う~ん、感心する。老醜もこれほど生々しいと清々しいと思えます。2時間弱、ずっと映像に目入ってしまう。人生、夢、幻、生と死のはざまにたゆとう我なる時間の怒涛。早くも今年のベストかなと思う。長塚はまさに全部吐き出し人生を刻み込む。吉田は「桐島、~」以来の傑作至れり。 . . . 本文を読む
なぜか「敵」と同じく珍しくミニシアター館をにぎわせている作品。気になり見ることにする。若い方が多い、これも珍しい。そしてホラー。あまり見ない種類の映画だ。
本編が経って、ホラーなれどあまり怖くなし。これがよかったかなあ。これ見よがしの怖さを売るホラーでないところが心地よし。この内容で最後まで引きつける演出、展開は褒められてよし。俳優陣も地味目が多く、新鮮であります。
ラストもなかなか凝っていて . . . 本文を読む
読みやすく一気読みでした。スタイルは冒頭に出てくるように映画「グランド・ホテル」形式。だからか、一つ一つの話に人生の芳香が感じられる。
最後まで読み切った感想としては、ミステリーではないということとと、実によくできた小説だが、ちょっと良すぎ。いい人たちが出過ぎ。でもこの世知辛い世の中、たまにはこんな現代の桃源郷もいいよね。いい時間をくれました。 . . . 本文を読む
深沢氏痛快な若者に対してのサジェスション。とにかく、明瞭簡単、ただぼ~~と生きてりゃいいのさ、というお強い言葉に救われる。そもそも動物なんて悩まずただただ生きているのに、人間だけが何で悩む必要があるのか、、、。そこなんだよな。
「自分とは何か」から始まる哲学志向もこの深沢につかまると、いかに人類は無駄なことに時間を費やしてきたことか、となる。この深沢の人間滅病教、大好きです。
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ホ・ジノ監督の最新作。最近は力不足の映画が多いと思っていたが、取り戻した感あり。
内容的に、誰もが自分に降りかかったら、どうしますか?というテーマを緊密に掘り下げていて、ラストまで一気でした。夫婦2組の俳優演技がうまく、とても印象に残る。でも最後の思いがけないシーンは成瀬巳喜男の「女の中にいる他人」で既に使っている。でもこうなるしかないよな、、。
面白い作品でした。
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今年は映画、96本だから、まあ良く見たと言える年でした。相変わらず自分の心に触れる映画しか評価しない僕は通常の映画評からはずいぶんブレていると思う。
洋画
1位 哀れなるものたち (ヨルゴス・ランティモス) 2位 ヴェルクマイスター・ハーモニー (タル・ベーラ) 3位 熊は、いない (ジャファール・パナヒ) 4位 青いカフタンの仕立て屋 (マリヤム・トゥザニ) 5位 憐れみの3章 . . . 本文を読む
好きな作家だが、でもここまでワクワクしながらページを繰る作品も最近では珍しい。ミステリーだが、本格ものではないし、犯人探しでもないのだが、文字の間から五十嵐の躍動感があふれているのがわかる。
ミステリーで一気感が強いのはそれほど秀作だとお言うことだろう。最初はシリーズが続くと思った妹刑事があっけなく亡くなってしまうのがちょっとした驚きだったが、でもその後登場人物の設定も面白く、五十嵐の才能を十分 . . . 本文を読む
私のような随分と無駄に歳月を過ごして来た人間には、主人公から見据えたまなざし、音、声、人の心の襞はずしんと容易にそのまま自分に入ってくる。見出して15分ほどで私はリリー・フランキーと同化してしまった、、。
夫婦愛、家族愛をテーマにした映画なんだろうけど、恐らくその底辺に流れているのは人間のささやかな営み。人は生まれては死ぬ。そのリフレインの中に、それぞれの人の想いを巡らせ、喜び、悲しみ、驚き、諦 . . . 本文を読む
確かにこういうタイムスリップものはそもそも面白い。映像も展開もよく考えられている。途中だれてくるところで、あれを使うんですね。分かる気もするが、、
でも、あれは勝新太郎が使用して倫理的にもご法度ではなかったのかなあ、、。アメリカでも銃使用事件があったし、映画界で、これを題材にするとはちょっと恐々。でもだからこそ最後の文字通り真剣勝負が燃えてくるんだろうが、ね。
映画の原点の面白さを現代において . . . 本文を読む