オフ会から始まるミステリーってさすが現代的だなあと思った。そしてその時集まった9人のうち4人が死んでいたなんて、ミステリーファンならではの設定、これはいけると思いました。
詩を愛する者たちの集いがメインであるが、詩人に対するイメージがかなり一方的で、ずっと違和感を覚える展開でありました。詩人が死を常に意識して生活力がそれほどないようなイメージはどこから出てきたのだろうか、、。
詩というのは文学 . . . 本文を読む
今月僕にとって最大の注目作品であります。前作「We are lucky friends」がまだ脳内にその強烈な印象が残っており、この作品を本当に心待ちしていました。
そして今日この作品を見る。全く違う演劇だなあというのがまず感想。あるルポライターがある村を取材に行く。そしてそこに得体のしれないものを垣間見てしまう、、。というカフカ的導入部。とてもぐいぐいと引き込まれます。面白いです。
でも、カ . . . 本文を読む
本公演は前作とは打って変わりまさに演劇ミステリー。謎解きであります。何を隠そう僕は子供時代からミステリーをかなり愛読しているので、この手の作品は大好きである。
話は演劇だからかなり荒っぽいが、でもストーリーが意外と練ってあるのでなかなか本質のところに行かないように細工してある。(僕は最初、本格モノかどうか分からないので小説のように伏線を読まなかったけど、、)
それでも後半からこれはひょっとした . . . 本文を読む
ちょい広めのindentセカンド劇場。出演者20数名。内容はアッと驚く西部劇。しかも主人公はうら若き女性3人の賞金稼ぎ。それに一人の女性が絡む。すなわち4人の美女アクション劇であります。
男性出演者も多いが、なぜか脚本が添え気味に設定。どうやら今回はこの4人組の旗揚げ公演らしい。(何も知らずに身に来たのは僕ぐらいか)2時間の長尺なんだが、ストーリーも単純で、何といっても女性陣がみんなきれいでうっ . . . 本文を読む
どこにでもいそうな市井の男である。ちょっと才能があったが、うだつの上がらない作家崩れである。家庭を壊してしまったというのはすべて自分の成せる業である。今は別れた家族との月一の逢瀬が唯一の楽しみである。
団地という昭和の切れ端に住む母親との逢瀬は、けれどたまたま家族と合流したためこの上ない彼にとって極上の時となった。その夜はまさに台風という人生の荒波が団地に迫っていた、、。
台風通過の真夜中、樹 . . . 本文を読む
今までの小劇場からちょっと大きいHEPに舞台が変わって、美術が大胆になり、表現力も多彩になり、坂本の小宇宙が明瞭になる。その世界は際限なくほとばしるようである。
けれど相変わらずひとりよがりで、しかも難解なこともあり、ついてゆくのがやっとという観客が多いのではあるまいか、と推察もする。
結局は過去をさかのぼり、自分探しの旅をすることになるわけですね。自分の母親のこと。父親のこと。そこに半端でな . . . 本文を読む
中学二年生のときの輝き、不安、よろこび、、。誰もが持っていて今ふたをしている大事なたからもの。それをそっと開ける。時は40年経った音楽室に当時の仲間が集まってくる、、。
素直で素敵で、そして死というものを思春期で捉える人生の万華鏡のような劇でした。この年になっても当時を思い起こすと泣けてきます。涙が止まらずメガネを何度も外します。流れる曲もカーペンターズ。絶世の美声ヴォーカルのカレンも夢半ばでこ . . . 本文を読む
仲道郁代さんのリサイタルに行く。といっても宝くじドリーム館でのミニリサイタルである。昼間の1時間程度。ここはちゃんとした音響システムの整った会場ではなく、普通のホールである。こういう会場に月一でそうそうたるクラシック演者が出演されている。
実は先月までこのイベントの存在を知らなかったが、偶然知ることになる。かなり質の高いコンサートが毎月無料(驚き)で開催されているのだ。そして今日のコンサートを迎 . . . 本文を読む
まさかと思ったけど舞台で本当にゴジラが主役の恋愛劇なんです。最初はちょっと古いが、名画「キングコング」のコングと美女の恋愛を思い起こしたが、三原山の噴火を合わせて、イメージがどうも散漫になってくる。
二人(?)の結婚式まで登場するからちょっと正気の沙汰でない気もするが、劇はどんどん真面目に進行する、、。
最後、何とゴジラが三原山の火山活動にエネルギーを移して、人間に戻ったかのような衝撃のラスト . . . 本文を読む
太刀洗万智の若き頃の話だという触れ込みで読みました。
300ページぐらいの長編なんですが、200ページを過ぎてもミステリーらしく動きがない。はてどうしたものだろう、昔だったらこういう時は即、本を閉じるのだが、どうやらミステリーらしき部分は後半にあるらしいとの帯付きがある。
それから読み進めてゆくと、マーヤが祖国に帰ってからの珠玉の章が待ち受けていた、、。
これは泣かせるなあ。読み終わった後で . . . 本文を読む
前作「罪の手ざわり」で好調なジャ・ジャンクーの最新作。何と今回は打って変わり、時間の流れ、人の営み、歳月が主題である。すなわち人生そのものだ。
タッチは初期に戻り、何か15年前の「プラットホーム」を思い起こす。僕がジャンクーを知り、映画館で席を立てなかった映画だ。そう、この作品の題名にもあるノスタルジーを感ずる茫洋としたほろ苦き映画であります。
冒頭で何かわけがわからない人たちがいろんなポーズ . . . 本文を読む
「永遠の僕たち」がまだ印象深いガス・ヴァン・サントの新作。しかも今回は青木樹海を舞台に渡辺謙との共演となれば身を乗り出して即映画館へ。観た感想は想像していたより意外や楽天的でチャーミングなファンタジーでした。
敢えてこの題材(青木樹海という自殺の名所)だから陰気な厭世ものにしたくなかったのかもしれない。挿話がアーサーだけで、タクミのが全くないのことに訝ってはいたが、最初にタクミが戻ってきたり、あ . . . 本文を読む
今乗ってるんだろうなあ、この6編の短編集はため息の出るほどの秀作ぞろい。作家の長い人生でもこういうノリノリの時があるんだ、というのが分かる。もう、ワクワクしながらページを繰りましたよ。素晴らしい。すごい!
普通だったら短編集で、その中でもこれはという感想が出ちゃうもんだが、この作品ではそんな言葉が出ません。すべて6編とも出色の出来です。その、風のように出没する太刀洗万智の魅力にたじたじ。
6編 . . . 本文を読む
3篇のオムニバス。といって3編はそれぞれ関連性はない。
「恋より儚いステージで」 最初はBL(ボーイズラブというらしい)もので、僕は演劇では初めてかな。さすがに女性の作演出で男性の俳優陣が動かされてる。内容はコメディ調が強いのでどういったらいいか、まあそんなものかという感じ。
「想い出夜曲」次はいわゆる本格演劇もの。老人が死期を悟り自分の人生をたどってゆく。みんなうまいね。じんわりと感動が過ぎ . . . 本文を読む
制作総指揮の紺野ぶどうさん。挨拶を聞きながらどこかで見たお顔だと。帰って調べたら昨年SPACE9で見た『夜と星と風の物語』の演出者だった。この作品はすごく幻想的でサンテグジュペリと別役実を合算した壮大な作品でした。今回は総指揮ということですが、秀作がぎっちり詰め込まれていました。
僕が見たのは、中編45分の2作品。50分ぐらいの演劇作品はざらにあるので、何か2本の演劇を続けて見たようで儲けたお得 . . . 本文を読む