今日が映画館廃館の日。と聞いただけでノスタルジーが湧き起り見たくなった演劇だ。しかし文学座。臭くないだろうか、そんな危惧を持ちながら結構後ろの客席でこの作品を見る。
登場人物は映画館の関係者7人だ。家族もいればモギリ嬢・映写技師もいる。息子を追って東京からやってきたゲイの恋人もいる。映画なんか見ずにいつも心地よいとか言って館内で休む老女もいる。なんだかどういう展開になるのか相知れない。
ところ . . . 本文を読む
この「審判」という作品は私が昔から本を読もうとして何度も頓挫した作品であります。最後まで読み切れなかった悲しい思い出があります。それほど暗いんです。眠くなります。映画でも一度しか見たことがないです。それも暗かったです。
人間、あまりに暗すぎると前に進まないですね。(まあ、それは僕だけのこらえ性のない性格が災いしているだけかもしれませんが)で、演劇でこれを見るのなら、いくらなんでも最後までしっかり . . . 本文を読む
何か内装工事らしい作業中の二人のつぶやきから舞台は始まる。舞台は変わりある会社の事務所風景。
夫婦であり会社の経営者でもある二人。しかし夫は経営の壁を感じている。夫婦でもあるが実質経営者の妻と経営方針が違いすぎるのだ。この辺りはなぜか普遍的なストーリーである。
そこに学校時代の女友達がアルバイトで仕事をしている。この女性の過去と現在をクローズアップさせながらそれぞれの群像劇が始まっていく、、。 . . . 本文を読む
ルームシェアを設定しているから当然舞台の中心はみんなが集まるリビングとなる。
冒頭女オーナーがただ何となくテレビをつけている。聞こえてくる音声はなんと演劇でのマナーである。よく劇団の人が注意をするあの内容だが、テレビ放送ということになっている。オーナーがただつくねんと聞いている。
観客でも眠っている人は前の方に座らないほうがいいですね、なんて言っている。ああ、そうか僕もよく目をつむるがそれは失 . . . 本文を読む
この題名がね、何か気になるものを醸し出すよね。しかもJ・ラッシュの主演。気が注がれる、、。しかし映画館が満席近くてまずそのことに驚いてしまう。
前半は確かに展開もさることながら面白い。けれど、だんだんと分かってくると、あれほど上質の映像と美術が逆に色褪せてくる。あの秘密の部屋の美女たちに囲まれて主人公はご満悦。それでいいのではないか。そういう人生もあるよ。
その一方初めて生身の美女と知り合った . . . 本文を読む
老人映画、最近東西問わずやたら多い。日本人の観客が加齢化しているせいか、それともそもそもそれは世界的な現象なのか分からないが、老いをテーマにし、それは必ずとも深刻ではないという掘り下げ方は見事の一言である。
それにしても出て来るは出て来るは往年の俳優たちよ。カメオ出演っぽい大門正明、 穂積隆信 、島かおり 、長内美那子、白川和子 、正司照枝 、佐々木すみ江。考えればこの映画は . . . 本文を読む
これをもらとりあむというのか、まあ一時休止状態・いわゆるよく言えばタマ子さんの充電状態ですなあ。でも充電は100%になっても充電を続けるわけで決して120%になるわけではない。電源(この映画では居場所)がなくなればどんどん放電していくのだ。
食事も洗濯も男親任せ、ブラジャーなんかも平気で洗わせる女の子である。逆にこんな(いい)女の子は現代においては到底いないのではなんか、なんて僕は思ってしまう。 . . . 本文を読む
誰もが知っているという触れ込みの竹取物語、しかし実は僕は一度も岩波の薄い原書を読んだこともなければ、現代語訳の短編小説を読んだこともありません。ただ絵本等で断片的にある程度の話を知っているだけ。
だからこのハナシは面白かった。途中で捨て丸との恋心はねつ造だとは分かってはいたが、それでも捨て丸が子供もいる父親になっている設定がなかなか神妙で面白く、そして哀しく、この亜流の話も捨てがたいものがありま . . . 本文を読む
2時間を軽く超える長丁場なんだが、それを感じさせることのない緊迫感が全編を覆い、素晴らしいエンタメとなっている。別にこの映画は政治、貧民、経済差を訴えているわけではない。ある意味昔からよくある災害映画であります。
そう、例えば昔は船の遭難から人の生還を扱った「ポセイドンアドベンチャー」、高層ビル火事題材の「タワーリング・インフェルノ」然り、市井の人間が偶然の事故に遭遇した場合の人間の知恵と勇気を . . . 本文を読む
我が御贔屓の今野 敏作品。同期シリーズとはいえ、ちょっと流したかな。堀下げ方が足りぬ。人物描写が物足りぬ。事件らしい事件はすべて人の話による。、、ということでめずらしく一気読みならず。
ラスト近く少しは盛り上がりは感じられたが、今までの今野作品からは程遠い出来。
なるほど、僕が楽しみにしていたのは某警察署長版だったのかしら。多作なのは分かるが今野先生、ちょっと作品数を選んでくださいませ。
と . . . 本文を読む