもある。 . . . 本文を読む
高校生時代の恋愛って、青臭くそして物悲しい。ピアノで結びついた二人の淡い恋はそれでもめらめら燃えて本物の空を焦がす恋となってゆく。
見事な才能を披露したジェイ・チョウの演出、脚本、主演、音楽、そして台湾の映像の鬼才リー・ピンビンの濃淡明確な撮影。魅惑的で、ミステリアスです。韓国映画「イル・マーレ」とイギリスの名作「嵐が丘」を足して2で割ったような純粋培養恋愛映画が輩出された。
思春期の恋愛って . . . 本文を読む
いい映画です。こういう映画は見る方が気持ちをしゃんとして、少々余裕のある時に見たほうがいいと思えます。映像から何か、映画愛を感じるようなそんな素晴らしい映画です。
妻と子供を亡くした料理人と夫と死別後娘を連れて金沢に生き延びてきた女。そんな二人が料理を通じて心の交流を進めていく。そこには恋愛も、事業も、採算も、世の中の不景気も何もありませんが、本当の人間同士の交流があります。
この映画は金沢の . . . 本文を読む
ヤクザだって家族のことを一番思っているよ、という一筋のテーマが光り、哀しく、そしておかしくどこにでもいる男の日常をぐさりとさらけ出す。
このハナシって、就職先がヤクザでなければ全く平均サラリーマンに通じるハナシであります。会社では上司に叱咤され、部下から突き上げを食う。家に帰っても、妻、子供たちから足蹴にされ部屋の居場所もない。そんな、中間管理職の生きている生活そのものをつぶさに描いているかのよ . . . 本文を読む
導入部が新婚らしい夫婦喧嘩。やっと仲直りして次のカットは、と、、。夫の死後何回目かの偲ぶパーティ。この展開は切れていてうまい。通常のドラマであれば新婚の夫婦喧嘩をするまでで1本の映画と成すが、その後から始まるのがいい。うまい。
この出だしで今までの既成の映画ではございません、とぶち上げたわけだが、その後は、ではいかがか、、。
不思議なことに死後に夫から手紙が来るのである。僕らは闘病中の夫を映像 . . . 本文を読む