手持ちカメラの多様で映像に臨場感がみなぎっている。警察と検事とそして殺し屋との切羽づまった空気がリアルで心地よい。子供も重要な役どころで芯を持たせ娯楽作品として言うところのない出来だ。
でも一点だけ敢えて言えばあの、冒頭の事故シーンがすべての始まりだったというのは分かるしまた面白いが、でもそんな偶然が実際ありますかね。と、映画館を出てからシラっとする気持ちもあるのに気づきました。
主演の二人の . . . 本文を読む
この作品は主演二人の共演に狙いがあると思う。前半は単なる村人の一員として振る舞う男を疑うホームズ役としての【金城武】に重点が置かれ、後半は素性がばれた【ドニー・イェン】の静から動に変貌するその鮮やかさに目を開く思い。
となるとどう考えても動の【ドニー・イェン】に注目が移行するのは致し方ないところ。 こればかりはカンフー映画だから仕方がないのだよ。と言っても西洋で「シャーロックホームズ」が当たって . . . 本文を読む
人類最後の6日間を、真綿で締め付けるように荒い白黒の映像と驚くべき終末の風の音で描き切る。人は最後をどう生き、どう死んでゆくのか、、。
とにかく2時間半、自然の高ぶりを感じさせる風の音がすごい。家に中に入ってもそれは消えることはない。
一日目。荒れ、吹きすさぶ風の中、仰角の馬の姿がものすごい。娘の髪もたてがみのごとく横にたなびいている。粗末な家に戻り父親の衣服を脱がせそして粗末なジャガイモを食 . . . 本文を読む
20分ほどの短編を6作。20分という時間は演劇では短くはない。コントという出し物にはなりにくい。それなりにしっかりと組み立てないと演劇にはならないのである。
出演者はみんなヤング。それなりの言葉も多少は目新しい。ブラックだったり、可愛かったり、恐かったり、やはり現代演劇の6篇である。
あのウイングの小さな舞台を小さな小物で模様替えをするなどなかなか細部にまで神経が行き届いている。僕は竹内さんが . . . 本文を読む
先日東京に行ったついでに六本木で美術館と映画館に行った。美術館は僕の好きなセザンヌの絵画が90点展示されている。どれも輝くばかりの作品でもうため息が出るぐらい素晴らしい。
一番最初の、まず静物が素晴らしい。少々厚塗りの色彩が何ともいえずいい。ここでまず4,5分立ち止まってしまった。これで初期の作品なんだからやはりセザンヌは末恐ろしい。そして風景画、肖像画、静物画と続いていく。
見ていくと分かる . . . 本文を読む
まず何と言っても舞台の美術が素晴らしい。少し斜めに向いた大きな石板。まさにこれだけで十分一級の造形作品である。そして出し物は言わずと知れた銀河鉄道。
最初宮沢賢治の銀河鉄道を辿っているのかなあと思っていたら、何と「完全版ほさか銀河鉄道」であった。そうなって来ると逆に所々出て来る宮沢の原作モノが、意外とウザったく思えるのだから不思議である。
テーマは**だ、何て言い方をこの舞台ではしてはいけない . . . 本文を読む
思いがけない力作でした。熱くなりもせず、かといって冷静すぎず不可解な少年たちの失踪事件を家族の立場から、そして恐らく架空なんだろうが、マスコミ扇動者、大ぼら吹き大学教授を巻き込んでこの物語は混沌化する。
この映画の面白いところは架空話を大胆に盛り込んで人間のいい加減さ、邪悪さをあぶり出しているところである。所詮マスコミも売れればいいという商業システムが根に息づいている。
この放送局マネージャー . . . 本文を読む
アメリカでは映画の一ジャンルとも言える政治映画だ。とは言っても、何と戦国時代張りの裏切り、忠誠心が謳われており娯楽作品としても立派な存在である。そして今や旬の俳優陣に演技合戦をさせ、監督たる【クルーニー】はさぞ満足ではないか、、。
確かに展開は面白い。主人公たる【ゴスリング】ももはやそこまでと思わせておいて、最後にうっちゃるところ、かなり娯楽作として意識した造りだ。 しかしそうするとますます薄く . . . 本文を読む
完全に現代において無声映画を、と画した野心作であります。他の監督にも同様の無声映画はあったけれど、これほど徹底して時代を90年前に戻したのは驚きの一言です。
フィルムが好きなんだよね。女が、男の部屋で長いフィルムを目の前で探り、フィルムの映像を確認するシーンは「デジタル反対」というメッセージまで感じてしまうほどだ。【アザナヴィシウス】は映画がものすごく好きなんだ。それは映画の全身から伝わってくる . . . 本文を読む
昔、WOWOWで似たような映画を見たんだよね。調べたけれど出て来なかった。上映しないムービーだったのかもしれない。でもこれがなかなかいい味を出していたんだよね。本作も割と似通ったイメージで、マリリンの人間味をほんのり出すのに成功している。
また、イギリスでも大衆に愛されていたことが分かり、マリリンへのまなざしも自然優しくなってくる。特に大学の構内に大胆にそのまま入って散歩するシーンなどこちらもフ . . . 本文を読む
50年ほど前、人種隔離政策時の南部の富裕層が舞台。こんな時代だったんだと当時を思い浮かべるしかない。でもそれより現代においてなぜ突然ある意味アメリカの恥部を露呈させたのか、、。
50年前だったら超昔の話であるとみんな思うのだろうなあ。KKK華やかなりし時だから黒人というだけで殺戮もされたと聞く。キング牧師も暗殺される。そんな時代であった。だからメイドが黒人の差別の話など取るに足りない話で、当時の . . . 本文を読む
うーん、何か古き良き時代の匂いを醸し出すフィルムです。極端にセリフは少なく、俳優は表情だけで物語を進行させる。うん、いいです。そしてカーテクを駆使した展開でスピード感を持たせる。我らオジサン族には随喜の涙映画です。
気にしていたあの、女々しいイメージの【ライアン・ゴスリング】がきっちりハードボイルド型ヤサグレ男を演じ切ったということがすごい。 男優冥利に尽きるだろう。対する【キャリー・マリガン】 . . . 本文を読む
【ガイ・リッチー】のめくるめく映像世界全開、といったところか。何しろこの人はミステリーのトリックでさえ映像で説明しようとする。でもそれは映画の本質でもあると思う。茶目っ気たっぷりなリーチーファンにはもう最高のプレゼントです。しかもあの有名な「ホームズの最後」まで入ってる。うへー。 . . . 本文を読む
これは面白いね。刑務所の中って言うと、何か暗い退屈な、ながーい一日というイメージが付きまとうが、この映画なんか見ちゃうと立派に社会してると思ってしまう。刑務所に入っても実は社会から逸脱されていないのだ。そこには賄賂や権力で築き上げられた裏の縦社会が立派に存在する。
完全娯楽作だ。題名からちょっと難しいそうな映画だと思ったが、痛快なノワール映画だ。一人の青年が刑務所で生きてゆくため知恵を働かせのし . . . 本文を読む
最近ギャンブル依存症なり聞きなれない言語が巷を渡り歩いているが、今度はセックス依存症ですか。何故人間はヒトを何かで区分したいのだろうか、、。
どちらも人間の本分から発生している本能的な行動だろうと僕は思う。依存症ということは病気的な印象を伴うわけで、例えばアルコール依存とか薬物依存と一線を画するものと思っている。
ところで本題に入るが、この主人公は確かに性欲が旺盛である。ビジネス途中でも会社の . . . 本文を読む