哀川翔、初めてといっていいほど抑えた演技で、かなり見直しました。やれば出来るんだ、という証明かな。
浅野忠信はまだまだ俳優垢がそれほどついておりません、というぐらい自然な若者を演じており魅力的だ。いい役者さんだね。
話は日本映画でも初めてといっていいのかな、いわゆるゾンビものである。やはり日本人だからなのか、それほど強くないゾンビで少々拍子抜けするが、まあホラーじゃないので、ちょっとした味付けとい . . . 本文を読む
内容が内容だけにこの映画を撮ること自体、勇気ある行為だと思わざるを得ない。それほど、いわばカルト的な部分に踏み込んでいると感じられる映像には、何も知らないで映画館に踏み込んだ観客は驚いたことに違いない。しかも、ピンク映画っぽい題名でやっと上映できた代物なのである。
冒頭のヌーディストたちの描写など、随分映倫も変わってきたなあと言う感。いいことだと思う。
それにしても、写真家ダイアン・アーバスって、 . . . 本文を読む
うーん、ニコラス・ケイジほどの役者でも、こういう完全B級映画にまともに出演するというところがすごいね。廻りもお懐かしピーター・フォンダ、美人女優エヴァ・メンデスと一流役者なんだ、よね。まあ、内容は全くないし、期待はしないまでも、いい加減展開で、恐れ入りました。
これで、続作が出来るような展開なのもさらに驚きですなあ。
ニコラスは作品をそれほど選ばないのかな。だとしたら、結構いい性格してるんだなあ。 . . . 本文を読む
映画館の違いかもしれませんが、映像は全体にフラット気味の焦点で少々ぼやけている感じ。鮮明な表情はほとんど映像からは見出せていない。音声も少々小さく、セリフも聞き取りづらかった。
最初から躓いたおかげで、最後まで乗れませんでした。
コメディなのに、ほとんど館内では笑い声が聞かれず、脚本的にもおとなしかった感がありますね。
撮り方自体が昔風の映画のまま、というか、現代における映画というイメージを持たな . . . 本文を読む
グータラ人間たちのほのぼの日常映画。出演者の数がものすごく多い。それでいて、芯のあるのは演出に力のある証拠だ。DVDで何回も見ていたい映画だ。
いろんな映画もあるけれど、たまにはこんな映画もいいね。その無邪気さが現実を完全に忘れさせてくれるよ。
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全くマンガである。設定が奇抜で笑うに笑えぬぐらいマンガである。悲しいほどそれに徹している。映画館では、ひょっとしたら臨場感でそれでも面白いかもしれないが、DVDで見ていると自分が乗れない限り面白い映画とはいえない代物である。とはいえ、ラストは結構面白いおふざけで、まあ楽しかったのは事実。
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園子温特有の手振れカメラ、荒い色彩、そこらの8ミリで撮ったかのような映像なのだが、そのうちに慣れてくるとそこにまさしく本当の青春が浮き上がる。
20人ほどの無目的な、それでいて上の空の自由を求めて、さすらえる間はさすらっていく。それが青春の役得であるかのように、、。
でも、それも卒業の時期をそれぞれが迎える。5年後、リーダーの死により一瞬だけまた過去に戻ってしまうが、それは幻想でしかなかった、かに . . . 本文を読む
意外と芯のある映画で、上映中は全く退屈しなかった。こういう人間の深部に直接入り込み切り刻むテーマは見たくないものを無理やり見せられるようで、人間はどちらかというと避けたいというか、引いてしまいたい分野なのである。
そこを、興味本位でなく、一気に個人と世の中との関係、調和、断絶、悪意を見開いていく。イラクのことを説明を一回もしなくて、この映画を維持できているということも素晴らしいと思う。
ただ、海外 . . . 本文を読む
実はこの監督の映像描写は結構好きだ。「デュエリスト」はむしろ大胆な映像表現だけで持っていると言っても過言ではないぐらい鮮やかだった。本作にもその片鱗は随所見られており、クローズアップの多用、スローの使い分け等面白い。ファーストとラストの音楽の使用もセンスがあり、俄然気に入っちゃいました。
話としては、特に人間的堀下げをしたものではなく、刑事対極悪人の対峙といったシチュエーションものであるが、だか . . . 本文を読む
どうもお金をかけていない演出振りが最後まで気になってしまったが、主役にまで入ろうとする唐十郎の思い入れは映像には露出していたのではないだろうか、、。
ところが思いのほか、山田純大、余貴美子の存在感が濃厚で、また違ったイメージも出てしまった感じがある。
余貴美子は久々の濃艶女優演技だ。こんな役もこなせるとはすごい女優ですね。
山田純大もひときわ画面を引き締めていたなあ。唐十郎は逆に虚言廻し的な役柄に . . . 本文を読む
完璧なミステリー、と言っていいのではないだろうか。それぐらい、ミステリーの定番を行っている。
舞台劇のような気もするが、5人がそれぞれアイドル女性を通して解体され、また連帯感を持つまでの展開はすばらしい。原作、脚本の勝利とも言える。
演出ももちろんだが、5人の役者の演技も特筆もの。特に、小出恵介の少々オーバーアクトな演技っぷりは、狭い部屋での何時間での設定なので、進行役としても、茶化し役としても重 . . . 本文を読む
満員電車でこの原作を読んでいて流れ出る涙をどうしようか、とうろたえていたことを思い出す。
乙一は僕の好きな作家の一人である。ほとんど読み尽くしている。現代で、人の心の一番清らかなところを描いてくれている。いつも、はっと目が覚める思いがする。
この作品も心の携帯電話をモチーフに、ピュアな男女の切ない思いが画面全体に溢れている。心で伝わる電話なので、セリフがあったりなかったりで、少々映像化が難しい作品 . . . 本文を読む
よく出来た映画で、俳優、演出、テーマすべてがどんぴしゃに決まった映画だと思う。ニューヨーク、月、イタリア系、家族、恋、老い、死、アングロサクソンから見たらどうか分からないけれど、文明批判も底ではうずいており映画としては完璧ではないか。
シェールは見た目から個人的にはこの映画を見るのを避けてきたわけでありますが、そういう偏見はこの映画を見ていてすぐなくなった。この映画のチカラでしょう。脇役もみんな優 . . . 本文を読む
見てすぐに雑な演出にかなり驚いてしまう。また、上海占領時の日本軍が完全悪役扱いなので、歴史的解釈もへったくれもなく、アクション映画ならそれに徹すればいいものを、アナーキストというわけの分からない(この映画にはアナーキズムという意味さえ分かっていないと思った。)代物を心情的におっかぶせているので始末が悪い。
日本軍の日本語がほとんど聞き取れなく、字幕が欲しいぐらいであり、チャン・ドンゴンも主役なのに . . . 本文を読む