セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 93本、 演劇 71本

劇団しかもしか「表に出ろいっ!」(作・野田秀樹 演出・もとかむ)(於音太小屋) 80点

2013-09-27 14:20:30 | 演劇遍歴
珍しく祭日とは言えど朝11時からの公演。30分前には着いたが人はまばらだった。この音太小屋は2年ぶりだ。面白い舞台装置ができる庶民的な劇場である。 出し物は野田秀樹と中村勘三郎とのタッグマッチで有名な脚本そのままらしい。これを見ずして何としよう。 1時間半ほどの舞台だが、これは面白い。あらゆるところに笑える伏線が張ってあり、後半は宗教話になっていくのでブラック喜劇だということが分かってくる。こ . . . 本文を読む
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江ノ島プリズム (2013/日)(吉田康弘) 85点

2013-09-22 13:13:06 | 映画遍歴
青春、17歳、男2人&女1人、愛と死、タイムトラベル。これだけでもう胸キュンになるはず。思いがけない拾い物映画です。傑作と言いたい映画です。 自分はどうなってもいから、友人を救いたいから、自分の存在が忘れられようとも、自分が友人のことを例え忘れてしまおうとも、愛する人が生きているだけで、それだけでいい、、。 こんな純な気持ちがこの映画をプリズムのようにきらきらさせる。青春とは一瞬である。一途で . . . 本文を読む
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悪いやつら (2012/韓国)(ユン・ジョンビン) 80点

2013-09-22 11:03:48 | 映画遍歴
何か思い切りアナログ感覚のある、人間むき出しの韓国映画、久々の秀作である。とにかくのし上がるのに貪欲な一人の元公務員のちっぽけな男が、畑違いの闇組織を牛耳っていくさまが爽快。醜すぎるその生き様はいとおしく憎めない。 韓国映画でハッと気づくのが血縁関係と官憲の汚職である。大叔父というだけでやくざの組長をひれ伏させるそのお家柄。そして裁判官でさえカネで動くといわれるそのすさまじさ(本作では検事である . . . 本文を読む
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日本の悲劇 (2013/日)(小林政広) 75点

2013-09-13 15:38:37 | 映画遍歴
出演者が4人。ほとんどが父・息子の二人芝居。それにしてもこの題名は大げさではないだろうか。僕は木下恵介のそれを思い浮かべてしまうが、、。 カラー場面も息子夫婦の幸せなひとときのみでちょっと当たり前過ぎて、、。 悲劇が続けば人間は生を断つのか。少々短絡的な印象を受けた。 ただ、仲代達矢のいわゆる現代における即身成仏はぞくっとさせられるし、僕の脳裏に広がる画面外の足音等の音響の使い方には感心した . . . 本文を読む
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サイド・エフェクト (2013/米)(スティーブン・ソダーバーグ) 75点

2013-09-13 14:44:02 | 映画遍歴
こういう映画を見るともう映画にする題材が枯渇しているのかなあと思ってしまう。そしてソダーバーグもこれが最後の映画作だという。元気の出る映画ではない。それほど面白い映画ではない。結局ソダーバーグは真面目過ぎるんだと結論付けた。 面白いのはあっと驚くどんでん返しが控えているということなんだが、これっていかにも嘘くさいよ。そんなに綿密に何か月も身内の旦那を24時間昼も夜もだませるわけがないように思う。 . . . 本文を読む
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夏の終り (2012/日)(熊切和嘉) 75点

2013-09-05 14:17:30 | 映画遍歴
もう数十年前に読んだ原作だ。いまだふつふつと覚えている。それは夏の熱気である。不倫相手の男に会うために家を訪ねる。もがく女は道路に倒れる。そんなイメージがまだ残像として残っている。土の熱気がいまだ冷めやらぬ。 原作とは少し違い、映画は二人の男を行き交う女の生理を醒めて見つめているかのようだ。女は悶々としているが自制しているように見える。恋はまさに病だ。薬がないのだから何をやっても治るわけがなく、 . . . 本文を読む
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マン・オブ・スティール (2013/米)(ザック・スナイダー) 80点

2013-09-04 15:26:44 | 映画遍歴
明るいアメリカを象徴するスーパーマンが帰って来た。と思いきや、クリストファー・ノーランの影響か、暗いですわ。翳りあり過ぎですわ。壊し過ぎですわ。でもさすが、新スーパーマンは時代に沿って高速だ。そして暗~い物語を語り始めるのだ。 最初ヘンリー・カヴィルの顔を見て驚いた。暗いのです。ヒーローに見られる明るさが皆目ないです。どちらかというと悪役に向きそうな顔です。いわゆるスター性はあまり感じられません . . . 本文を読む
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空晴第11回公演「理想の、あとかたづけ」(作・演出 岡部尚子)(於 ウイングフィールド) 80点

2013-09-04 14:45:07 | 演劇遍歴
もう完全に嵌ってしまっている空晴の新作。今回は長年連れ添っていた平本光司の引退公演でもある。 この劇団の小道具にはいつも段ボール箱がある。あまり人の来ない所、そして隠れるところのある空間、それが岡部の考える観客との接点でもある。要するに観客からは秘密が丸見えの場所が舞台の中心なのである。そして観客は作者岡部とともに堂々と覗き見を実行することになる。 今回のゲスト鴨鈴女の達者な大阪弁とそのセリフ . . . 本文を読む
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