ほとんどがハイドリヒの行動を描いている。後半になってレジスタンスたちも登場するが、映像、演出、演技も悪くないのに、何故か乗れないなあ。敢えて、ナチ党員でさえなかったハイドリヒの人間像を深く掘り下げなかったこともあるが、英語のナチズムはしらける。 . . . 本文を読む
なかなかどうしてやるじゃないか、山田孝之よ。2時間を超える長尺、現代を直視するテーマ、暗ささえこの作品の魅力にしてしまう集中力。俳優陣の精緻な演技。安定した脚本。全体を支える藤井道人の演出力。お見それいたしました。
ただ、犯罪が善意の基礎に立脚しているというのは冒頭から少々引きかけたが、まあ、きちんと落とし前をつけました。うまい脚本だ。
現代における善と悪だなんて、誰もが目を背けるテーマをきち . . . 本文を読む
思ったより今回はしっかりと作っています。それほど退屈しません。というか、シャマラン節を2時間、厭ほど聞かされる羽目になったというのが真相です。見る度ごとにアッと驚くことが少なくなり、
今回はそれを3人3様の生きざまを柱に持ってきます。ですからラストに近づくまで、シャマランにしては丁寧に3人を説明していきます。その時に登場するアクションはまあ普通の出来です。期待しなかったからがっかりもしません。
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一人の作家の生涯を描いた作品です。と言ったら、もう身も蓋もないが、ものすごく地味な内容で、ロマンスも多少あるが、控えめでほとんどドラマチックな様相はない。
その代わり、背景の古きよき時代の時代設定はしっとりと落ち着いており、彼自身もそたいそうイケメンで、彼を取り巻く女性陣もまさに華やかで、しかもすこぶる美人揃いで、見ているだけでうっとりする。
話自体は戦争の影響が「ライ麦畑を」を産んだように描 . . . 本文を読む
フランス映画のコメディというのは歴史がありますね。しかもこういうドタバタ喜劇、対照的にじっくり人間を描く秀作群も併せ持つフランス映画。でもね、ちょっと全体的に構図が古過ぎないかな。もうこんなもんで現代人は笑わないのではないか。 . . . 本文を読む
知らない劇団だと思っていたら、結構見知っている役者さんがいる。みんな若いけれど、堂々としっかりしてる。かなり演劇数をこなしているはず。
子供時代からのホント、等身大の身近なことを描いていきます。小学生の役なんか、全然みんな自然で、彼らがいかに素直な心を持っているかが分かる。伝わってくる。変に力が入っていないのだ。
人を愛すること、人と話をすること、何でもない家族との会話・別れ。そうした当たり前 . . . 本文を読む
映画を見て楽しく幸せでとてもゴージャスな雰囲気になれる今や珍しい娯楽殿堂を突っ走る秀作です。冒頭からの音楽もよし。登場人物の多さも丁寧に描写し飽きさせない。ミステリー的には少々突っ込みもあるが、でも意図が斬新で、さすが東野。1800円の価値は十分ですぞ。 . . . 本文を読む
館内はほとんど女性というごった煮状態です。思ったよりストーリーは痛快でアクションもなかなかのもの。考えたらこの映画、女性が全く出てこない。けれども男性臭のほとんどない不思議な世界。何とも言えません。 . . . 本文を読む
どうしちゃったの?ペッツォルト。過去のナチス幻影と現代の移民問題をごっちゃにし、領事館でのあり得ないやり取りといい、不要なナレーションといい、まったくもって意味をなさず。これがあの秀作を生み出していた同じ監督だとは到底思われない、、。変に原作者に気を使ったのか。反省要す。 . . . 本文を読む
もはや過去の人となりうる白秋の伝記映画だ。タッチも悪くなし、じっくりと日本の古き時代を映像で追う。でも映像の奥底から見え隠れするはずの切実なるテーマが見えてこない。佐々部は全く吠えない。爪を隠すな!血のりをどっと出せよ。いい子が描いた昭和前史のよう、、。 . . . 本文を読む
やはりこのシリーズは面白い。渋めの色調とクレア・フォイ目線の映像が冴える。全体に沈黙してる流れが好きだ。あの駆使する狙撃シーンの新鮮なこと。そして今回は少々スピンオフ作品めいてはいるが、黒と赤の対比が実に美しい。2時間全くだれない。これぞ秀作。 . . . 本文を読む
秀逸な映像、そして抑制の利いた演技により十分鑑賞に堪え得る作品となった。ただ、やはりベタな展開は推察通り、というか観客好みで仕方がないか。最後の迫力十分の熱いシーンにはさすが我が体が前のめりに。ロッキーの渋い声が映像を引き立てる。意外と見せる作品となる。 . . . 本文を読む
イ・ビョンホンの最近の映画の選択にはいつも感心する。もう彼ほどの名声を得て、カッコいい役柄もやりつくしたスターが、原点に戻るかのようにやさぐれで、地味で、ヒューマニズムあふれた市井の人間を演じるのである。
通常はそういう役柄からスターダムに乗ると一気にハイソサエティなものに邁進するのが通常だが、彼は逆を行っている。そこがまず偉いと思ったし、彼の人間を見るうえで、実に素晴らしいと思う。
途中から . . . 本文を読む
話はなかなか面白い展開で、興味を持ってみることができたが、仮想首脳会談話自体が私のような日本人にはそれほど思いが募らないので、恐らく韓国の方々が見るのとは違う見方になったのではなかろうかと危惧する。
意外と全体に平板な演出で、換言すれば、静かに一人の男の営みを描いているのであるが、敢えて抑制しているかのようで、感動にまで至らなかった。
ラストで男は「リア王」をすらすら語り始めることから、俳優の . . . 本文を読む
めずらしいロック小説というべきか、いくら読んでも殺人が行われているのに警察の動きが全く見えなく、2/3まではミステリーとはいいがたい展開でした。
ところがそのロックの蘊蓄がまたとない面白さ。ミステリーということも忘れて読み入ってしまった。この作者の気持ちの清々しさにこの小説を読んでよかったと思わせる。
残りの1/3はどうにか新探偵を繰り出して、強引に新犯人を追及する。でも、読者の前に伏線もほと . . . 本文を読む