映画、映画。もうどこを見ても映画。映画の中にある映画と言ってもいいほど映画に対するオマージュが感じられる映画だ。それでいて映画的抑制があり、美学がある。この【タランティーノ】の大人への変身ぶりはいかがしたものか、、。
全体を5章に区分けし、長丁場にアクセントをつける。これで観客は4回一息つける。その計算の冷徹さ。
第1章で、サスペンス。観客を全員画面に引き付ける。悪から解放されとにかく全力疾走 . . . 本文を読む
想像していたより阿部サダヲがむやみと暴れていなく、話は脱線気味なのに見事映画的に牽制が取れている。これで2時間を超えていたのだから、水田伸生の演出力はありと見ざるを得ない。
登場人物も多いのだが、みんな手抜きをしていないんです。それでいて、ちょっと程よい息を抜いている。このテンポが【宮藤官九郎】脚本ながらジンわり「家族とは何か」という究極テーマにさらりと近づいている。
まあ、突っ込みどころも多 . . . 本文を読む
うーん、上映1週目なのに小さめの劇場上映。でもそんなの関係ない。いい映画ほど前売りも悪いのだ。(これ僕の持論) でもなあ、、。
これって、本当に【長澤まさみ】さんを主役に担いだ映画なのかい?どう考えても彼女の役どころは要するに黒子役。すなわち狂言回し。場と場をつなぐための接点どころ。ラストで多少彼女が素敵だと思えるシーンはあるにはあるが、あまりに可哀そう。彼女、よく脚本を読んでなかったのかなあ。 . . . 本文を読む
原作発表からすでにもう50年ほど過ぎて、テレビドラマ化、映画化も十分されつくし、今更なんら新味はない原作なのだが、そういえば最近はほとんど映像化されていなかったかなあ。
清張生誕100年記念作品ということだが、この作品の現代における意味合いを考えると少々疑問を禁じえない気がする。
今どきは珍しくない女子大生も当時ではハイカラなとびきり高等なお嬢様であります。その女性が時代をただ食わんがために生 . . . 本文を読む
またまた6本目。よく続くわな。どう考えても1本目は目を見張るような超アイデア作。その作品を乗り越えるのは到底無理、とは言いつつ6本も作られ、相変わらず見てしまっている僕。(見逃したのは5作目だけという恥ずかしぶり。)ホラー大嫌いな僕が異常です、、。
といっても、6作目、意外としっかりと作ってある。もうあらゆるところからの批判に耐え抜いたのか脚本がなかなかいい。まあ、社会道徳的な底流らしきものがあ . . . 本文を読む
そうか、【ライミ】はホラーが好きだったんだ。忘れてたよ。でも、何故かコメディタッチになるのはやはり彼らしいところ。その分、余裕が感じられる演出だ。
オーソドックスな映像、展開。まるで普通のドラマのような撮り方をしているからそんじょそこらのホラーではない大輪のようなものを感じさせる出来。考えたら、ホラーというだけで薄っぺらい映画が多かったような気がする。正々堂々とホラーとはいえ映画に立ち向かった意 . . . 本文を読む
前作は見ていないけれど、俳優さんたちが本当に血みどろになり、ぐしゃぐしゃに汚れてしまう映画なんだ。主役が誰か分からないからどんどん殺されていく登場人物に殺される意外性を感じたり、結構面白いB級映画でした。
でも突っ込みどころの多い映画でもありますね。あの、地底人間なるものは肉食なんだろうが、餌が極力不足しているのに何故生き繋がれているか。
長く留まっていたサバイバル女性がどうしてあんなにたくま . . . 本文を読む
今流行りのスピンオフ映画、と言っても実に地味な脇役が主役という興味深い作品だ。しかし、全体の作風が少しおどけたというかちょいコメディ風に作ってあるので、いかにも薄っぺらい印象を持ってしまう。
実直に鑑識の仕事を映像で辿ってくれたら興味も出るものを、映画版とはいえ特に新味はない仕事ぶりである。主役の【六角精児】もセリフの言い回しなどテレビ的で、軽い感じもする。対する大御所【萩原聖人】はいかにも薄っ . . . 本文を読む
かなり減量をしている。1年間で、6,7キロは達成。そのせいか、健康診断でいつも精密検査、要治療だったのが、今ではすべて嘘のよう。しかし、減量しても数値が落ちないのが悪玉コレステロール。むしろ増えている。
減量だけでは駄目なんだろう。運動をしなければ、、。けれど、時間とか考えると走るにしたって、大儀。大体汗をかくのが好きではないのだ。
で、自転車で10分ほどにあるボーリング場に通うことにした。会 . . . 本文を読む
ドラマとしては意外やもたついた演出ぶりで、あまり練られてないなあとは思ったけれど、でもこの映画の心底からのテーマは自由であります。人間が人間を規制することの空しさと馬鹿馬鹿しさとそれからの解放をうたっています。
このずしんと強い一つのテーマがスタッフ・キャストの一人一人に通じたんでしょうか、映像はかなり余裕のあるテンポで進んでいく。でもその合間に流れる当時のポップス、ロック。これはその時の当事者 . . . 本文を読む
今流行りの携帯小説かなあと思ったんですが、コミックものなんですか。さすが、ディテールは目を覆うばかりの展開で、やはりどうしても映像から現実を窺ってしまう映画としてはキツイものがあるが、まあ女子生徒の生態(精神的気持)は意外と昔と変わらん、と納得するにはいい機会であった。
広い客席。ほとんどが女性らしき人ばかり。一番後ろに控えたのだが、それでも左右は女性だった。あれ、空いているところを頼んだはずな . . . 本文を読む
架空の話だけれど、でも現代の生きづらさを象徴させたものでもないだろうし、こういう映画はただ単純に楽しむ。それに尽きますなあ。
でも、それにしても地下壕の奴隷的生活は何か全く架空でないような親近感にあふれています。ひょっとしてこれが現代の現実ではないのだろうか、、。
長時間を全く気にしないほどの展開で十分画面に食い入ることのできる出来であります。【藤原竜也】【天海祐希】のマンガチックな演技も意外 . . . 本文を読む
久々の徒然日記。最近私事でも結構忙しく自分の時間が持てなかった。こうなると映画館に行く回数も減ってくる。それでも今年120本。相変わらず多いなあ。
そういえば一日で5本も映画ハシゴをしたこともあったけなあ。まだ5,6年前の出来事だけれど随分昔のことのように思えます。やはり仕事をバリバリやっているときはプライベートでもエネルギッシュなんだろうなあって分かります。
9日は昼前にちょうどいい時間だっ . . . 本文を読む
まさに映画的な映画ですね。映画の持つ素材を極限にまで活用し自分の映画世界を構築しようとしている。そのテクはそれほど斬新でもない。しかし、こういう撮り方は最近なかったかなあ。その分かなり目立つ作品でもあり、映像的作家映画として野心作と言える秀作となった。
原っぱに呆けたように立ち尽くす老女から映画は始まる。不思議なことに微笑むことなく女はダンスをし始める。映像は変わり、薬草を裁断するその老女のしぐ . . . 本文を読む
僕の好きな青春スポーツもの。展開がマンガチックだが、それなりにうまくお膳立てしてある。10人の長距離ランナーを集めた陸上部寮。そこが彼らの生活空間だ。まるでマンガ家の集まるトキワ荘であるかのような描写は俄然興味津津。そのままラストまで一気。
話は想定内の範囲で終わるから感動度はそれほどでもないが、でもやはり箱根を10人でつないでいく一本のタスキを丁寧に撮っていたカメラはこの映画の心根を十分表して . . . 本文を読む