第一次大戦前夜という時代設定はあるものの、この映画の厳しい人間洞察は、とうてい映画の中の出来事なんだと映画と自分自身とを切り離すことはできない。見ていてまさに不快である。汚辱の映画である。しかも善という概念からは対局的な位置にある。けれどこの映画こそ今現代人が見なければならない映画でもあるのだ。
これでもか、これでもかと人間の奥底にある悪意を剥き出しにする。北ドイツの暗い陰鬱な空気がカメラを通し . . . 本文を読む
相手が年齢で10歳ぐらい上の30前女、こちらが二十歳そこそこのヤング。毎日セックスオンリーの日々で愛など考られないときだった。でも女が突然結婚し、その喪失感が男の人生にも影響を与えていってしまった、、。
男と女が求め、求められ、いつしか同じロードを歩き同じロードで果てて行く。それは男と女の理想だ。人生には、男と女には一本の絶対強い赤い糸があるのだとよく昔の人は言った。そんなことは書物の中でのこと . . . 本文を読む
名優【ロバート・デ・ニーロ】に今や脂の乗り切った【エドワード・ノートン】、そして初めて演技派としての修業を【ミラ・ジョヴォヴィッチ】に課したトライアングル心理劇です。
【デ・ニーロ】の演技力は今や言うまでもない。だが、若い時に無理に20キロ近く太らせた身体は今や自然の老体ぶりだ。この映画ではうまいが、彼の貪欲な演技力への追及といった新鮮味は感じなかった。
対して【ノートン】は狂気と神秘性を明瞭 . . . 本文を読む
旗揚げ公演にしては俳優のセリフのしゃべり、脚本の密度の高さ、テーマの深淵さはこの劇団の目指しているところのレベルの高さが窺われる。
僕は休日の昼間という設定のみで、ただ偶然にこの劇団のチケットを購入したのである。冒頭からのごみ同然に捨てられた女性とのやり取りの1話といい、なかなか観客をぐいぐいと引き込んでいく演出は大したものだ。不条理という一歩手前で止めているストーリー性も秀逸。
2話はこの作 . . . 本文を読む