なんと、、、とてもメチャ面白い。470ページもの長編だが、読みやすく、二人の探偵にはピュアな絆がある。これだけでも十分読める。ある意味愛のハナシでもある。
幽霊と小6女子児童との組み合わせ。ミソは幽霊だからどこにでも飛んでいき、警察なら調書も十分見られる。裏取りはそういう便利組織が真実を即伝えてくれる。
まあ、こういう使ってはいけないかもしれないツールを禁じ手というなら、このミステリーは成立し . . . 本文を読む
ワイルダー作「わが町」は今まで何本も見てきたが、別役実がそれを基に神戸の大地震をミックスさせた劇だと言える。そしてこれが思いがけない相違を見せつける。
神戸が後半、クローズアップされるので、何か今までのワイルダー劇からイメージが浮遊されているかのようである。ワイルダーと別役とでは見続けるまなざしが違うのだろう、少し違和感を感じる。ワイルダーからは人生の営みの普通のことが生きる源泉となっていること . . . 本文を読む
土田英生は正統派演劇者である。個性的である。ユニークすぎます。面白い。独自のお話を築いている。ほかの劇団にはない地味目だが何より孤高路線を走っている。
これらが僕の土田論であります。なんといっても、今回、明治初期と現代とを血縁だけで辿るその見事さ。いやあ、感心いたしました。これぞ土田の魅力なんですね。こんな変な、不思議なことを考え、それを脚本にする作家は他にはおらんだろうと思います。すごいです。 . . . 本文を読む
前半と後半を対比させた北野の少しおふざけ映画。見どころはないわけではないが、従来の映画の世界イメージを断ち切るかのような北野映画というよりむしろビートたけし映画。そこそこおかしいが、1時間が長く感じる。 . . . 本文を読む
さすがコーネル・ウールリッチ原作もの。冒頭からどんどん食い入るように見させられる秀作。オオカミ少年の話を基に、サスペンスがみなぎる。当時の下町風俗光景も見ものです。この時代の映画はホント無駄が全くなく、映画の原点を捉えていたと思う。 . . . 本文を読む
奇抜な題名。ミステリーファンならほっておけないですなあ、、。
読み始めると面白い。かなり時間を費やしてこの作品を書いたんだなあと分かる。そして数々のトリック。よくもここまで念入りに詰め込んだと感心。
ラストのあっと驚くトリックも納得。真犯人は彼しかないだろうなあと思ったら、、。
いやあ、とにかく下村氏にはミステリーファンを代表して脱帽します。今どきこういうテーマに挑戦するとはものすごい若さ・ . . . 本文を読む
二人芝居だが、それぞれ面白い仕掛けも用意し、シンプルだが重奏な響きを持つ素晴らしい演劇に仕上がっていて、もう感激。ラスト近くから涙が止まらず席を立てない状態に。
なんといってもお二人のいつもの役柄からは考えられない熱い素晴らしい演技にびっくり。もう見違えるほど素敵でした。役者って途方もない引き出しをもっているんだなあと感心する。あの中央の奥の壁で瞬時に衣装を変える見事さ。いやあ、何を言っても今は . . . 本文を読む
これはとんでもミステリーの秀作でした。500ページと長いけれど、全編人生へのエスプリが利いていて、まるでマーロウの小説を読んでいる感がして、大切のページを繰る自分を見ている。
二つの殺人事件が続いたものなのか、犯人は一体全体誰なのか、これも二転三転する仕掛け。何より、登場人物のつぶやきがとてもいい。人生を投げ捨てたようなそれでいて人への温かみが十分感じられる。
樋口有介を見直す。いい作家だ。 . . . 本文を読む
アルモドバル、久々に鑑賞。生と死を透明感をもって見、ジョン・ヒューストンの名作「ザ・デッド」を引用しながら、彼の人生観の集大成として捉えている。
いつものスペイン独特の濃厚さが薄れ、じっと目の前に迫る死を見つめている。しかし色彩感あふれ美しい。死が美しいというより、人生って最後までこんなに美しいのかとまで思わせる、まさにため息の出る秀作でした。
アルモドバル、まだまだ映画作家たりえることをつく . . . 本文を読む
不条理ミステリーという触れ込みは全然ちんぷんかんぷんだったけど、7人の俳優たちの若い世代の想いは十分伝わったと思う。
2時間全編のシュプレイコール絶叫、ダンシング、途中で水飲みタイム、さらに台本ありの朗読があったりなど、面白い展開だったが、最後には収束させた終わりで、なかなかのもの。彼ら、かなり体力を消耗したのではなかったか。一日2本はきつそう。 . . . 本文を読む