最近読んでいなかったけれど結構好きな作家今邑 彩の旧作だが、期待していた割には凡作でしょうか。
というのもちょっとあり得ない人工的な造りなんだよね。偶然がこう続くとミステリーとしてはちょっと物足りない。だいたい、一方の事件で警察が介入している関係者を同時に次々と連続殺人出来るのかどうか。しかも若い女性がだよ。どう考えても頭の中で組み立てただけの殺人と捉えてしまう。
というより、動機は説得力がな . . . 本文を読む
イメージ、作風共前作の『冷たい熱帯魚』に引けは取らないが、今回のテーマは古今東西あらゆる人に探求され尽くした感のあるセックスである。如何せん、いかにどう描こうがこの普遍的なテーマでは園はまだまだ若いと訝られてもやむを得まい。
顔は地味だけれど肉体は豊満ないずみ。対して顔はまあ美人だけれどインテリ過ぎて、しかも体が貧弱な美津子。この設定だけで世の女性から顰蹙を買うのは必定。
だいたい夫を愛してい . . . 本文を読む
いやあ、全編楽しませてもらいました。ストーリーの奇想ぶりはもとより、俳優陣が一人一人自分の役割をきっちり演じ、見せ場の多さといい、娯楽作としては申し分のないいい出来。
特にフレッシュな【ローガン・ラーマン】と 【ガブリエラ・ワイルド】のロマンスコンビがいい。やはり若いっていいなあ。【ミラ・ジョヴォヴィッチ】の二重スパイの変幻自在ぶり、めくるめく素敵だ。【オーランド・ブルーム】も余裕のある悪役ぶり . . . 本文を読む
チープそうな映像に見せかけといて、3作目はそれなりにカネをかけている。けれど、映像はいたって懐かしきアナログビデオのイメージが最後まで続き、その感触は何故かノスタルジーまで感じるほど。これが狙いなのかなあ。
けれど、意外とホラーなのに怖さはない。ぎょっとしたのが単なるお面をかぶった母親がタンスから急に出て来た時ぐらい。これじゃまるでコメディだ。
ラストの魔女会の集いにしても、『ローズマリーの赤 . . . 本文を読む
確かに美術は優れていた。衣装も見るだけで凝っていて楽しい。映像は【ターセム・シン】を多少彷彿させるものはあれど、見かけ倒し。ゼウス以下の神々の金髪系の美とタイタンのおどろおどろしさは対象的で目立つも見せ場はそれまで。ああ。 . . . 本文を読む
怪物が出て来るまで結構退屈したけれど、名優【アン・ソンギ】が出てきてやっと解放されるかな、と思ったら変わらない。やっと怪物ごときが出てきてどうだと思ったら、やたらしつこく、人間一人一人を執拗に襲う設定がいかにも変。
韓国映画、この手はまだまだ初級だということなんでしょうか。主役を張る【ハ・ジウォン】も演技的に未熟で頑張りと男勝りのアクションだけじゃ無理だね。脇役陣もいかにもB級ぞろい(演技を言っ . . . 本文を読む
ヤングを対象にしていながら実にこれほど素朴で辛辣な問題提起映画が今まであったろうか、、。【瀬々敬久】の、柔そうで揺れないその人間を見る確かなまなざしは本物で脱帽ものだ。
人間の生と死を見つめる映画である。僕たち日常を生きる者にとって究極のテーマである。戦争のない時代においても僕たちは目の前にある平和を享受することができないでいる。例えばこの映画の主人公たる若い二人も日常的に執拗ないじめ、大人たち . . . 本文を読む
23年前に4人で校庭でに埋めたというタイムカプセルがキーなんだけど、これが12歳の子供という設定がいい。そして今や青年期を超え家庭や仕事で社会的にも一番大変な世代の4人の久しぶりのめぐり合い。
話しぶりがストレートで自然。読みやすい。ミステリーでなくてもどんどん読める文章。何しろ23年間ある事を封印したがために人生を迷いだした4人の書きぶりがジーンとくる。
けれどこれは江戸川乱歩賞なんで、ミス . . . 本文を読む
メチャ面白かった前作『川の底からこんにちは』から2年。やはり新作は気になり見てしまうよね。まあ、タッチは良く似ているようだけれど、ちょっと映画によく出て来る流れる雲のように自然ではなかったかなあ、、。
全体に「粋だねえ」とか「ドーンと構えて」とかハラボテの女の子が言ってるから妙にこちとらイキがってくるが、何か最後までちょっくら浮いている感じがし続け、本来元気をもらわないといけない映画なんだけれど . . . 本文を読む
まず映像が文句なしに美しい。ドイツの田園風景。それはまるで色濃い印象派風景画であります。そこに繰り広げられるある一つの恋愛話。それは世に数ある毎日どこかで起こっているただ単なる恋愛話なのだが、死をも決する人生上の嵐でもある。
いわゆる体を焼け尽す恋愛を取るか、安定した結婚生活を取るかという女性から見た恋愛観が目立たないまでもこの映画では重要なテーマだ。
彼女はこの恋が彼女の人生のすべてを全うす . . . 本文を読む
久々の東京の演劇。いつもは下北に行くのだが、今回は趣向を変えて小さな劇場。行ったことのない学芸大学前の千本桜ホール。
出し物は珍しいお笑い芸人の生態というか生きざまをリアルに写したものだ。当然、漫才は不可欠になってくるので俳優たちは僕らの目の前で大変な漫才芸を強いられている。
とは言っても、今日で漫才をリタイヤするという多少深刻な背景があるので、泣き笑いは必定。大勢の出演者の輩出と共になかなか . . . 本文を読む
もうこの劇団ともお馴染になってしまった。と言ってもいつも一人で劇を見る僕、他の人のように劇団の人と話をするわけでもない。劇には知り合いで見に来る人も多そうだが、僕はいつも好きな劇を自由に見、たまには(いつも一人なので)寂しいと思う時もあるが、いい劇を見たら、劇を愛する人の気持ちを熱く感じ取り、明日へと元気をもらい、いつも帰り道のワンステップは心なしか大きくなっている。
今回の出し物は珍しく(怒ら . . . 本文を読む
イタリアの終戦時の内乱はあまり知ってはいない。ただ見ていてイタリアにおけるベトナムのようなものなんだろうとは理解できる。ドイツ軍がアメリカでパルチザンがベトコンだと思えば何ら自然とこの作品の世界に入ってゆくことができた。
ラストが何となく映画を見る前から予想できるので、常に痛々しい眼でこの映画を見ることになる。でもそれだけに人間のどうしようもない悪意の前には無垢な人間は倒れるのみなのか!そこがつ . . . 本文を読む
全体に三谷の心優しきトーンが溢れてステキな展開でした。5作目で一番安定した実力作を見せてくれたのではないか。あの装束で、いつもとてもクサイ西田敏行が何と最後まで自然だったのは大収穫。ただし、ラストの被害者の幽霊登場は はしゃぎ過ぎ。あれでいつもの三谷に戻った感もなきにしも非ず。 . . . 本文を読む
最近自転車を買った。それもクロスバイクという結構今流行りのスポーツ型(でもないか?)サイクリング車である。それはそれで今のところ順調でとほほではない。
問題なのは、もう一台残ったママチャリである。買って2年。3万円強で買った僕にとっては結構割高備品(今時ママチャリで30000円もかけて、、)。僕以外乗らないから自転車も一台でいいのだが、昔から2台所有している。まあ、ちょっとした用向きにはママチャ . . . 本文を読む