【内容抜粋メモ】
●見た目に分かりづらい障害
●駅のホームドアやポスターなどにもあるが認知度が低い
<町の人の声>
「何ですかね 見たことはあるけど」
「なんか教会のやつみたい」
「(知っていると答えた女性)見た感じ、助けが必要だなと思えば、声をかけるようにしている」
●ヘルプマークを知らなかった体験を分かりやすくマンガに描いた
イラストレーター 川戸さん:
6月の早朝、電車に座っていたら、前に立っていた男性が異様に汗をかいていた
カバンに見たことのないカードを提げていた
汗かきすぎでは? そんなに暑いかな、と思っていたら突然倒れてしまった
みんな固まって「これヤバい」となった
もしヘルプマークを知っていれば、おじさんに席を譲っていた
ずっと立たせて、倒れられて、そのまま亡くなっていたら、
ずっと一生後悔しただろうなと思う
●誰でも無料でもらえる
医師の診断書不要
特定の病気がなくても、「疲れ」や「痛み」などの一時的な体調不良でも使用可能
自分の疲れや痛みは、客観的に数値化することができない
判定基準があまりないために、障害者手帳がもらえないという人がいるということで
誰でも無料でもらえるこの「ヘルプマーク」は、
風邪で具合が悪いなど一時的な体調不良の場合でも、誰でももらうができる
使い方がいろいろあり、どんな使い方をしているのかを紹介
●症状の中に“聞こえ過ぎる”というものがある「自閉症スペクトラム」
大学生 素子さん(20)は、授業中でも常にイヤホンをつけている 「聴覚過敏」
素子さんが使っているのは「ノイズキャンセル機能付きイヤホン」
素子さん:
教室が小さいこともあって、空調の音で、先生の声が混ざってしまって
何て言っているのか分からない
すごく集中して口元を見なきゃいけないので、すごく疲れてしまう
その他、ペンで書く音、靴の音、ページをめくる音
●音楽を聴いていると誤解されかねない
素子さん:
「何で使ってるの?」という、敵意のある批判的な聞かれ方をすると、やっぱりこっちも怖い
こうしてヘルプマークを机に置いておくと、何かあるんだなと思ってもらえると有り難い
素子さん:
最初に大学の窓口に行った時も「イヤホンを外しなさい」と言われた
ノイズキャンセラーと一緒に「これ支援機器です」と言うと、
「あ、ごめん」と言われたけれども
その時は、本当に緊張して、パニックを起こしたので
「すみません、これないと死んじゃいます」みたいな感じで言っていました
素子さん:
情報が入ってくることが辛くなるので、家に帰ると、
真っ暗な部屋で、目を閉じてしばらく休まなければならない
光も音も全部カットがいいです
中学の時に「自閉スペクトラム症」と診断された
さまざまな音が辛いという
(世の中に「雑音」が増えているってことだよな
店のCMの大音量の垂れ流し
室内でも電化製品などのモーター音がするし
みんな耳が騒音に慣れてしまって、麻痺している状態
素子さんの母:
「聞こえません」「見えません」に比べて「聞こえすぎます」って分かってもらいにくい
何に困っているかを言葉を尽くして丁寧に説明しなければ伝わらない
イヤホンをしていることを理解してほしい
(パニック障害も同じだな
いくら説明しても、パニック発作、予期不安など
実際に経験してみないと、具体的な辛さはどうにも伝わらない
これも「想像力」「共感力」が必要
●ヘルプマークを持つもうひとつの理由 もしもの時、周囲に助けを求めるため
素子さん:
よくノイズキャンセラーの充電を切らしていたことがあった
そうするとフラフラになってしまうので、いざという時に怖いなというのがあった
ヘルプマークを持っているからといって、ずっとヘルプが必要というわけではない
もし助けていただけるという時には、ヘルプが必要かどうか聞いてくれると嬉しい
<視聴者の意見>
40代:
子どもが「発達障害」でヘルプマークを表示していますが
あまり持っている意味がない感じがします
まずは皆が知ることが必要だと思います
40代:
私は3年前に「乳がん」になり、抗がん剤治療中の副作用で手先のしびれがあり
小銭やお札などがうまくお財布から取れずに、レジで不快な思いをしたことがありました
このヘルプマークがあったら、みんなの認知度があったら、もっと救われたのにと思います
●ヘルプマークを持っている人を見かけたら、私たちはどうすればいいのか?
専門家 榛名さん:
ヘルプマークというのは、外見からわかりにくい、健康状態の困りごとだとか
誤解されやすいことを「見える化」していこうということなので
基本は、お年寄りとか、杖をついてる人とか、妊婦さんとか、外見でわかる人と同じで
ヘルプマークを出していて、明らかに体調が悪そうだとか、何か困ってることがあったりとかした場合は
「大丈夫ですか」「助けが必要ですか?」と声をかけたり
優先席の前にヘルプマークを持っている人が立っていたりしたら
「席を譲りましょうか?」とか尋ねてみる
大丈夫な場合もあるので、大切なのは尋ねてみること
●見えない辛さは「想像力」が必要
例:
新幹線内で通路に足を出している男性 実は「関節リウマチ」
長い時間、座り続けていると足が痛むので、痛みに耐えるために足を伸ばしている
「線維筋痛症」
真夏の暑い時にPTAの集まりがあり、これから作業するぞという時に長袖・手袋をしている
日焼けしたくない人だと思うかもしれないが「線維筋痛症」
脳の機能障害とされるもののひとつで、ちょっとした刺激でも体中に痛みが走る
ドアを開ける、ペットボトルの蓋を開ける刺激だけでも痛くなる
●見えない障害の当事者 菊池さん 「片耳難聴」(幼少期から右耳の聴覚がない)
Q:普段どんなことに困っていますか?
菊池:
右側から話しかけられると、その声に気づけなくて
人から「無視してる」と誤解されることがある
私も申し訳ないという罪悪感でいっぱいになるし、人からの好感度がどんどん下がる
社会人なので、上座・下座みたいなのがあるじゃないですか
私の勤めている会社は、結構そういうのに寛容なので助かってるんですけれども
クライアントも含めた打ち合わせの場ですと、好きな席には座れないので
クライアントの方が右側だと困ってしまいます
大吉:見た感じだと全然わからないですね
●命を救う「ヘルプカード」
ヘルプマークは、必要な時だけかけているという方がいらっしゃる中で
常にずっとつけているという方もいる そこには命に関わる事情がありました
福島市 放課後等デイサービス指導員 我妻さん(47)は
外出する時には必ず「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」をつけている
吾妻さんが働いているのは福祉施設
放課後になるとやってくる子どもたちの生活指導をしている
「きっかけは、1年前の脳出血」
仕事を終えて、家に帰る途中に脳出血を起こした
吾妻さん:
「救急車呼ぶからね」と言われて、呼ばれたところまでは覚えている
救急搬送されて、聞くところによると10日間くらい意識不明だった
吾妻さんは今も治療のために病院に通っている
脳出血の原因は高血圧
検査の結果、腎臓の機能が著しく低下する「腎硬化症」も患っていることが分かった
そのため週2回の「人工透析」が欠かせない
吾妻さん:
体重が1年で30kg以上減りました
去年の今頃と体型も何もかも全部変わって、動いているとちょっと違和感がある
吾妻さんは、まだ血圧が高く、いつ倒れるか分かりません
もしもの時に備えて「ヘルプマーク」とセットで必ず持っているのが「ヘルプカード」
「ヘルプカード」
緊急連絡先や病状を記入できる
人工透析や人工呼吸器が必要だということを伝えることができるようになっている
吾妻さん:
救急車に乗った時に、左腕に血圧計を巻かれてしまうとそれだけでアウトなんです
人工透析のために、左腕の動脈と静脈をつないでいるため
血圧計などで締め付けると、血流が止まってしまい、最悪、命を失う危険性があります
ヘルプカードがなかったら完全に駄目なので、意識がない時に「人工透析が必要」と書いてあれば
その情報もわかるだろうし、突然その辺で倒れる可能性があるので 何度か経験しているので
ヘルプカードがあったら安心
●ヘルプマークは、意識を失って倒れた時に、ヘルプカードを見てもらうためのサインになっている
実際にSNSでも、「ヘルプカードがあったために助かった」という例があります
ある主婦の方が、エスカレーターに乗っていた時に、前の女性が急に倒れこんできた
介抱してあげている時に、駅員さんがAEDを持ってきた
その時、その主婦の方は、女性のカバンにヘルプマークを見つけた
カバンの中にはヘルプカードがあって「発作で意識を失うことがあります」と書かれていたので
AEDを使うことなく、安静にして、その後、救急車を呼ぶことができた
東京都医師 30代:
先ほどVTRで「AEDを使わなくて良かった」と言っていましたが
意識のない人に使用するのをためらってはいけません
心臓の除細動が不要であれば作動しないので
ただの「意識消失発作」と決めつけないでください
アナ:
ヘルプマークを持っている人は、裏に書いてあるか
もしくは、カバンの中にヘルプカードを持っていると思ってください
緊急時に、探して対処してほしいということでした
●菊池さんは学生の時に、オリジナルのマークがついたアイテムを考案した
菊池さん:
ヘルプマークとはまた別のものなんですけれども「PLEASE TAG」という名前
上の欄に、どう困っていて、どうしてほしいかっていうお願いを書きます
下には、その困りごとがひと目で分かるようなマークをつけて使います
大丈夫だよという時には、折りたたんでメッセージを隠すことができます
磁石でくっつきます
裏には「SOSメモ」と言って、先ほどのヘルプカードのような役割で
緊急時の連絡先とか、対応とかが書けるようなメモが入れられます
Q:実際に配ったりはされてるんですか?
菊池さん:
美術大学に通っていたので、卒業制作で作ったんですけれども、
数が限られていて、売ったりとかはしていないです
広がっていくといいですね
口で弱みを言うのは結構、勇気がいるんですね
その場の空気がちょっと一瞬固まってしまったりするのが怖いので
これなら、見て知ってもらえるのでいいかなと思って
アナ:「あなた、席を譲ってください」みたいに電車とかで急に言えないことですよね
専門家:
辛さによって、相手によって分かってもらえないかもしれないし
「わがままだ」と思われるかもしれないので、限界まで頑張ってしまって
「もっと早く言ってくれればよかったのに」みたいになってしまう
特に電車の中のような公共の場だと、お互い様の気持ちなので
こういうツールなどで、こういうことで困っていて、理解や助けが欲しいと
有用なことを具体的に発信して、周囲の中で分かってくれる人の反応を待つというのもありかなと思う
ゲスト:
被災地の避難所とかって、みんな自分のことで一生懸命じゃないですか
大変な状況の時に、人の気持ちってなかなか察することができない
そういう時にちゃんとあったほうがいいなと思います
●災害時のSOSにもなるヘルプマーク
今みたいな時こそ、このようなヘルプマーク&ヘルプカードが災害時に役に立つと言われています
2年前 震度7の地震に襲われた熊本県
当時の話を聞いたのは、発達障害の当事者グループです
高機能自閉症・アスペルガー当事者会「シェアハート」
ここは避難場所にもなった高校の体育館があったところで、現在建て替えが行われています
当時、ここに避難したメンバーは、周囲が想像しにくい発達障害ならではの苦労がありました
代表・井上さん:
避難所に入れないとか、発達障害の特性上、長い列に並んで食べ物をもらうことができないとか
メンバーの一人、宮田さんは「聴覚過敏」があります
ストレスがかかると、音を不快に感じる度合いが酷くなりパニック状態になってしまいます
地震の後、家族と一緒に避難所に行った時、そこには100人ほどの人がいて
宮田さんにとって耐え難い音が響いていました
宮田さん:
とにかく音を遮断したくてしょうがないみたいな感じですね
お願いだから誰も何も話さないで、音を発しないでみたいな
暗くて静かなところにいれば、しばらくしたら治るけれども
そういった場所を探すこともできないし、仕事もできないし
多くの人が被災し、混乱している中で、自分が困っていることを伝えることができなかった
わがままに聞こえると思って どうしても言えないというのがありました
「辛いよ」って言っても「みんな辛いんだよ」と言われたらそれでおしまいだなと思って
言えなかったですね
●震災当時、熊本県にはまだヘルプカードが導入されていなかった
災害時、障害や持病のある人たちは困りごとが一気に増えます
しかし、周囲にそれらを理解してもらう手段がなかったのです
熊本地震から2ヶ月後
彼らが困る困っていることを知った東京のボランティア団体から「ヘルプカード」が送られてきました
井上さんたちメンバーは、ヘルプカードの存在は知っていましたが、実際に目にするのは初めてでした
裏面に書き込めるところがあると、初めて認識した
当事者:
やはりヘルプカードはすごく必要だし、お守り的なものになる
気持ちの安定にも繋がるでしょう
私だったらパニックを起こしてる時に、誰か静かな場所を教えてくださいって感じですかね
裏に書いておけば、誰か教えてくれるかな
熊本県では、去年の8月にプラスチック製ヘルプカードが導入され、
後ろには「私が手伝ってほしいこと」ていうことを書き込めるようになっています
ゲスト:全国でやればいいのにね
アナ:視聴者から1300を超える声が寄せられています
山口県40代:
発達障害のように、一見わからない場合は理解されづらいです
今回のような災害時、避難所などで、本人はもとより
親御さんが落ち着いて避難できるか心配です
そして緊急時に困ります
私は外見から分からない「聴覚障害者」です
一番困るのは、緊急時の車内放送です
放送が入ったのは分かるけれども、内容が分かりません
ヘルプカードを見せて聞いても、ほとんどが知らん顔です
専門家:
災害時には、今まで普通に暮らしてた人も、見えない障害が見えてくる
命に関わってくる状況が出てくるので、見えない障害がある人は
わがままというのではなくて、限界に達する前に、
もっと積極的に周囲の人に相談していただく勇気がいる
助けを求められた人も、簡単にできることであったら
自分で対応してもいいですけれども、できなければ
避難所にいる職員の方だとか保健師、看護師の方、誰かにつないでほしいですね
東京都40代:
小学6年生の娘は、見た目だけではわかりませんが「心臓病」があり、疲れやすい体質です
ヘルプマークをつけていて、電車で席を譲ってもらったことは一度しかありません
以前はヘルプマークをつけていましたが
「どうせ譲ってもらえないし、恥ずかしいからつけたくない」と言って困っています
菊池さん:
私はもう大人なので、ヘルプマークとかが自分にとって必要か必要じゃないかは判断できるけれども
まだ小学生だから、親御さんの思いをちゃんと聞いたほうがいいと思うんですよね
一度しか譲ってもらったことがない、ということですけれども
確率で低かっただけで、たぶんずっとつけてれば、確率もどんどん上がっていくと思うので
なるべくつけて欲しいなって思いますね
Q:菊池さんは、もし災害があったら、どんな支援があったらいいと思いますか?
菊池さん:
私が聞いた話で、過去の震災の経験を受けて、ボランティアの方とかが
「○○ができます」ということを掲げて活動していた
例えば「手話ができます」とか「英語が話せます」とか「力仕事ならできます」とか
何ができるかっていうのが分かると、当事者に限らず助かるかなと思います
アナ:
「支援したい」という気持ちがあっても、どうしたらいいのか、というのが私たち側にもありますよね
支援する側が意思を表明するというマークも出てきています
●支援する側から気持ちを伝える「サポートハートマーク」@愛知県東郷町の町役場
福祉課主査 都築さん:
「サポートハートマーク」と言います 福祉課の職員は全員このマークをつけています
サポートを必要とする方がたくさんいらっしゃいますので
そのような方に対して「支援をします」という意思を
分かりやすくお伝えするためにこのマークを身につけています
去年、福祉課が着け始めてから、現在は全ての課の職員が身につけています
このマークを身につけることで意識が変わったという人もいます
職員:
自分から率先して仕事上でもプライベートでも、
支援が必要な方がいればお声かけをできるように意識しています
明らかに目に見えなくても感じ取りながら対応しています
●このマークが生まれた理由
町内に住む大学生の酒井さん(19)は、3年前に「自閉スペクトラム症」と診断された
去年から発達障害など「見えにくい障害」について理解を広める活動を始めました
しかし支援する側の人たちから「気持ちの伝え方が分からない」という悩みを聞いた
そこで酒井さんは、支援したい人の気持ちが見えるようになればいいと考え
サポートハートマークを作った マークはホームページでダウンロードが誰でも可能
「サポートハートマーク ダウンロードページ」
酒井さん:
やっぱり見えない障害があるということは、見えない思い、優しさもあるって事なんですね
だから「見える優しさ」を作りました
さらに酒井さんは、マークの存在を広く知ってもらうためのキャラクターも考えました
酒井さん:絵の得意な友人がデザインしました
イラスト担当 中尾さん:
安心感を与えられるような感じをイメージして描いたキャラクターです
カバンなどに付けられるようにキーホルダーにして販売しています
こういうのを一個つけておくだけで、何かあった時に当事者の方も声をかけやすくなるし
サポートしてくれる人がいることで、当事者の精神的な不安も和らぐと思う
Q:これを見たら安心しますか?
酒井さん:
安心します 自分が作ったマークなのですごく嬉しいという気持ちもあるんですけれども
ゲスト:
これをつけて、いざとなった時に、何ができるか
私には何も資格がないし、緊急の処置もできない
そういう人間がつけてもいいんですか?
アナ:
いいんです 自分ができなくても誰かに助けを求めること、サポートができればいいんです
そういう意味も込められています
ヘルプマークと同じで、割とカジュアル ハードルもないし
もし自分に余裕がない場合は、このマークを外せばいい
「私、できますよ」っていう時だけ出せばいい
菊池さん:
やっぱり、見えない障害を持っていると、相手から見られている自分と
自分が思ってる自分とのギャップがすごいあるんです
その穴を埋めようと努力して、頑張りすぎてしまうというのがあるので
「理解しますよ」という気持ちが見えるだけで、
当事者としては嬉しいし、安心します 全然違うと思います
専門家:
障害者特化とか健常者とかではなくて、その間にもっと健康問題でいろんな問題を抱えている人たちが
たくさんいらっしゃるので、そこに目を向けて行こう、ということだと思うんです
そのためには、当事者本人からの発信も必要ですし、
周りのお互い様の気持ちも必要だということで
今、困りごとに合わせて、いろんな調整とかをやっていく
それぞれができることをやっていけば、当事者が格段に生きやすくなる
そういう考え方を「合理的配慮」って言うんですけれども
「合理的配慮」を一人一人の障害の特性や困りごとに合わせて
支援機器の活用や伝え方の工夫などを行うこと
華丸:
自動車の初心者マークみたいに、あえて隠すってこともあるじゃないんですか、日本人て
でも、つけたことによって、スムーズに運転できるとか、譲るということもあるから
やっぱり見えたほうがいいと思いますね
<視聴者の質問>
30代:
生理中だけ「貧血」が辛く、できればその時期だけ電車で座りたいなと思っています
その時にもヘルプマークをつけていいんでしょうか?
アナ:一時的な体調不良の時にも使っていいものなので、誰でもつけていいので、大丈夫です
Q:菊池さんが一番望んでいることは何ですか?
菊池さん:
その人の一面だけを見て「この人は元気だ」とか決めつけるんじゃなくて
もうちょっと裏側とか多面的にその人を見ること、思考、考えを持つこと
もしかしたら、この人は辛いかもしれないという「想像力」を持って接していただければと思いますね
視聴者のメール30代:
生まれた時から心臓が悪く、中学生の時に「ペースメーカー」を埋め込みました
高校生の時、車内で気分が悪くなり、近くに空いていた優先席に座ったところ
「最近の高校生は平気で優先席に座るんやね」と年配の方に言われました
当時高校生だった私には何も言えず席を譲りました
できるだけ多くの方に認知して頂けたら嬉しいです
(今の高齢者のほうが、若者よりずっと元気だと思うなあ
今でいうヘルシーフードで育って長寿な高齢者と、ジャンクフードで育って、過労&睡眠不足の若者たち
通勤電車などはとくに「社会的弱者」を叩く空気が強い「不寛容社会」
みんな自分のことで精一杯で他人を思いやる余裕がないんだ
<FAX>
アナ:弱みを晒すことになるのではないかという心配ですが
菊池:
人の弱みを見ただけで危害を加える人はやっぱりいるんですね
なので必要な時だけ出すということが大事かと思います
菊池:
「大丈夫」と言われることもあると思うんですけれども
ひと声かけて、それから自分がどういうアクションをするか決めるでもいいかと思います
専門家:
これはお互い様の気持ちと、善意で成り立っている話なので
マナーとして悪用は絶対やめてほしいですね
アナ:
これは両方つけても大丈夫です
「サポートマーク」を作った酒井君によると、自分が体調がいい時は
「サポートできます」ということで両方出しているので
近江:
「ヘルプマーク」をつけていてよかったという視聴者の意見もありました
私の娘は、重度の自閉症です
出かける時はヘルプマークをつけています
ある時、電車の席に男子中学生3人が座っていました
1人の男の子が娘のヘルプマークを見て、何かコソコソ話していました
するとすかさず席を立ち「どうぞ座ってください」と席を譲ってくれようとしたのです
ヘルプマークをつけて、他の誰かに助けていただいたことは、
これまで残念ながら一度もありませんでした
その時は涙が出るほど嬉しかったです
●見た目に分かりづらい障害
●駅のホームドアやポスターなどにもあるが認知度が低い
<町の人の声>
「何ですかね 見たことはあるけど」
「なんか教会のやつみたい」
「(知っていると答えた女性)見た感じ、助けが必要だなと思えば、声をかけるようにしている」
●ヘルプマークを知らなかった体験を分かりやすくマンガに描いた
イラストレーター 川戸さん:
6月の早朝、電車に座っていたら、前に立っていた男性が異様に汗をかいていた
カバンに見たことのないカードを提げていた
汗かきすぎでは? そんなに暑いかな、と思っていたら突然倒れてしまった
みんな固まって「これヤバい」となった
もしヘルプマークを知っていれば、おじさんに席を譲っていた
ずっと立たせて、倒れられて、そのまま亡くなっていたら、
ずっと一生後悔しただろうなと思う
●誰でも無料でもらえる
医師の診断書不要
特定の病気がなくても、「疲れ」や「痛み」などの一時的な体調不良でも使用可能
自分の疲れや痛みは、客観的に数値化することができない
判定基準があまりないために、障害者手帳がもらえないという人がいるということで
誰でも無料でもらえるこの「ヘルプマーク」は、
風邪で具合が悪いなど一時的な体調不良の場合でも、誰でももらうができる
使い方がいろいろあり、どんな使い方をしているのかを紹介
●症状の中に“聞こえ過ぎる”というものがある「自閉症スペクトラム」
大学生 素子さん(20)は、授業中でも常にイヤホンをつけている 「聴覚過敏」
素子さんが使っているのは「ノイズキャンセル機能付きイヤホン」
素子さん:
教室が小さいこともあって、空調の音で、先生の声が混ざってしまって
何て言っているのか分からない
すごく集中して口元を見なきゃいけないので、すごく疲れてしまう
その他、ペンで書く音、靴の音、ページをめくる音
●音楽を聴いていると誤解されかねない
素子さん:
「何で使ってるの?」という、敵意のある批判的な聞かれ方をすると、やっぱりこっちも怖い
こうしてヘルプマークを机に置いておくと、何かあるんだなと思ってもらえると有り難い
素子さん:
最初に大学の窓口に行った時も「イヤホンを外しなさい」と言われた
ノイズキャンセラーと一緒に「これ支援機器です」と言うと、
「あ、ごめん」と言われたけれども
その時は、本当に緊張して、パニックを起こしたので
「すみません、これないと死んじゃいます」みたいな感じで言っていました
素子さん:
情報が入ってくることが辛くなるので、家に帰ると、
真っ暗な部屋で、目を閉じてしばらく休まなければならない
光も音も全部カットがいいです
中学の時に「自閉スペクトラム症」と診断された
さまざまな音が辛いという
(世の中に「雑音」が増えているってことだよな
店のCMの大音量の垂れ流し
室内でも電化製品などのモーター音がするし
みんな耳が騒音に慣れてしまって、麻痺している状態
素子さんの母:
「聞こえません」「見えません」に比べて「聞こえすぎます」って分かってもらいにくい
何に困っているかを言葉を尽くして丁寧に説明しなければ伝わらない
イヤホンをしていることを理解してほしい
(パニック障害も同じだな
いくら説明しても、パニック発作、予期不安など
実際に経験してみないと、具体的な辛さはどうにも伝わらない
これも「想像力」「共感力」が必要
●ヘルプマークを持つもうひとつの理由 もしもの時、周囲に助けを求めるため
素子さん:
よくノイズキャンセラーの充電を切らしていたことがあった
そうするとフラフラになってしまうので、いざという時に怖いなというのがあった
ヘルプマークを持っているからといって、ずっとヘルプが必要というわけではない
もし助けていただけるという時には、ヘルプが必要かどうか聞いてくれると嬉しい
<視聴者の意見>
40代:
子どもが「発達障害」でヘルプマークを表示していますが
あまり持っている意味がない感じがします
まずは皆が知ることが必要だと思います
40代:
私は3年前に「乳がん」になり、抗がん剤治療中の副作用で手先のしびれがあり
小銭やお札などがうまくお財布から取れずに、レジで不快な思いをしたことがありました
このヘルプマークがあったら、みんなの認知度があったら、もっと救われたのにと思います
●ヘルプマークを持っている人を見かけたら、私たちはどうすればいいのか?
専門家 榛名さん:
ヘルプマークというのは、外見からわかりにくい、健康状態の困りごとだとか
誤解されやすいことを「見える化」していこうということなので
基本は、お年寄りとか、杖をついてる人とか、妊婦さんとか、外見でわかる人と同じで
ヘルプマークを出していて、明らかに体調が悪そうだとか、何か困ってることがあったりとかした場合は
「大丈夫ですか」「助けが必要ですか?」と声をかけたり
優先席の前にヘルプマークを持っている人が立っていたりしたら
「席を譲りましょうか?」とか尋ねてみる
大丈夫な場合もあるので、大切なのは尋ねてみること
●見えない辛さは「想像力」が必要
例:
新幹線内で通路に足を出している男性 実は「関節リウマチ」
長い時間、座り続けていると足が痛むので、痛みに耐えるために足を伸ばしている
「線維筋痛症」
真夏の暑い時にPTAの集まりがあり、これから作業するぞという時に長袖・手袋をしている
日焼けしたくない人だと思うかもしれないが「線維筋痛症」
脳の機能障害とされるもののひとつで、ちょっとした刺激でも体中に痛みが走る
ドアを開ける、ペットボトルの蓋を開ける刺激だけでも痛くなる
●見えない障害の当事者 菊池さん 「片耳難聴」(幼少期から右耳の聴覚がない)
Q:普段どんなことに困っていますか?
菊池:
右側から話しかけられると、その声に気づけなくて
人から「無視してる」と誤解されることがある
私も申し訳ないという罪悪感でいっぱいになるし、人からの好感度がどんどん下がる
社会人なので、上座・下座みたいなのがあるじゃないですか
私の勤めている会社は、結構そういうのに寛容なので助かってるんですけれども
クライアントも含めた打ち合わせの場ですと、好きな席には座れないので
クライアントの方が右側だと困ってしまいます
大吉:見た感じだと全然わからないですね
●命を救う「ヘルプカード」
ヘルプマークは、必要な時だけかけているという方がいらっしゃる中で
常にずっとつけているという方もいる そこには命に関わる事情がありました
福島市 放課後等デイサービス指導員 我妻さん(47)は
外出する時には必ず「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」をつけている
吾妻さんが働いているのは福祉施設
放課後になるとやってくる子どもたちの生活指導をしている
「きっかけは、1年前の脳出血」
仕事を終えて、家に帰る途中に脳出血を起こした
吾妻さん:
「救急車呼ぶからね」と言われて、呼ばれたところまでは覚えている
救急搬送されて、聞くところによると10日間くらい意識不明だった
吾妻さんは今も治療のために病院に通っている
脳出血の原因は高血圧
検査の結果、腎臓の機能が著しく低下する「腎硬化症」も患っていることが分かった
そのため週2回の「人工透析」が欠かせない
吾妻さん:
体重が1年で30kg以上減りました
去年の今頃と体型も何もかも全部変わって、動いているとちょっと違和感がある
吾妻さんは、まだ血圧が高く、いつ倒れるか分かりません
もしもの時に備えて「ヘルプマーク」とセットで必ず持っているのが「ヘルプカード」
「ヘルプカード」
緊急連絡先や病状を記入できる
人工透析や人工呼吸器が必要だということを伝えることができるようになっている
吾妻さん:
救急車に乗った時に、左腕に血圧計を巻かれてしまうとそれだけでアウトなんです
人工透析のために、左腕の動脈と静脈をつないでいるため
血圧計などで締め付けると、血流が止まってしまい、最悪、命を失う危険性があります
ヘルプカードがなかったら完全に駄目なので、意識がない時に「人工透析が必要」と書いてあれば
その情報もわかるだろうし、突然その辺で倒れる可能性があるので 何度か経験しているので
ヘルプカードがあったら安心
●ヘルプマークは、意識を失って倒れた時に、ヘルプカードを見てもらうためのサインになっている
実際にSNSでも、「ヘルプカードがあったために助かった」という例があります
ある主婦の方が、エスカレーターに乗っていた時に、前の女性が急に倒れこんできた
介抱してあげている時に、駅員さんがAEDを持ってきた
その時、その主婦の方は、女性のカバンにヘルプマークを見つけた
カバンの中にはヘルプカードがあって「発作で意識を失うことがあります」と書かれていたので
AEDを使うことなく、安静にして、その後、救急車を呼ぶことができた
東京都医師 30代:
先ほどVTRで「AEDを使わなくて良かった」と言っていましたが
意識のない人に使用するのをためらってはいけません
心臓の除細動が不要であれば作動しないので
ただの「意識消失発作」と決めつけないでください
アナ:
ヘルプマークを持っている人は、裏に書いてあるか
もしくは、カバンの中にヘルプカードを持っていると思ってください
緊急時に、探して対処してほしいということでした
●菊池さんは学生の時に、オリジナルのマークがついたアイテムを考案した
菊池さん:
ヘルプマークとはまた別のものなんですけれども「PLEASE TAG」という名前
上の欄に、どう困っていて、どうしてほしいかっていうお願いを書きます
下には、その困りごとがひと目で分かるようなマークをつけて使います
大丈夫だよという時には、折りたたんでメッセージを隠すことができます
磁石でくっつきます
裏には「SOSメモ」と言って、先ほどのヘルプカードのような役割で
緊急時の連絡先とか、対応とかが書けるようなメモが入れられます
Q:実際に配ったりはされてるんですか?
菊池さん:
美術大学に通っていたので、卒業制作で作ったんですけれども、
数が限られていて、売ったりとかはしていないです
広がっていくといいですね
口で弱みを言うのは結構、勇気がいるんですね
その場の空気がちょっと一瞬固まってしまったりするのが怖いので
これなら、見て知ってもらえるのでいいかなと思って
アナ:「あなた、席を譲ってください」みたいに電車とかで急に言えないことですよね
専門家:
辛さによって、相手によって分かってもらえないかもしれないし
「わがままだ」と思われるかもしれないので、限界まで頑張ってしまって
「もっと早く言ってくれればよかったのに」みたいになってしまう
特に電車の中のような公共の場だと、お互い様の気持ちなので
こういうツールなどで、こういうことで困っていて、理解や助けが欲しいと
有用なことを具体的に発信して、周囲の中で分かってくれる人の反応を待つというのもありかなと思う
ゲスト:
被災地の避難所とかって、みんな自分のことで一生懸命じゃないですか
大変な状況の時に、人の気持ちってなかなか察することができない
そういう時にちゃんとあったほうがいいなと思います
●災害時のSOSにもなるヘルプマーク
今みたいな時こそ、このようなヘルプマーク&ヘルプカードが災害時に役に立つと言われています
2年前 震度7の地震に襲われた熊本県
当時の話を聞いたのは、発達障害の当事者グループです
高機能自閉症・アスペルガー当事者会「シェアハート」
ここは避難場所にもなった高校の体育館があったところで、現在建て替えが行われています
当時、ここに避難したメンバーは、周囲が想像しにくい発達障害ならではの苦労がありました
代表・井上さん:
避難所に入れないとか、発達障害の特性上、長い列に並んで食べ物をもらうことができないとか
メンバーの一人、宮田さんは「聴覚過敏」があります
ストレスがかかると、音を不快に感じる度合いが酷くなりパニック状態になってしまいます
地震の後、家族と一緒に避難所に行った時、そこには100人ほどの人がいて
宮田さんにとって耐え難い音が響いていました
宮田さん:
とにかく音を遮断したくてしょうがないみたいな感じですね
お願いだから誰も何も話さないで、音を発しないでみたいな
暗くて静かなところにいれば、しばらくしたら治るけれども
そういった場所を探すこともできないし、仕事もできないし
多くの人が被災し、混乱している中で、自分が困っていることを伝えることができなかった
わがままに聞こえると思って どうしても言えないというのがありました
「辛いよ」って言っても「みんな辛いんだよ」と言われたらそれでおしまいだなと思って
言えなかったですね
●震災当時、熊本県にはまだヘルプカードが導入されていなかった
災害時、障害や持病のある人たちは困りごとが一気に増えます
しかし、周囲にそれらを理解してもらう手段がなかったのです
熊本地震から2ヶ月後
彼らが困る困っていることを知った東京のボランティア団体から「ヘルプカード」が送られてきました
井上さんたちメンバーは、ヘルプカードの存在は知っていましたが、実際に目にするのは初めてでした
裏面に書き込めるところがあると、初めて認識した
当事者:
やはりヘルプカードはすごく必要だし、お守り的なものになる
気持ちの安定にも繋がるでしょう
私だったらパニックを起こしてる時に、誰か静かな場所を教えてくださいって感じですかね
裏に書いておけば、誰か教えてくれるかな
熊本県では、去年の8月にプラスチック製ヘルプカードが導入され、
後ろには「私が手伝ってほしいこと」ていうことを書き込めるようになっています
ゲスト:全国でやればいいのにね
アナ:視聴者から1300を超える声が寄せられています
山口県40代:
発達障害のように、一見わからない場合は理解されづらいです
今回のような災害時、避難所などで、本人はもとより
親御さんが落ち着いて避難できるか心配です
そして緊急時に困ります
私は外見から分からない「聴覚障害者」です
一番困るのは、緊急時の車内放送です
放送が入ったのは分かるけれども、内容が分かりません
ヘルプカードを見せて聞いても、ほとんどが知らん顔です
専門家:
災害時には、今まで普通に暮らしてた人も、見えない障害が見えてくる
命に関わってくる状況が出てくるので、見えない障害がある人は
わがままというのではなくて、限界に達する前に、
もっと積極的に周囲の人に相談していただく勇気がいる
助けを求められた人も、簡単にできることであったら
自分で対応してもいいですけれども、できなければ
避難所にいる職員の方だとか保健師、看護師の方、誰かにつないでほしいですね
東京都40代:
小学6年生の娘は、見た目だけではわかりませんが「心臓病」があり、疲れやすい体質です
ヘルプマークをつけていて、電車で席を譲ってもらったことは一度しかありません
以前はヘルプマークをつけていましたが
「どうせ譲ってもらえないし、恥ずかしいからつけたくない」と言って困っています
菊池さん:
私はもう大人なので、ヘルプマークとかが自分にとって必要か必要じゃないかは判断できるけれども
まだ小学生だから、親御さんの思いをちゃんと聞いたほうがいいと思うんですよね
一度しか譲ってもらったことがない、ということですけれども
確率で低かっただけで、たぶんずっとつけてれば、確率もどんどん上がっていくと思うので
なるべくつけて欲しいなって思いますね
Q:菊池さんは、もし災害があったら、どんな支援があったらいいと思いますか?
菊池さん:
私が聞いた話で、過去の震災の経験を受けて、ボランティアの方とかが
「○○ができます」ということを掲げて活動していた
例えば「手話ができます」とか「英語が話せます」とか「力仕事ならできます」とか
何ができるかっていうのが分かると、当事者に限らず助かるかなと思います
アナ:
「支援したい」という気持ちがあっても、どうしたらいいのか、というのが私たち側にもありますよね
支援する側が意思を表明するというマークも出てきています
●支援する側から気持ちを伝える「サポートハートマーク」@愛知県東郷町の町役場
福祉課主査 都築さん:
「サポートハートマーク」と言います 福祉課の職員は全員このマークをつけています
サポートを必要とする方がたくさんいらっしゃいますので
そのような方に対して「支援をします」という意思を
分かりやすくお伝えするためにこのマークを身につけています
去年、福祉課が着け始めてから、現在は全ての課の職員が身につけています
このマークを身につけることで意識が変わったという人もいます
職員:
自分から率先して仕事上でもプライベートでも、
支援が必要な方がいればお声かけをできるように意識しています
明らかに目に見えなくても感じ取りながら対応しています
●このマークが生まれた理由
町内に住む大学生の酒井さん(19)は、3年前に「自閉スペクトラム症」と診断された
去年から発達障害など「見えにくい障害」について理解を広める活動を始めました
しかし支援する側の人たちから「気持ちの伝え方が分からない」という悩みを聞いた
そこで酒井さんは、支援したい人の気持ちが見えるようになればいいと考え
サポートハートマークを作った マークはホームページでダウンロードが誰でも可能
「サポートハートマーク ダウンロードページ」
酒井さん:
やっぱり見えない障害があるということは、見えない思い、優しさもあるって事なんですね
だから「見える優しさ」を作りました
さらに酒井さんは、マークの存在を広く知ってもらうためのキャラクターも考えました
酒井さん:絵の得意な友人がデザインしました
イラスト担当 中尾さん:
安心感を与えられるような感じをイメージして描いたキャラクターです
カバンなどに付けられるようにキーホルダーにして販売しています
こういうのを一個つけておくだけで、何かあった時に当事者の方も声をかけやすくなるし
サポートしてくれる人がいることで、当事者の精神的な不安も和らぐと思う
Q:これを見たら安心しますか?
酒井さん:
安心します 自分が作ったマークなのですごく嬉しいという気持ちもあるんですけれども
ゲスト:
これをつけて、いざとなった時に、何ができるか
私には何も資格がないし、緊急の処置もできない
そういう人間がつけてもいいんですか?
アナ:
いいんです 自分ができなくても誰かに助けを求めること、サポートができればいいんです
そういう意味も込められています
ヘルプマークと同じで、割とカジュアル ハードルもないし
もし自分に余裕がない場合は、このマークを外せばいい
「私、できますよ」っていう時だけ出せばいい
菊池さん:
やっぱり、見えない障害を持っていると、相手から見られている自分と
自分が思ってる自分とのギャップがすごいあるんです
その穴を埋めようと努力して、頑張りすぎてしまうというのがあるので
「理解しますよ」という気持ちが見えるだけで、
当事者としては嬉しいし、安心します 全然違うと思います
専門家:
障害者特化とか健常者とかではなくて、その間にもっと健康問題でいろんな問題を抱えている人たちが
たくさんいらっしゃるので、そこに目を向けて行こう、ということだと思うんです
そのためには、当事者本人からの発信も必要ですし、
周りのお互い様の気持ちも必要だということで
今、困りごとに合わせて、いろんな調整とかをやっていく
それぞれができることをやっていけば、当事者が格段に生きやすくなる
そういう考え方を「合理的配慮」って言うんですけれども
「合理的配慮」を一人一人の障害の特性や困りごとに合わせて
支援機器の活用や伝え方の工夫などを行うこと
華丸:
自動車の初心者マークみたいに、あえて隠すってこともあるじゃないんですか、日本人て
でも、つけたことによって、スムーズに運転できるとか、譲るということもあるから
やっぱり見えたほうがいいと思いますね
<視聴者の質問>
30代:
生理中だけ「貧血」が辛く、できればその時期だけ電車で座りたいなと思っています
その時にもヘルプマークをつけていいんでしょうか?
アナ:一時的な体調不良の時にも使っていいものなので、誰でもつけていいので、大丈夫です
Q:菊池さんが一番望んでいることは何ですか?
菊池さん:
その人の一面だけを見て「この人は元気だ」とか決めつけるんじゃなくて
もうちょっと裏側とか多面的にその人を見ること、思考、考えを持つこと
もしかしたら、この人は辛いかもしれないという「想像力」を持って接していただければと思いますね
視聴者のメール30代:
生まれた時から心臓が悪く、中学生の時に「ペースメーカー」を埋め込みました
高校生の時、車内で気分が悪くなり、近くに空いていた優先席に座ったところ
「最近の高校生は平気で優先席に座るんやね」と年配の方に言われました
当時高校生だった私には何も言えず席を譲りました
できるだけ多くの方に認知して頂けたら嬉しいです
(今の高齢者のほうが、若者よりずっと元気だと思うなあ
今でいうヘルシーフードで育って長寿な高齢者と、ジャンクフードで育って、過労&睡眠不足の若者たち
通勤電車などはとくに「社会的弱者」を叩く空気が強い「不寛容社会」
みんな自分のことで精一杯で他人を思いやる余裕がないんだ
<FAX>
アナ:弱みを晒すことになるのではないかという心配ですが
菊池:
人の弱みを見ただけで危害を加える人はやっぱりいるんですね
なので必要な時だけ出すということが大事かと思います
菊池:
「大丈夫」と言われることもあると思うんですけれども
ひと声かけて、それから自分がどういうアクションをするか決めるでもいいかと思います
専門家:
これはお互い様の気持ちと、善意で成り立っている話なので
マナーとして悪用は絶対やめてほしいですね
アナ:
これは両方つけても大丈夫です
「サポートマーク」を作った酒井君によると、自分が体調がいい時は
「サポートできます」ということで両方出しているので
近江:
「ヘルプマーク」をつけていてよかったという視聴者の意見もありました
私の娘は、重度の自閉症です
出かける時はヘルプマークをつけています
ある時、電車の席に男子中学生3人が座っていました
1人の男の子が娘のヘルプマークを見て、何かコソコソ話していました
するとすかさず席を立ち「どうぞ座ってください」と席を譲ってくれようとしたのです
ヘルプマークをつけて、他の誰かに助けていただいたことは、
これまで残念ながら一度もありませんでした
その時は涙が出るほど嬉しかったです