鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

金の輪

2010-03-12 | エッセイ
「輪回し」という遊びがある。
タイヤを取った自転車の車輪に、棒を当てて転がして遊ぶのである。
私も子供の頃、よくこれで遊んだ。

小川未明の童話に「金の輪」というのがある。
これを読んだのは小学5年生の頃だったが、妙に印象に残る作品だった。
よく知られた作品なので、ご存知の方も多いと思うが、簡単にあらすじを述べると・・・

病気が治ったばかりの幼い太郎は、ある日の夕方、道の向こうから金の輪を2つ回してくる少年に会った。
少年は太郎に微笑んで去っていくと、次の日も同じようにやってきた。
太郎は、少年と二人並んで、金の輪を回しながら夕焼けの赤い雲に入っていく夢を見た。
次の日から熱が出て、2~3日後、太郎は7歳で亡くなった・・・

少年とはいったい何だったのだろう。
太郎が見た幻だったのだろうか。
あの世から、太郎を迎えに来た使者だったのだろうか。
赤い夕焼けの中を、二人並んで、金の輪を回しながら走る光景が目に浮かぶようだった。

当時の私にとって、自分でも輪回しをして遊んだこと、妹と祖母を亡くして死が身近にあったことが重なって、印象に残る作品だったのかもしれない。
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永田の田の神他

2010-03-10 | 田の神
田の神を3体紹介します。


南九州市川辺町永田にある、永田の田の神です。
いろいろな石碑と一緒にあります。


川辺町で一番大きな田の神です。
頭にシキを被り、手にメシゲを持っています。
顔は削られています。
1724年に建立されました。


後姿。
背中にワラツトを背負っています。
ワラツトは、わらで出来た、食品を包むものです。



次は、永田の田の神から少し東の田部田というところにある田の神です。
こちらも頭にシキを被り、手にメシゲを持っています。
顔の表情ははっきりしています。


後姿。
こちらも、背中にワラツトを背負っています。



次は、出水市下中にある田の神です。
集落の道路脇にあります。


左はお地蔵さんでしょうか。
右の田の神より新しいので、後で置いたものと思われます。
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山桜

2010-03-08 | 植物
鹿児島では、一気に山桜が咲き始めました。
今年は少し早いようです。


自宅は、鹿児島市といっても郊外で、シラス台地にあります。
シラス台地の斜面に点在して咲いています。


前の写真の上のアップ。


山肌の緑との調和が美しい。


ぼおっとかすんだような山桜。
雪の精のよう…


全体に、黄緑がかっているのは、葉の色のためです。


清楚で散りぎわがよく、日本人の心情によく合う花です。
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宝光院跡の仁王像と松尾城跡

2010-03-06 | 史跡
南九州市川辺町にある宝光院跡を訪ねました。
清水小学校の少し東にあります。


宝光院跡の入口にある対の仁王像。


右の阿像。


左の吽像。
いずれも腕が取れています。


宝光院跡です。
ここを支配していた河辺氏のお寺でした。
明治2年の廃仏毀釈で破壊され、今は小さな神社があります。


神社の横にある宝きょう印塔。


宝光院跡から少し南の小高い山が、松尾城跡です。
納骨堂があります。


近くにある松尾神社。


松尾神社から川辺の町を望む。
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野の花

2010-03-04 | 植物
春の陽気に誘われて、近くの野原に花を写しにに行きました。


ホトケノザ(仏の座)シソ科
花の下にある葉を、仏の蓮華座に見立てたものだそうです。


オオイヌノフグリ(大犬のふぐり)ゴマノハグサ科
ふぐりは陰嚢のことで、実がこれに似ていることからです。


カラスノエンドウ(烏野豌豆)マメ科
実を取ったさやで、草笛を吹いて遊びました。


キランソウ(シソ科)
地面にへばりつくようにして生えています。
別名、ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)というそうです。


スミレ(菫)スミレ科
スミレにもいろいろな種類がありますが、これは人里近くに普通に見られるもの。


カタバミ(片喰)カタバミ科
ムラサキカタバミというのもあります。


アセビ(馬酔木)ツツジ科
馬が食べると、酒に酔ったようになることからです。


これは、名前がわかりません。
一つ一つの花は、釣鐘のようで、前のアセビに似ています。
土手に、他の野草に混じって咲いていましたが、園芸種が野生化したものかもしれません。

追:その後、aさんからコメントをいただき、ムスカリ(ユリ科)であることがわかりました。
やはり、園芸種でした。
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白山姫神社のモミ

2010-03-02 | 巨樹・古木
鹿児島市吉野町の白山姫神社にある、鹿児島市保存樹に指定されているモミの木を紹介します。


神社の前に2本のモミの木が並んでいます。
それほど巨木というわけではありませんが、ペアで並んでいます。
神社に多いのはクスノキやイチョウですが、まれにモミやカヤもあります。


白山姫神社。
磯山にあったものを、島津斉彬公が集成館事業拡張のためここに移設しました。
石川県の白山にある神社の分社だそうです。
白山には、金沢に住んでいたとき登りました。


向かって右のモミです。
 保存樹第12号
 幹周り:2.9m
 樹高:20m
 樹齢:250年


向かって左のモミ。
 樹齢:250年
案内板に、幹周りなどは書いていませんが、前の木と同じくらいです。


境内にある日露戦役記念碑。
この地区からも戦死者が出たのでしょう。


境内から桜島を望む。
噴煙を上げているのは、南岳の向こう側斜面にある昭和火口です。
コメント (8)
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