子供の頃、天体に興味を抱いた。
学校の図書館の天文に関する本を読み漁り(といっても、小さな学校なので5~6冊しかなかったが)、太陽、月、星たちが、どのような規則性を持って空を運行しているか知った。
毎日、月は50分遅れ、星(恒星)は4分早く進むことを知った。
種子島の実家は、人家の少ない田舎なので、月のない夜は満天の星がきらめいていた。
まさに、降るような星空だった。
上空には、白い天の川が横たわっていた。
星座早見版というのがあり、これで星座の名前を覚えた。
一番好きな星座は、オリオン座だった。
真冬の寒空に、凛として輝く星たちを眺めていると、悠久の世界に吸い込まれそうだった。
虫眼鏡を二つ、筒の両端に取り付け、望遠鏡を作って星を眺めた。
そんな簡単な望遠鏡でも、肉眼とは比べ物にならないほど多くの星が見えた。
スバルの星々もきれいに見えた。
惑星も、興味を引く対象だった。
文字通り、恒星の間を惑うように、不規則に運行していた。
金星は宵の明星、明けの明星として、どの星より明るく輝いていた。
望遠鏡で、土星の輪を見たこともあった。
初めて見た彗星は、イケヤ・セキ彗星だった。
やや低い空に、長く尾を伸ばして輝いていた。
星空は今も眺めることがあるが、星を見ていると、日頃の些細なことなど忘れて雄大な気分になる。
だが、その気分は二日と続かず、また雑事に追われていくのである。
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