1年に一度、いつも11月に行われる一人芝居フェス。4組、3組、4組の3回に分かれて総時間5時間半の演劇だ。もう今年は体力的に無理かなあと思いつつ、気持ちを振り絞り観劇した。
11組もあれば、自分に合わないものも当然出てくる。でも、みんな一所懸命。そんな甘えは許されない。30分の彼らの主張を無視はできぬ。
俳優勢としては女性が多かったが、比較するわけではないが、やはり男性の発声の確かさ、余裕、テ . . . 本文を読む
言わずと知れたドストエフスキーの名作。今年はこの作品2本目。春頃見た突撃金魚のそれはまあすごい物でした。登場人物の掘り下げが深く、人間の陰影が色濃く描かれていました。
それに比べると、といったら失礼ですが、かなりドストエフスキーをスマートに凝縮した感があります。俳優の年齢がみんなほぼ一緒なので、例えば親子関係などは少々白々しい。
でも、2時間半鳴り響く音楽の洗練されたそよぎ。大道具へのこだわり . . . 本文を読む
題名からは全く異質な、社会的医療を指摘した問題作です。
ただの提示映画かなと思っていたら、裁判に至るまで、裁判経過、審判と分かりやすくエンタメ風なので見やすい。しかも、大きなひねりが終盤に2回も控えており、さすが韓国映画だなあと感心する。なかなか楽しめました。
この事件で2万人も死者が出たと言ってるが、まったく我々が知らないのは不思議です。 . . . 本文を読む
実際に起こった惨劇からヒントを得た作品ですね。上流国民が多く入っているとされるホームでの9人もの殺戮。39条以外で無罪にできるかなど、読者をワクワクさせる内容でした。
構成からは、肝心の裁判まで非常に多くのページ数を重ね、ふといつものミステリーではないなあと思いつつ、被害者遺族を訪ね歩くその証言にこそ真実を突き詰めていく過程は実に迫力がありました。
これほど多作な中山氏の著書ですが、質が落ちな . . . 本文を読む
意外とこの時期の日活は思想的に硬派の映画作品ですネ。冒頭とラストで市井の人間・基本説を唱える。まるで「生きる」の日活バージョンだ。
取り巻きの俳優陣は最初のクレジットでも5人ほどの羅列でも著名人が多く、もうそれだけでわくわくさせる。
葉山良二の主演作品は初めて見たように思うが、彼なりに頑張っている。でもその他の俳優がものすごくきらきら光っているので、幾分損したかなあ。吉行和子はこんな演技っぷり . . . 本文を読む
評判作という触れ込みで映画館に行く。なるほど、表現は普遍的そして誰にでもわかりやすい手法を採っている。5人ほどの群像劇をラストで一気に収束させている。好感が持てます。
主題はマイノリティーの存在そのものである。
大部分の生きている人は明日には自分が消えたいなどいうことは決して思わないだろう。でも、マイノリティとしてそういう人間は確かにいる。存在的に虚無だから、自死もできない。本当につらい毎日を . . . 本文を読む
25年ぶりに帰ってきた妹。果たして本当の妹なのかどうか、、。それから家族に起こる様々な異様。韓国お得意のホラーです。B級だから細かいところは練っておりません。でも最後まで見せてくれるのが、韓国ホラーの伝統かな。そこそこです。 . . . 本文を読む
ルコントのお出まし。シムノン原作なので、雰囲気のあるミステリーのはず。そして映画はやはりそういう方向へとなびいていく。
ミステリーとしてかなり面白い趣向の作品であることは間違いない。ところがこの作品、やはりルコント映画だ。ミステリーの仕掛けなんかを完全に無視し、メグレ警視(ドパルデュー実に好演)の私生活をある殺人と混濁させ、娘の若き死を眺める。
映像に浮かぶはメグレの心に投影する死と生の残滓の . . . 本文を読む
良くも悪くも現代エンタメ映画の模範映画でもあるが、主題はそこそこみんなの共有とするところ。オールスターがいいね。俳優の年輪を見られて、そこが一番かな。若い観客は誰を知っているのだろう、、。 . . . 本文を読む
よくできた映画です。一番いいところは誰にでもこの映画を見て自分に思い当たる部分が少なからずあるということではないでしょうか。
いつも逃げてる人間たち。逃げてない人間なんていない。逃げるのはでもエネルギーも伴う。その場で終わりというわけにもいかない。逃げてもどこか責任の落ちこぼれを残す。
この映画、30前ぐらいの若者が主人公だが、吾輩のような老人にさえ、主人公の等身大の描き方がそうさせるのか、随 . . . 本文を読む
3時間半、休憩2回。というように随分と俳優、観客に配慮した時間設定。おなじみハムレットとはいえ、後半部分には随分と作家魂が込められている。シェイクスピアの死生観がくるみざわと合体して、何やら不思議、死を超え、世界平和まで行きたつという大胆な演出光景に、演劇の見ごたえを十分感じる。
俳優陣が宝塚ごとき全員女性なんだが、そのうち違和感すら感じなくなるほど、すごい練習量なんだろうなあ、それは純粋な人間 . . . 本文を読む
韓国映画って発想にユニークなものが多く、今回は12時間ごとに違う人間に代わるという主人公が登場、しかも記憶喪失状態で、、というように出だしから面白く好調。
謎がだんだん解けてくると、そのうち冗漫になってくるのはこの種のアクション映画では仕方のないところか。でもまあ最後まで見せてくれました。韓国映画のあくなき映画への追及観に拍手。
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監督・脚本・主演・制作とノートンががぜん頑張った作品です。ひょっとして初監督作品かなあ。突然寄声を上げる病気を持った私立探偵役どころをなかなか魅力的に好演している。
冒頭に出てくるブルース・ウイルスがとてもかっこよく、この映画はストーリーもウイルスの残像に酔わせられる映画でもあるのだが、ジャズに漂いながらニューヨークのハーレムを舞台に真相を求めていくストーリーは実に面白い。
A・ボールドウイン . . . 本文を読む