鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

常用漢字の追加

2009-02-03 | エッセイ
先ごろ、常用漢字に追加される漢字191字の試案が発表された。
常用漢字は、一般の社会生活で漢字を使用する際の目安として示されているもので、現在1945字がある。
追加される字を見ると、よく使う漢字だが今まで入っていなかったのか、と思う字が多い。
また、世相を反映していて面白い。
いくつか紹介しよう。
(カッコ内は、使用例あるいは読み)

まず、府県の文字で、今まで入っていなかった字が入った。
鹿(鹿児島)、熊(熊本)、阪(大阪)、奈(奈良)、茨(茨城)、岡(岡山、福岡、静岡)、埼(埼玉)、栃(栃木)、梨(山梨)、阜(岐阜)
なんと、わが鹿児島県の鹿も入っていなかった。
鹿や熊が入るなら俺も入れてくれ、と虎が言ったかどうか虎も入った。
そういえば、俺も今回入ったが、おれおれ詐欺と関係がある?

拉が入ったのは、拉致問題のせいでしょうね。
また、踪は特定失踪者問題で使用される。
綻は経営破綻、塞は閉塞感のある社会だから・・・
淫は淫行などといういやな言葉がありますね。
崖は崖の上のポニョがヒットしたから?(まさかね)。
酎は焼酎ブームが続いたから・・・
食品関係では他に、麺、丼、鍋、串が入っている。牛丼屋が増えましたからね。
挨拶、嫉妬、曖昧、旦那はペアで採用された。まあ、1字だけだったら片手落ちである。
ちなみに、嫉妬が両方とも女偏なのは、字を男が作ったからだろう。実際は、男も嫉妬深い。

人体や病気に関する字が多いが、厚生労働省から横やりが入ったのだろうか。
顎(あご)、股、咽喉、尻、腎(腎臓)、脊椎、爪、眉、肘(ひじ)、膝(ひざ)、頬(ほお)、脇、腺(前立腺)、唾(唾液)、潰瘍、腫瘍、梗塞(脳梗塞)、捻挫、骸(死骸)、痩(やせる)
これらを眺めていると病気になりそうだ。

暗い、マイナスイメージの字が多いと感じるのは私だけだろうか。
世相や病気に関する字も暗いものが多いが、他にあげると
萎(萎縮)、怨(怨念)、刹那、叱(しかる)、呪(のろう)、嘲(あざける)、諦(あきらめる)、溺(おぼれる)、弄(もてあそぶ)、罵(ののしる)、蔑(さげすむ)、訃(訃報)、闇、慄(戦慄)、斬など・・・
鬱はゴチャゴチャした字で、見ただけで憂鬱になる。

明るい、プラスイメージの字は
虹、爽(さわやか)、艶(つや)、憧憬と少ない。
鶴と亀はめでたくペアで入った。

常用漢字を守って、ら致、失そうなどと書くと、かえって不自然で間延びした感があり、拉致問題の深刻さが感じられない。
常用漢字は、新聞など公共性の高いものは、ある程度これに規制されるが、われわれ一般人が文章を書くとき、規制するものではない。
あまり気にせず、自由に書いていいんですからね。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする