■首都圏情報 ネタドリ! 「あなたも知らぬ間に・・・ “薬飲み過ぎ”のリスク」
“原因不明のふらつき、食欲低下、物忘れ…実は薬の“飲み過ぎ”が引き起こしているかもしれない!
処方される薬の数が増えることで副作用などが起きやすくなる「ポリファーマシー」という問題。
複数の医療機関にかかる人が知らぬ間に飲み合わせの悪い薬を飲んでいる可能性も。
「たくさん薬を飲んでいるけど大丈夫?」「どうしたらいいの?」
疑問に答えながら身近な薬に潜む知られざるリスクと正しい付き合い方をネタドリ!”
【キャスター】岡田結実,松田利仁亜
【ゲスト】新田恵利,東京大学大学院 教授…秋下雅弘
予録のまとめ見シリーズ
まさに私の両親に見せてあげたい
カゴの中にどっさり入れたクスリ、クスリ、クスリ、、、
自分では「管理出来ている」と言っても、飲み忘れ、気づかない重複があるはず
私の通いつけの薬剤師さんいわく、資格を持った薬剤師のいる薬局なら
自宅まで行って、クスリを仕分けしてくれると聞いて、そこまでしてくれるのかとビックリした
ケアマネさんからそうした薬剤師さんにつなげることも出来るそう
私自身、時々、薬箱を開けたり、部屋を整理していて、「コレ、何の薬だっけ?」というものが出てくるから
薬剤師さんに見せると、記録を調べてくれたり、「おくすり手帳」を見たり、これまでの経緯から
「これはもう要らないので、こちらで処分します」と教えてくれる
中には強い導眠剤的なものもあって、いつもらったのか、私も覚えていないが
「今は必要ないし、もうかなり古いですし、強い薬なので処分しましょう」と言われて気づく
基本は「おくすり手帳」を1冊に絞ること
それだと、どの薬局に行っても薬剤師さんが見ればすぐに判断がつく 重複も分かる
薬剤師さん「中には重複して余計に体調が悪くなる組み合わせもあるので注意してください」とのこと
クスリで儲けている悪質な病院もあるだろうし
もろもろ気になって見てみたら、ほぼ私の父と同じで驚いた
それで今回のめまいで入院したのではないか???
看護婦長をしていた叔母も
「薬に頼り過ぎ 全部やめれば、病気も全部治るんじゃない?」と言っていたそうだし
【内容抜粋メモ】
元「あさイチ」リポーターのリニアさんが司会してるのか
私たちが病気や怪我をした時、治療の助けとなる薬
でも、薬の飲み過ぎによって、思わぬ健康被害に見舞われている人が多い
薬飲み過ぎのリスク
薬の飲み合わせによっては、「ふらつき」「転倒」、命に関わるケースも
薬が多ければ多いほど 副作用のリスクが増えます 有害事象も起きることがある
・65歳以上の方
・医療機関に行った後、薬局で受け取る薬の数が一度に6種類以上もらうという人は1/4以上いる
多くの薬を飲むことによって、知らない間に悪化する可能性もある
ある研究によると、6種類以上の人は、特に要注意だと言われている
「めまい」を訴える 毎日20種類の薬を飲むという男性を取材
都内の病院に入院する80代の男性
知らぬ間に薬の副作用で、自宅で意識障害を起こして搬送されました
山登りが趣味で、これまで大きな病気もなかった男性
しかし「血圧」や「コレステロール値」が高く、「腰痛」などがあったことから
16種類の薬を服用していました
(この時点で不自然だと思わないのがフシギ
男性の妻:薬を飲むのが好きなんですよ
男性:薬を飲むのが好きw
大腸の内視鏡検査の直後、男性は検査前に「下剤」を服用+さらに、大量の水を飲みました
すると、意識が急に朦朧とし始めた
自宅に戻った後、容態がさらに悪化して救急搬送された
男性の妻:私も一生懸命支えたけど、トイレに行くって言っても立てないの
男性:その時、私は全然記憶がないんですよ なんで病院にいるのかさっぱり分からなかった
複数の薬が作用しあい「意識障害」を起こした
東京城東病院 総合内科 森川医師:
複数の薬が作用しあって「意識障害」を引き起こしたと診断しました
男性は、「内科」と「整形外科」の医療機関にかかっていました
内科からは「血圧を下げる薬」、整形外科からは「痛み止め」「漢方薬」を処方されていました
この3つには、血液中の「ナトリウム濃度を下げる作用」があります
そのため、下剤と、大量の水によって、さらにナトリウムの濃度は下がり
「低ナトリウム血症」を引き起こした
相乗作用で、ナトリウムの値がもともと低い状態だったと予想されます
大量の水と、下剤を飲まれたことで、さらにナトリウムの値が低くなり
今回、意識の状態が悪くなったと予想されます
Q:薬のせいと聞いてどう思いました?
男性:
えっ?と思ったんだけど
医者が診察して、自信を持って処方してくれる薬だから、患者としては一切疑わない
男性患者のように、複数の医療機関を利用した場合、
「飲み合わせによる副作用のリスク」が高まると言われています
森川医師:
いろんな専門科にかかっていて、いろんなところから薬が出ているケースがあって
その場合は、誰がどの薬を出しているのかを、トータルにマネージメントできる方がいなくなってしまうので
相互作用を注意する機構がなくなってしまうので危険
複数の薬を飲むことが必ずしも危険というわけではないですが
やはり薬には副作用ですとか、薬同士は影響し合う相互作用があるので
多く飲むほどそのリスクが高まるということです
ゲスト:
高齢者の薬の飲み合わせに詳しい 東京大学大学院教授 秋下さん
新田恵利さん(89歳の実母を自宅で介護+義母の介護)
新田:
義母は10種類の薬を服用していて、ちょっと薬が多いんじゃないかと思って減らして
今は自分の意思で「薬は一切飲まない」となったんですけれども
義母は、やはり複数の医療機関にかかって、たくさんの薬を飲んでいて
目薬を入れても10種類あるから心配です
薬の数と副作用の頻度との関係
森川医師:
特に6種類以上が目安になると思います
3種類でも問題が起きる人がいますし、逆に10種類でも
必要があって飲んでいて、問題が起きない人もいます
必ずしも数だけではないということです
Q:年齢と関係はありますか? 若い方は?
森川医師:
若い人でも起きます でも高齢者ほどではないです
若い人でもたくさんお薬を飲まれている方とか
例えば「腎臓が悪い」とか、そういう方はちょっと気をつけましょうということで
Q:薬によって 危険度が変わるんですか?
森川医師:そういうこともあります
よくある副作用
森川医師:
ここにあるのは、一般的なお薬ですよね
年齢関係なく飲まれる方が多い
それが高齢者では、こういったお薬でも問題が起きやすい
特に気をつけていただきたいのは、病気がいくつもあって、複数のお薬を飲むということになると
例えば、「睡眠薬」でフラついて、「血圧」のお薬で血圧が下がりすぎると
フラッとして転んでしまうというような「相互作用」が結構あります
視聴者の質問:「おくすり手帳」で防げないのか?
森川医師:
正しく使うと非常に有用なツール
1つの手帳に全ての薬局、医療機関で処方されたお薬が載っているというのが本来の姿なんですが
それぞれ薬局で、別の手帳をもらっちゃうと、何冊にもなってしまう
手帳を持って行かない人もいますので
持っていかないと、新しい「おくすり手帳」が出ちゃうんですよね
新田:最近は「おくすり手帳」を忘れると、お金を取られちゃったりするので、主婦としては忘れないですよ
●患者が薬に頼りすぎている文化
リ:
防げない要因が他にもあるということが見えてきました
薬の飲みすぎのリスクの背景の一つに、患者が薬に頼りすぎていることがあると言われています
取材2:14種類の薬を飲んでいて、体の不調を訴えている70代の女性
女性:
ご飯を食べた後、すぐ下痢になっちゃう それまでなかった症状
以前は胃の調子も良くて、風邪をひいても下痢しないぐらいだったのに
医師から薬を減らすことを提案されたが、なかなか受け入れられない
女性:
減らせるものなら減らしたいと思っているんですけれども
減らしても不安になっちゃうんですね
森川医師:
「とりあえずお薬が欲しい」と言うか、文化として「お薬を飲んだら安心だ」という文化が
ひょっとしたらあるかもしれないです
医療機関側にも問題があると指摘する人もいる
薬剤師の男性が、匿名を条件に取材に応じてくれた
薬剤師:
通常、薬を処方する場合、医師が患者を診察して、処方箋を作成、薬剤師が調剤を行います
薬剤師が「問題がある」と感じれば、処方の見直しを求めます
しかしこうした見直しを拒む医師がいる
医師が
「私が全部治療してやってるんだから、薬剤師はその通りに動くべきだ そのまま出しといて」
なんて日常茶飯時ありますよ
医師に見直しを求めることをやめてしまう薬剤師もいる
薬剤師:医者が全部責任を持っているし、言う通りにやればお金がたくさん入ってくる
給与がたくさん入ってくる だったら黙っていればいいじゃないかという
精神構造、意識構造がすごくあると思います
新田:
私も実の母の時に、薬剤師さんが目の前で
「この薬は、前はこうだったんだけど、新しいお薬になぜ変わったんですか?」
て聞いてくださったりとか、すごく親切に問い合わせをしてくれて
母にとって一番良い方法を考えてやってくれていた
リ:患者さんの気持ちとして、薬をいっぱい欲しいという気持ちも分からないでもない
新田:
義理の母がそうだったんです
見直して、減らしたら、やっぱり不安になっちゃって
「減っちゃった・・・」て心細かったみたい
Q:医師の側からすると、患者さんの声っていうのは影響されますか?
森川医師:
やはり、患者さんに寄り添うというのが、医師の基本的な姿なので
患者さんが薬を欲しがっているのかな、と思うと
医師は「薬の出し方」は勉強しているんですけれども
「どうやって薬をやめるか」ということは、実はあまり医学的にも研究されてなくて知らないんですね
それでどんどん積み重なる、という問題もあると思います
医師と薬剤師の関係性
Q:意思疎通がうまくいってない状況についてはどう思いますか?
森川医師:
これは双方の問題があると思います
職場が別ですので、顔が見えていない
電話がかかってきても、この薬剤師の事を聞いて大丈夫なんだろうか?とか
信頼関係ができていれば、今のような話にはならない
新田:お医者さんも忙しいから
森川医師:
医者も忙しいからこそ薬剤師をうまく使う
こうした状況を改善しようということで、国は5月に「医療者向け指針」を発表しています
薬飲みすぎのリスクチェックする取り組み
薬の飲み過ぎによって起きる問題を解消するために
医師や薬剤師などは、積極的に患者に働きかけることを求めている
それをいち早く行っている現場を取材した
東京 品川区 管理薬剤師 大木さん
在宅医療の患者に薬を届ける際、その処方が適切かをチェックするようにしています
取材3:週に一度訪ねている90代の男性
大木さんが自宅を訪問すると、痛み止めの薬を残していた
男性:ほとんど飲んでないね 痛くないから
大木さん:医師からOKが出ればいらないってことですね
大木さんは、男性のかかりつけ医と相談し、処方を中止することにした
この日は、4種類の市販の胃腸薬を発見
最近男性が胃腸に違和感を感じて購入 しばしば服用している
大木さん:
ほとんど同じ系統のもの 全部いっぺんに、同じ時期に飲むと、重なって良くない
市販の薬をどうしていくか、調剤の先生の処方をどうしていくか
ちょっと相談しながらやっていきましょうね
処方箋に基づいたお薬の相談だけではなく、
一般のお薬、あるいは生活のことを相談して頂けるのが一番だと思います
総合病院 栃木医療センターの取り組み 医師や薬剤師のチームで薬の処方見直し
医者、薬剤師、看護師らがチームを組み、入院患者の薬の処方を見直す取り組みを3年前から行なっている
地域の中核医療を担う、この病院
周辺の診療所などで、重篤な患者が出た場合の受け入れ先となっている
そうした患者が5種類以上の薬を服用していた場合、
医師や薬剤師などが連携して、薬の処方を検討
時には診療所などにも、処方の変更を求めます
取材5:尿が出にくくなり、入院することとなった男性
入院前まで10種類の薬を服用していた
薬剤師が、本人や家族に、薬の種類、健康状態などを確認します
男性は、しばしば「めまい」に悩まされていると訴えていました
薬の影響を疑って、薬剤師は医師に伝えます
「逆にフラついちゃうようなリスクを上げる薬剤が入っているかなと思うんですね」
医師が患者を診断 医師は男性が服用している薬に注目しました
男性は、血圧が低いにも関わらず「血圧を下げる可能性のある薬」を3種類服用していた
医師:
血圧が95の52 低いですね
この状況で、血圧の薬を1つと、血圧が下がる可能性のある「利尿剤」を2つ飲んでいる
そうすると、血圧が下がるので、めまいが出たり、立ちくらみが出たりする可能性はあります
男性は薬を7種類減らして様子を見ることにした
病院ではこれまで、146人の薬を見直し、平均およそ5種類の薬を減らしてきた
この取り組みは、地域の医師たちの意識も変えた
医師の意識に変化
診療所の医師 関口さん:
最初は処方の変更を告げられて戸惑った
やっぱりちょっと感情がかき乱される
自分の治療が否定された感覚は持ちますね
しかし、取り組みを行う病院からの丁寧な説明や、患者たちの様子を見て、考えを改めた
最初の頃、入院から帰ってきた患者さんが元気になったものですから、非常に衝撃でしたね
薬が本当に良い形になっているのかは、常に振り返らなきゃいけないんだなって勉強させられてます
矢吹医師:
個人で一人一人に対応しているだけでは、なかなか目が行き届きにくい部分がある
いろんな職種が入って、それぞれの視点で診ていただくことが
チームとして非常に良さを出していくんじゃないかなと思います
Q:こういう取り組みというのは、どれだけ広がっているんですか?
森川医師:
残念ながらあまり広がっていません 広がりつつあるという状況でしょうか
ただ、関係の学会もできました 医療制度も後押ししています
今後変わっていくと期待しています
Q:医師としては「否定された感情」というのは分かりますか?
森川医師:最初の一歩を踏み出すのが難しいところなんですね
視聴者からのご意見:
欧米は薬を飲まない傾向がどんどん進んでいる
薬を出さなければ、医療費もぐんと下がるのに
Q:「医療費」の関係を見ると、やっぱり薬を減らした方がいいんでしょうね?
森川医師:
そうですね お薬は実はかなり捨てられていると言われています
「残薬」(飲み残し)は、年間500億円ぐらいになるという試算もあります
常用薬、朝・昼・晩の昼の薬を全部飲んでいないとか
新田:
自分では飲んだつもりでいても、ベットから起き上がると
必ず2、3個落ちていたりとかして
森川医師:
そういった明らかな無駄というものもありますし
医療費、入院したりとか、治療に費やされるお金も、バカにならない額なんですね
そういった面でも減らすことが大事だと思うんですけれども
Q:患者の私たちができることって何かありますか?
薬との付き合い方
森川医師:
なんでもかんでも薬が必要なのかと言うことを考えていただきたいと思います
その前に飲まれている薬もありますから
いくつものお薬、あるいはいくつもの病気ということなので気をつけないといけない
例えば、高い薬からやめるとかというのもおかしな話ですし
やはり大事なお薬というのがある それを考えて、最小限に
こういう話を聞いたからといって、自己判断で薬を中断するのは
病気の重大な悪化、命に関わることがありますので
必ずかかりつけの医師か薬剤師に相談していただきたいと思います
リ:続けるか、やめるかは、ちゃんとコミュニケーションを取らないといけないということですね
視聴者のご意見:私は、どこから処方箋をもらっても、同じ薬局に持って行きます
Q:「かかりつけ薬局」があるというのも 相談しやすいということですか?
森川医師:
そうですね できたら「かかりつけ薬剤師」
いつも同じ方に相談したほうが本当はいいですね
そういう制度もあります 「かかりつけ薬剤師」はちょっとお金はかかるんですが
***
この間、この「かかりつけ薬剤師」の話をした 別途料金が発生するのか?
それを介護保険でまかなえるのかも
薬局によって、この特別資格を持つ「かかりつけ薬剤師」がいるところといないところがあるそう
“原因不明のふらつき、食欲低下、物忘れ…実は薬の“飲み過ぎ”が引き起こしているかもしれない!
処方される薬の数が増えることで副作用などが起きやすくなる「ポリファーマシー」という問題。
複数の医療機関にかかる人が知らぬ間に飲み合わせの悪い薬を飲んでいる可能性も。
「たくさん薬を飲んでいるけど大丈夫?」「どうしたらいいの?」
疑問に答えながら身近な薬に潜む知られざるリスクと正しい付き合い方をネタドリ!”
【キャスター】岡田結実,松田利仁亜
【ゲスト】新田恵利,東京大学大学院 教授…秋下雅弘
予録のまとめ見シリーズ
まさに私の両親に見せてあげたい
カゴの中にどっさり入れたクスリ、クスリ、クスリ、、、
自分では「管理出来ている」と言っても、飲み忘れ、気づかない重複があるはず
私の通いつけの薬剤師さんいわく、資格を持った薬剤師のいる薬局なら
自宅まで行って、クスリを仕分けしてくれると聞いて、そこまでしてくれるのかとビックリした
ケアマネさんからそうした薬剤師さんにつなげることも出来るそう
私自身、時々、薬箱を開けたり、部屋を整理していて、「コレ、何の薬だっけ?」というものが出てくるから
薬剤師さんに見せると、記録を調べてくれたり、「おくすり手帳」を見たり、これまでの経緯から
「これはもう要らないので、こちらで処分します」と教えてくれる
中には強い導眠剤的なものもあって、いつもらったのか、私も覚えていないが
「今は必要ないし、もうかなり古いですし、強い薬なので処分しましょう」と言われて気づく
基本は「おくすり手帳」を1冊に絞ること
それだと、どの薬局に行っても薬剤師さんが見ればすぐに判断がつく 重複も分かる
薬剤師さん「中には重複して余計に体調が悪くなる組み合わせもあるので注意してください」とのこと
クスリで儲けている悪質な病院もあるだろうし
もろもろ気になって見てみたら、ほぼ私の父と同じで驚いた
それで今回のめまいで入院したのではないか???
看護婦長をしていた叔母も
「薬に頼り過ぎ 全部やめれば、病気も全部治るんじゃない?」と言っていたそうだし
【内容抜粋メモ】
元「あさイチ」リポーターのリニアさんが司会してるのか
私たちが病気や怪我をした時、治療の助けとなる薬
でも、薬の飲み過ぎによって、思わぬ健康被害に見舞われている人が多い
薬飲み過ぎのリスク
薬の飲み合わせによっては、「ふらつき」「転倒」、命に関わるケースも
薬が多ければ多いほど 副作用のリスクが増えます 有害事象も起きることがある
・65歳以上の方
・医療機関に行った後、薬局で受け取る薬の数が一度に6種類以上もらうという人は1/4以上いる
多くの薬を飲むことによって、知らない間に悪化する可能性もある
ある研究によると、6種類以上の人は、特に要注意だと言われている
「めまい」を訴える 毎日20種類の薬を飲むという男性を取材
都内の病院に入院する80代の男性
知らぬ間に薬の副作用で、自宅で意識障害を起こして搬送されました
山登りが趣味で、これまで大きな病気もなかった男性
しかし「血圧」や「コレステロール値」が高く、「腰痛」などがあったことから
16種類の薬を服用していました
(この時点で不自然だと思わないのがフシギ
男性の妻:薬を飲むのが好きなんですよ
男性:薬を飲むのが好きw
大腸の内視鏡検査の直後、男性は検査前に「下剤」を服用+さらに、大量の水を飲みました
すると、意識が急に朦朧とし始めた
自宅に戻った後、容態がさらに悪化して救急搬送された
男性の妻:私も一生懸命支えたけど、トイレに行くって言っても立てないの
男性:その時、私は全然記憶がないんですよ なんで病院にいるのかさっぱり分からなかった
複数の薬が作用しあい「意識障害」を起こした
東京城東病院 総合内科 森川医師:
複数の薬が作用しあって「意識障害」を引き起こしたと診断しました
男性は、「内科」と「整形外科」の医療機関にかかっていました
内科からは「血圧を下げる薬」、整形外科からは「痛み止め」「漢方薬」を処方されていました
この3つには、血液中の「ナトリウム濃度を下げる作用」があります
そのため、下剤と、大量の水によって、さらにナトリウムの濃度は下がり
「低ナトリウム血症」を引き起こした
相乗作用で、ナトリウムの値がもともと低い状態だったと予想されます
大量の水と、下剤を飲まれたことで、さらにナトリウムの値が低くなり
今回、意識の状態が悪くなったと予想されます
Q:薬のせいと聞いてどう思いました?
男性:
えっ?と思ったんだけど
医者が診察して、自信を持って処方してくれる薬だから、患者としては一切疑わない
男性患者のように、複数の医療機関を利用した場合、
「飲み合わせによる副作用のリスク」が高まると言われています
森川医師:
いろんな専門科にかかっていて、いろんなところから薬が出ているケースがあって
その場合は、誰がどの薬を出しているのかを、トータルにマネージメントできる方がいなくなってしまうので
相互作用を注意する機構がなくなってしまうので危険
複数の薬を飲むことが必ずしも危険というわけではないですが
やはり薬には副作用ですとか、薬同士は影響し合う相互作用があるので
多く飲むほどそのリスクが高まるということです
ゲスト:
高齢者の薬の飲み合わせに詳しい 東京大学大学院教授 秋下さん
新田恵利さん(89歳の実母を自宅で介護+義母の介護)
新田:
義母は10種類の薬を服用していて、ちょっと薬が多いんじゃないかと思って減らして
今は自分の意思で「薬は一切飲まない」となったんですけれども
義母は、やはり複数の医療機関にかかって、たくさんの薬を飲んでいて
目薬を入れても10種類あるから心配です
薬の数と副作用の頻度との関係
森川医師:
特に6種類以上が目安になると思います
3種類でも問題が起きる人がいますし、逆に10種類でも
必要があって飲んでいて、問題が起きない人もいます
必ずしも数だけではないということです
Q:年齢と関係はありますか? 若い方は?
森川医師:
若い人でも起きます でも高齢者ほどではないです
若い人でもたくさんお薬を飲まれている方とか
例えば「腎臓が悪い」とか、そういう方はちょっと気をつけましょうということで
Q:薬によって 危険度が変わるんですか?
森川医師:そういうこともあります
よくある副作用
森川医師:
ここにあるのは、一般的なお薬ですよね
年齢関係なく飲まれる方が多い
それが高齢者では、こういったお薬でも問題が起きやすい
特に気をつけていただきたいのは、病気がいくつもあって、複数のお薬を飲むということになると
例えば、「睡眠薬」でフラついて、「血圧」のお薬で血圧が下がりすぎると
フラッとして転んでしまうというような「相互作用」が結構あります
視聴者の質問:「おくすり手帳」で防げないのか?
森川医師:
正しく使うと非常に有用なツール
1つの手帳に全ての薬局、医療機関で処方されたお薬が載っているというのが本来の姿なんですが
それぞれ薬局で、別の手帳をもらっちゃうと、何冊にもなってしまう
手帳を持って行かない人もいますので
持っていかないと、新しい「おくすり手帳」が出ちゃうんですよね
新田:最近は「おくすり手帳」を忘れると、お金を取られちゃったりするので、主婦としては忘れないですよ
●患者が薬に頼りすぎている文化
リ:
防げない要因が他にもあるということが見えてきました
薬の飲みすぎのリスクの背景の一つに、患者が薬に頼りすぎていることがあると言われています
取材2:14種類の薬を飲んでいて、体の不調を訴えている70代の女性
女性:
ご飯を食べた後、すぐ下痢になっちゃう それまでなかった症状
以前は胃の調子も良くて、風邪をひいても下痢しないぐらいだったのに
医師から薬を減らすことを提案されたが、なかなか受け入れられない
女性:
減らせるものなら減らしたいと思っているんですけれども
減らしても不安になっちゃうんですね
森川医師:
「とりあえずお薬が欲しい」と言うか、文化として「お薬を飲んだら安心だ」という文化が
ひょっとしたらあるかもしれないです
医療機関側にも問題があると指摘する人もいる
薬剤師の男性が、匿名を条件に取材に応じてくれた
薬剤師:
通常、薬を処方する場合、医師が患者を診察して、処方箋を作成、薬剤師が調剤を行います
薬剤師が「問題がある」と感じれば、処方の見直しを求めます
しかしこうした見直しを拒む医師がいる
医師が
「私が全部治療してやってるんだから、薬剤師はその通りに動くべきだ そのまま出しといて」
なんて日常茶飯時ありますよ
医師に見直しを求めることをやめてしまう薬剤師もいる
薬剤師:医者が全部責任を持っているし、言う通りにやればお金がたくさん入ってくる
給与がたくさん入ってくる だったら黙っていればいいじゃないかという
精神構造、意識構造がすごくあると思います
新田:
私も実の母の時に、薬剤師さんが目の前で
「この薬は、前はこうだったんだけど、新しいお薬になぜ変わったんですか?」
て聞いてくださったりとか、すごく親切に問い合わせをしてくれて
母にとって一番良い方法を考えてやってくれていた
リ:患者さんの気持ちとして、薬をいっぱい欲しいという気持ちも分からないでもない
新田:
義理の母がそうだったんです
見直して、減らしたら、やっぱり不安になっちゃって
「減っちゃった・・・」て心細かったみたい
Q:医師の側からすると、患者さんの声っていうのは影響されますか?
森川医師:
やはり、患者さんに寄り添うというのが、医師の基本的な姿なので
患者さんが薬を欲しがっているのかな、と思うと
医師は「薬の出し方」は勉強しているんですけれども
「どうやって薬をやめるか」ということは、実はあまり医学的にも研究されてなくて知らないんですね
それでどんどん積み重なる、という問題もあると思います
医師と薬剤師の関係性
Q:意思疎通がうまくいってない状況についてはどう思いますか?
森川医師:
これは双方の問題があると思います
職場が別ですので、顔が見えていない
電話がかかってきても、この薬剤師の事を聞いて大丈夫なんだろうか?とか
信頼関係ができていれば、今のような話にはならない
新田:お医者さんも忙しいから
森川医師:
医者も忙しいからこそ薬剤師をうまく使う
こうした状況を改善しようということで、国は5月に「医療者向け指針」を発表しています
薬飲みすぎのリスクチェックする取り組み
薬の飲み過ぎによって起きる問題を解消するために
医師や薬剤師などは、積極的に患者に働きかけることを求めている
それをいち早く行っている現場を取材した
東京 品川区 管理薬剤師 大木さん
在宅医療の患者に薬を届ける際、その処方が適切かをチェックするようにしています
取材3:週に一度訪ねている90代の男性
大木さんが自宅を訪問すると、痛み止めの薬を残していた
男性:ほとんど飲んでないね 痛くないから
大木さん:医師からOKが出ればいらないってことですね
大木さんは、男性のかかりつけ医と相談し、処方を中止することにした
この日は、4種類の市販の胃腸薬を発見
最近男性が胃腸に違和感を感じて購入 しばしば服用している
大木さん:
ほとんど同じ系統のもの 全部いっぺんに、同じ時期に飲むと、重なって良くない
市販の薬をどうしていくか、調剤の先生の処方をどうしていくか
ちょっと相談しながらやっていきましょうね
処方箋に基づいたお薬の相談だけではなく、
一般のお薬、あるいは生活のことを相談して頂けるのが一番だと思います
総合病院 栃木医療センターの取り組み 医師や薬剤師のチームで薬の処方見直し
医者、薬剤師、看護師らがチームを組み、入院患者の薬の処方を見直す取り組みを3年前から行なっている
地域の中核医療を担う、この病院
周辺の診療所などで、重篤な患者が出た場合の受け入れ先となっている
そうした患者が5種類以上の薬を服用していた場合、
医師や薬剤師などが連携して、薬の処方を検討
時には診療所などにも、処方の変更を求めます
取材5:尿が出にくくなり、入院することとなった男性
入院前まで10種類の薬を服用していた
薬剤師が、本人や家族に、薬の種類、健康状態などを確認します
男性は、しばしば「めまい」に悩まされていると訴えていました
薬の影響を疑って、薬剤師は医師に伝えます
「逆にフラついちゃうようなリスクを上げる薬剤が入っているかなと思うんですね」
医師が患者を診断 医師は男性が服用している薬に注目しました
男性は、血圧が低いにも関わらず「血圧を下げる可能性のある薬」を3種類服用していた
医師:
血圧が95の52 低いですね
この状況で、血圧の薬を1つと、血圧が下がる可能性のある「利尿剤」を2つ飲んでいる
そうすると、血圧が下がるので、めまいが出たり、立ちくらみが出たりする可能性はあります
男性は薬を7種類減らして様子を見ることにした
病院ではこれまで、146人の薬を見直し、平均およそ5種類の薬を減らしてきた
この取り組みは、地域の医師たちの意識も変えた
医師の意識に変化
診療所の医師 関口さん:
最初は処方の変更を告げられて戸惑った
やっぱりちょっと感情がかき乱される
自分の治療が否定された感覚は持ちますね
しかし、取り組みを行う病院からの丁寧な説明や、患者たちの様子を見て、考えを改めた
最初の頃、入院から帰ってきた患者さんが元気になったものですから、非常に衝撃でしたね
薬が本当に良い形になっているのかは、常に振り返らなきゃいけないんだなって勉強させられてます
矢吹医師:
個人で一人一人に対応しているだけでは、なかなか目が行き届きにくい部分がある
いろんな職種が入って、それぞれの視点で診ていただくことが
チームとして非常に良さを出していくんじゃないかなと思います
Q:こういう取り組みというのは、どれだけ広がっているんですか?
森川医師:
残念ながらあまり広がっていません 広がりつつあるという状況でしょうか
ただ、関係の学会もできました 医療制度も後押ししています
今後変わっていくと期待しています
Q:医師としては「否定された感情」というのは分かりますか?
森川医師:最初の一歩を踏み出すのが難しいところなんですね
視聴者からのご意見:
欧米は薬を飲まない傾向がどんどん進んでいる
薬を出さなければ、医療費もぐんと下がるのに
Q:「医療費」の関係を見ると、やっぱり薬を減らした方がいいんでしょうね?
森川医師:
そうですね お薬は実はかなり捨てられていると言われています
「残薬」(飲み残し)は、年間500億円ぐらいになるという試算もあります
常用薬、朝・昼・晩の昼の薬を全部飲んでいないとか
新田:
自分では飲んだつもりでいても、ベットから起き上がると
必ず2、3個落ちていたりとかして
森川医師:
そういった明らかな無駄というものもありますし
医療費、入院したりとか、治療に費やされるお金も、バカにならない額なんですね
そういった面でも減らすことが大事だと思うんですけれども
Q:患者の私たちができることって何かありますか?
薬との付き合い方
森川医師:
なんでもかんでも薬が必要なのかと言うことを考えていただきたいと思います
その前に飲まれている薬もありますから
いくつものお薬、あるいはいくつもの病気ということなので気をつけないといけない
例えば、高い薬からやめるとかというのもおかしな話ですし
やはり大事なお薬というのがある それを考えて、最小限に
こういう話を聞いたからといって、自己判断で薬を中断するのは
病気の重大な悪化、命に関わることがありますので
必ずかかりつけの医師か薬剤師に相談していただきたいと思います
リ:続けるか、やめるかは、ちゃんとコミュニケーションを取らないといけないということですね
視聴者のご意見:私は、どこから処方箋をもらっても、同じ薬局に持って行きます
Q:「かかりつけ薬局」があるというのも 相談しやすいということですか?
森川医師:
そうですね できたら「かかりつけ薬剤師」
いつも同じ方に相談したほうが本当はいいですね
そういう制度もあります 「かかりつけ薬剤師」はちょっとお金はかかるんですが
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この間、この「かかりつけ薬剤師」の話をした 別途料金が発生するのか?
それを介護保険でまかなえるのかも
薬局によって、この特別資格を持つ「かかりつけ薬剤師」がいるところといないところがあるそう