鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

ハ行の悲しみ

2012-12-26 | エッセイ

以前、五十音表の謎というエッセイを書いたが、五十音表についてもう少し考えてみたい。

 

ア行は、「俺たちは母音で、お前たち子音とは格が違うのだ」とばかりに先頭に君臨している。

カ行は、はっきりとした音であり、かっきり、きちんと、きびきび、くっきりといった印象がある。

ラ行は、ランラン、ルンルンと明るく楽しい響きがある。

 

それに比べて、ハ行はどうだ。

はひふへほ、と発音してみてください。

なんとも力が入らず、へなへなとなりそうだ。

「ハー」はため息であり、「ヒー」は悲鳴、「フー」はへばった時に出す音である。

特にひどいのが「へ」である。

「へ」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが「屁」である。

「へへへ」と笑うのは卑屈で、「へへっ」は平伏するときに、「へっ」は小馬鹿にするときに出す声である。

へぼ、へま、へた(下手)、へん(変)、へっぴり腰など、ろくな言葉がない。

「へ」は印象が悪い音なので、元号が平成に変わるとき、反対する意見があったそうだ。

 

このように、ハ行は人間に快く思われていない悲しい行なのである。

唯一、末子の「ほ」が、「ほほほ」と色っぽく笑い、ほめる、ほれる(惚れる)、ほっとするなど、プラスイメージの言葉が浮かぶのが救いである。

コメント (6)
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