24,5年前に上演された劇の再演らしい。ある日朝起きたらお兄ちゃんがトランクになっていたというカフカ風の出だしである。
カフカものとは違い、家族はそれはたいそうお兄ちゃんを大事にし、彼の気持ちになろうと自ら段ボールに入って全員、生活をし始める。そんな家族の生活が不思議な心情とともに描き出される。
パンフを見れば20数年前の宮崎勤の連続殺人事件の家族の思い云々とは書かれているが、劇を見ているだけではそんな連想さえあまりしないまま時が経つ。
恐らく25年前の上演時には事件から時が早すぎて、ダイレクトに描けなくオブラートに包んだんだろう。それだけでも劇の題材はシビアに観客に伝わったのだろう。
でも、歳月は過ぎ、やはり直接にこの劇の内容だけでは宮崎事件には即、通じない何かがあります。当時の時代感を変えろとは言わないものの、少し脚本を触ってみてもよかったのではないか、と思った。
それでもラストの大道具の破滅感はすごかった。これを迫力がありました、、。
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