初めての著者である。昨年話題になった本であるらしい。悪徳警察ものらしく見えるが実はそうでないところがこの本のミソである。特にラストの人間を見つめる目線は求道者とも言えるほどの熱さだ。感動作である。
けれどミステリーとしては実にいい加減とも言える。まあ本格モノではないとは分かってはいるが、ああいう風に真犯人を都合よく出されたら、推理する楽しみが失われてしまう。ミステリーとしては常道の伏線がこの作品 . . . 本文を読む
こういう戦争映画にしては演出がしっかりしているせいか、最後までだれることなく映像は続いていく。戦闘機を使用したシーンも日本映画でよくある稚拙さはない。それはこの映画の主題が山本の脳裏にあるからだろうか、、。
僕の好きな半藤一利が原作である。だからか山本がスマートに見える。いくさ論より国民の命を守る平和論者に見える。アメリカとの対戦を躊躇する理由を日本国民のためとする。だから常に講和論が彼の脳裏を . . . 本文を読む
このシリーズも3作目か。【須賀健太) も考えたらもう高校生。だんだんみんな大人になってくると話の展開も単調になってくるのは致し方ないところ。でも、僕たちは彼らそれぞれの旅立ちを心から祝ってあげたい。あの大きな夕日を感じながら。
. . . 本文を読む
そうか、【アダム・サンドラー】の女装と双子同時出演の超不可思議な映像処理、そして【 アル・パチーノ】の自爆演技が見せ場のコメディでございます。
でもねえ、まあ目が慣れてくるけれど、やはりサンドラーの女装は太っているからかちょいキモ。映画館での相似形態シーンもちょっと長いわ。しつこいデス。やはりこの手のコメディの作りはアメリカと日本ではかなり相違があるのか、映画館ではあまり爆笑がなかった。
パチ . . . 本文を読む
先日東京に泊まった朝のこと。何と窓を開けると雪が舞っている。温度はさ程低くはないが、低気圧が通過しているらしい。今日帰るのに飛行機が飛ばないと困るなあと思うも、こればかりは仕方がない。今日帰れなかったらその時に考えようと頭の中は珍しい東京での休日を楽しむ方向に向いている。
けれど、荷物を持ちながらこの雨雪の中、東京の町を彷徨うのはちと限度がある。午前中は新宿あたりをぶらつこうと思っていたのだが、 . . . 本文を読む
確かに映像も音楽もちょっと異質。だいたい話が現代のブルジョアなんだがちょっと古めかしい設定で、大晩餐会から始まると来た。何なんだろうと思っていたら現代版「チャタレー夫人」的で少々不満。
映像は大胆で見るべきところ多し。けれど野外でのあのセックスシーンの、自然との交互の映像は今やそんな写真は素人でも撮らないでしょうに、、。古~い隠微なその手の映画を思い起こしましたデス。せめて俳優たちがもうひと頑張 . . . 本文を読む
冒頭から執拗に繰り返される震災の映像とモーツアルトのレクイエム。今や、世界は朽ち果て人々は鎮魂のみを必要としているのか。あるいは、それでも立ち上がることを求めているのか、、。
そんな思いがきっと園に入り込んできたのに違いないと僕は思う。ここがこの映画の評価を迷わせるところでもあるのだが、僕は許す。だれだってあのときはみんな茫然としたはず。(今でもそうだが、、。)
この映画の主人公住田さんはまだ . . . 本文を読む
本格的な演劇を久しぶりに見る。しかも出し物はあの、身も凍るドストエフスキーの最高傑作。でもあんな長い小説をどうやって2時間半に、という気持ちはずっと持ち続ける。
どこか重要な場面だけで2時間半やってくれるのかなあと思っていたが、いやあものすごいことにあの小説のダイジェストでもいうべきスマートなまとめ方に驚愕。何とかカラマーゾフは見せてくれている。俳優座と言う大所帯。個々の配役にも重鎮を配置した気 . . . 本文を読む
どうもねえ。板尾が映画好きだというのは分かるけど、ワカラナイ映画というより自分の思いをそのまま映画にしちゃった作品と言うところでしょうか。映像は光るところもあっただけにちょっと冷静になってもらいたいデス。いえ、ホント、困りました。 . . . 本文を読む
確かに疑いなく衝撃の作品である。人間が考えるにこれ以上の受け入れがたい真実がこの世にあろうか。一応は上質で綿密な一流のミステリーである。しかし、このギリシャ悲劇を下敷きにしたような謎解きには悪意が入り込んでいる。
まず、テロにはテロをという循環が絶たれていないことを僕たちは知るべきである。彼女は生きることを選んだがために数奇な運命を辿ったが、いくら拷問を受けようが人を殺めたという事実は消えないは . . . 本文を読む
今回も衝動買いでした。
Ipad2を持ち歩いているが、軽くなったとはいえ600gはある。単行本一冊の重みかな。これを毎日通勤でというのはオジジには酷。ある程度はスマートフォンで十分なのだが、地下鉄ではネットが使えない。携帯ネットができるスマートフォンより大きめのタブレットが欲しい、しかしできたらゲームも出来たらなど、年寄りにも拘わらずご無体なことを言う。
任天堂から無線のゲーム機も出ているのだ . . . 本文を読む
あの血も凍るそして煮えたぎる『チェイサー』から2年。2作目は思ったよりアメリカ映画的だったかな。前作のとにかくおどろおどろしく地下の要塞に引き籠って行くイメージから少々ハリウッド的にはなっていましたね。
この映画の理詰めで面白いところは一つの殺人が重複依頼だったということなんだよね。これだけが最後まで謎で残り、ラストでやっと観客に知らされるんだけど、まあ面白いけれど作り過ぎたミステリーぽいね。
. . . 本文を読む
アルゼンチンの軍事国家時代の暗黒を子供の目から見捉えた作品です。子供の視点だからどこか曖昧で、何が何やら明確には説明しないところがこの映画の特徴であるのだが、でもそのためか主題も拡散されてしまった感もする。
母親が何やら非合法組織に入り込んでいる様子は窺えるも、家に入り浸る男が情夫としての存在するのかどうかは不明確。子供の目だから当然と言えば当然だが、かといって子供がそれほど嫌悪感も持っていない . . . 本文を読む
いやあ、やっと昨年観た映画のコメント書きがようやく終わった。
最近、映画を見るのはいいのだけれど、コメント書きが苦痛になっている。これはブログで何度も言っていることであり、またかと思う人も多いだろうと思います。でも、最近はこれが高じてコメント書きが厭だから、映画を見てもコメントを書かなければいいじゃないか、とか映画をそもそももう見るのをやめようかとかいろいろ考えたりする。
これでも昨年は120 . . . 本文を読む
【ガス・ヴァン・サント】にしてはいつもの冗漫な(失礼)眠くなるような映像の羅列が潜まっており、コンパクトな青春ものに徹しており少々びっくりしました。
若い人たちと愛と死というテーマは全く変わりません。主役の二人が新鮮でとてもいいね。特にあの若さで死期が決まっている【ミア・ワシコウスカ】の清新さは例えようもないほどまばゆく素晴らしい。まさにこの映画の一点の花である。
両親を事故で亡くしてから死の . . . 本文を読む