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カラ/フル第一回公演『NUDE ~底に在る傷情の顔~』(脚本・演出 オダタクミ 於ウィングフィールド) 80点

2010-12-24 11:08:08 | 演劇遍歴
旗揚げ公演にしては俳優のセリフのしゃべり、脚本の密度の高さ、テーマの深淵さはこの劇団の目指しているところのレベルの高さが窺われる。

僕は休日の昼間という設定のみで、ただ偶然にこの劇団のチケットを購入したのである。冒頭からのごみ同然に捨てられた女性とのやり取りの1話といい、なかなか観客をぐいぐいと引き込んでいく演出は大したものだ。不条理という一歩手前で止めているストーリー性も秀逸。

2話はこの作者が狭い舞台を我々の夢の世界にいざなう重層的な舞台。もう手の平ぐらいの狭い舞台なのに大きな広がりを観客に持たせてくれた。

3話もただ脇役だったと思わせた友人がこの演劇の実は主役であったとどんでん返しを見せる。それはただただ驚きとともに演劇の真の楽しみを我々に与えてくれた。

オムニバス形式にしているがそれぞれかなり密接につながっており、舞台を見た後でも印象が強く残る秀逸な舞台であった。僕の今年の演劇鑑賞の最後を飾るものとしてはとてもいい演劇で、感謝を申し上げたいぐらいだ。これで料金が2000円とは申し訳ないぐらいだ。次回も絶対に行きます。

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