大好きな別役実作品。彼の作品には常に不条理が付きまとう。人の営みのどうしようもない哀しみ、苦しみ、諦観が表現される。ところが本作はサンテグジュペリものなので、いつものそれとはかなり違う。
サンテグジュペリと宮沢賢治をミックスした感もある透明感が全編漂う。素晴らしい出来である。
対面式席空間である。最初座った席、1mぐらいしか離れていない向かいの席に若い青年が座っている。7,8名ぐらいが座れる席 . . . 本文を読む
最後のテント公演だという。考えたら今まで多くのテント公演を見たが、浪速のそれは見ていない。いざ馳せ参じました。
当日時間を1時間も間違え、早く難波宮跡公園に着く。もちろん受付もしていない。テントの周囲を回ると、役者さんたちがのんびり舞台支度をしている。天気も良く、意外と涼しいので、生の役者さんの素顔が見れる。
考えたら大阪に住んでいるのに難波宮跡公園に来るのは初めてである。歴史好きの僕なのに、 . . . 本文を読む
24,5年前に上演された劇の再演らしい。ある日朝起きたらお兄ちゃんがトランクになっていたというカフカ風の出だしである。
カフカものとは違い、家族はそれはたいそうお兄ちゃんを大事にし、彼の気持ちになろうと自ら段ボールに入って全員、生活をし始める。そんな家族の生活が不思議な心情とともに描き出される。
パンフを見れば20数年前の宮崎勤の連続殺人事件の家族の思い云々とは書かれているが、劇を見ているだけ . . . 本文を読む