いやあ、2時間強、ツッコミとボケという漫才の基本セオリーの連続で、ダレた間が全くなく緊密な映像で【品川】監督の才能に酔い、そしてその才気に驚いてしまいました。
漫才という世界を芸人が描いているのだから、意外と簡単じゃない?というのは素人心。芸人が映像を通して漫才人の人生を描くというのは、専門分野だから逆に難しいはず。それを【品川)は見事やってくれましたね。恐らく彼の脳裏にはやりたい事がいっぱいあ . . . 本文を読む
アメリカにも仇打ちという習慣があったということが、まず何か不思議な気がした。14歳の女の子が助っ人を雇い先住民地区へ進んでいく。しかしそこに存在するのは【コーエン】の静かなアメリカ現代批判だ。
【コーエン】だからまともな西部劇にするわけがないと思ってはいたが、僕にはフレフレ西部劇というより、アンチアメリカをこの映画で見てしまう。先住民をただ、モノ扱いする主人公たちの言動は少ないシーンだが、あっと . . . 本文を読む
震災後、落ち着かない日が続いている。大阪に住んでいて、何故という人もいるのかもしれないが、震災の災害状況はもとより、やはり福島原発がどうしても気になるのである。一進一退の災害が我々の目の前に毎日繰り広げられている。映画であれば結果はラストにあることが分かり切っているが、これは現実である。どうなるか分からない展開が恐い。そしてやはり重みが違う。仕事上も急に忙しくなっているのは仕方ないにしても、家に帰 . . . 本文を読む
地震発生以後テレビで情報に聞き入っています。これほどの大災害を、つい17年ほど前に阪神淡路大地震を経験した僕が生きている間に、また経験する(といっても関西にいるので間接的ですが)とは思いもしませんでした。
日本では巨大地震が400年サイクルで起こっていると言ってますが、そんなことは読んだことも聞いたこともありませんでした。
今はまだどうなるか分からない福島原発がどうしても気になりますが、早急に収ま . . . 本文を読む
残虐に身内を殺された遺族はただ加害者の死刑を待つだけなのか、といった親近感のあるテーマを韓国映画がバイオレンスとサスペンス、そして名優二人のガップリヨツの熱演で2時間強飽きさせず、まさに手に汗を握る展開でエンターテインメントの王道を走る。
この映画の悪魔は、女は犯し、男は即殺す。そして何の贖罪もなくバラバラに切り捨てる。そんな殺人鬼は実際存在するのだとこの映画は世に問う。そう、いると思う。その現 . . . 本文を読む
冒頭の超スローの映像は美しく、そりゃあ見とれましたよ。これはさすが大した映画になる予感が、、と思いきや、美人奥さんが我が子の葬式で倒れてからは聖書を題材にしつつ思わせぶりなシチュエーションにはかなりあんぐり。
だいたい、子供がなぜ落下したかって、窓を開けていたからなんで、その時の二人の抱擁が原因であるわけがない。通常の映画だったらそうなるはずなんだけれど、この映画はちょっと屈折してる。母親が無理 . . . 本文を読む
【アキン】の映画は密度の高い、西洋風のごった煮のようなチーズ料理を思い起こさせる、まさしく日本人とは対極的な体臭を感じる問題作を今まで提供してきたが、なんと今回はゆるゆるの爆笑コメディ風である。
あまりの変身ぶりにこの映画から何を得ようか戸惑うことが多いが、どうやらドイツといってもギリシャからの移民の生態をじっくりと描いているような気もする。でもなあ、別にこういう題材は今や使い古されいわば食傷気 . . . 本文を読む
いやあ、そりゃあ【コーエン兄弟】がユダヤ人というのも知らなかったし(知ったからってどうということないけれど)、出演俳優が結構みな不細工なのでほんと、シリアスな人間たちの、親近感あふれる悪夢映画でした。
ユダヤを徹底的に描写しているのは我々日本人には目を見張るような驚きがあるが、現地アメリカではどうなんでしょうなあ。また違う見方が出るのかもしれません。やはり日ごろ見慣れているキリスト教社会からはち . . . 本文を読む
映画を見ていて目を瞑らないことはない。年取るとこれほど眠くなるものか、、。厭になる。
予告編が退屈なのでだいたい目を瞑っている。一回見た予告編は2度目以降はつらい。だから目を瞑る。結構長いので気が付くと本編が始まっていることもある。映画でファストシーンはラストシーンと同様重要である。こういう時は映画ファン失格であると自分を呪う。
特に昼食後の映画が一番ひどい。ざっと見てみると、それほど眠りながら . . . 本文を読む
英国王の話なれど、ハリウッド映画にない実直的なまなざしの映像。王も人の子。その淡々とした演出と主要3人のこれ以上ない演技に圧倒される。
ラスト、王のスピーチで心が揺れ動かされ暖かい涙があふれてくるのはこの映画の誇らしい良心と強さの所以。まさに映画の常道ここにあり。いつも長めの我がレビュー、この映画を前にして脱帽。言葉がありません。
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戦争という深い河が愛し合う二人を引き離す。女は本土で敵軍の将校に身ごもった体を預ける。男は台湾に逃亡し、そこで新たな生活をするも、妻の死に遭遇し、忘れられない女を求めて本土にやって来る。そう、舞台装置は整った。この映画は愛の映画である。
この手の話は世界中どこにでも存在し、映画でも古今東西名作を輩出してきた。(小品だが【デ・シーカ】の『ひまわり』も然り)。しかし、この作品の場合、特筆すべきは主導 . . . 本文を読む