■『三度目の殺人』(2017)(ネタバレ注意
監督・脚本:是枝裕和
出演:
福山雅治 重盛朋章
広瀬すず 山中咲江
満島真之介 川島輝
市川実日子 篠原一葵
松岡依都美 服部亜紀子
蒔田彩珠 重盛結花
井上肇 小野稔亮
橋爪功 重盛彰久
斉藤由貴 山中美津江
吉田鋼太郎 摂津大輔
役所広司 三隅高司
ほか
“「そして父になる」の是枝裕和監督が、再び福山雅治を主演に迎えて贈る法廷ミステリー・サスペンス。”(allcinemaより
地上波初放送とのことで、一応予録して観てみた
私は無実な人が最後に解放される法廷劇が好きだけど、これはだいぶ指向が違う
役所さんと福山さんがガチで演じるけれども、ほんとうの真実は煙に巻かれたようだ
そもそも人が人を裁くこと自体にムリがあるんだが
裁判員制度も、始まったばかりはあれほど騒いだのに、その後忘れ去られたようでいて、ほんとにやってるのか
こんな込み入った事件なのに、結局、これまでの司法のシステムが裏で動いていたらまったく意味がない
もとはアメリカの真似 なんでも裁判にするから、弁のたつ弁護士が儲かるシステム
【内容抜粋メモ】
三隅高司は、夜中に男を後ろからスパナで殴って殺し、ガソリンをまいて燃やす
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弁護士・重盛朋章、川島輝、摂津大輔はミスミの弁護士として拘置所に行く
ミは逮捕後すぐに強盗殺人を自白 このままだと間違いなく死刑
言うことがコロコロ変わるからセッツはシゲモリに面会の同行を頼む
セ:30年前の事件の裁判長の息子・シだ
ミ:お父さんにはお世話になりました(本当はその裁判に恨みを持ってたりして?
どうして世話になっていた工場の社長を殺したのか動機を聞く
ミ:
お金が欲しくて 借金があった 会社をクビになった理由は金庫の金を盗んだから
焼酎を飲んでヤケになった 燃やした時に手を焼けどした
セ:「前から殺してやろうと思っていた」という以前の話と食い違う
ミは減刑を望んでいるがそうは見えない
できれば無期懲役にしたいセ ミのためというより事務所や自分らのため
36歳の娘が北海道にいるミ
セ:30年もムショにいたから会えなかったかも
北海道生まれのシ
シ:理解とか共感とかは弁護には要らないよ 友だちになるわけじゃないんだから
殺人現場を見に行くシとカワシマ
そこに被害者の娘・山中咲江がいる 足をひきずっている
現場は十字模様になっているのが気になるシ
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タクシーのカメラ映像を確認
(今はこういうのがあるのか 防犯用か? 守られているのか、監視されているのか
運転手:最初から様子が変だった
なぜ窓を開けたのか聞くと、ガリンン臭かったという
財布のせいではと証拠品を見る
検察官・篠原一葵:自白したのに余計なことしないほうがいいのでは?
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ミ:
財布のシミの鑑定から、ガソリンをかけてから盗んだのでは?
だとすると強殺と窃盗だ 動機は怨恨の線で探ってみろ
シはミが書かせられた遺族への手紙を渡しに行く
被害者の妻・山中美津江に型通りの謝罪するミ
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ミツエ:こんな手紙ひとつで許せって言うの?
泣いて、手紙を破られ、返される
カは工場のスタッフ桜井に聞き込み
サ:ここは前科者が多い 僕もそうだけど 安く使えるからだろう
シ:まず、強盗を単純殺人と窃盗に落とす 動機は怨恨 クビを恨んでいたと
セ:金目的だと罪が重くなる 怨恨は罪を犯すだけの理由があったとされる
女性社員:罪は同じなのに法律ってなんかフシギですね
シの娘・結花が万引きをして呼ばれる
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大きな事件を扱っていて家の中がゴタゴタしてて と謝るシ
泣いてみせるユ
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ユ:何、急に父親みたいなことゆって
シ:さっきなんで泣いたの?
ユ:ああいうの上手いんだよね(すぐに泣いてみせる
また仕事の電話が入り、今から行くというシ
またミと面会する3人
週刊誌には「ミツエに頼まれて、保険金目当てに殺した」と書かれていることを確認すると認めるミ
預金通帳に50万円の入金があるのはミツエからの前金か
セ:最初に記者が言い出したのでは?
ミ:メールで頼まれた 2週間くらい前
男女関係を聞くとあやふやな態度
メールを確認し、
シ:共謀 むしろミツエ主犯でいけるかも
男女の関係があると不利
セ:
元検事として言わせてもらうと、このメールじゃ動かないな
「黙っててくれたら悪いようにはしない」は男女関係のことか?
シ:
どっちが本当かなんてどうせ分からない ならより役に立つ方法を選ぶ「裁判員裁判」だからな
セ:オレなら死刑は躊躇するな
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会議で事前に何で争うか互いに確認し合うのか
強盗の意志があったかが主旨になり、ミツエを訴求する流れで日程を決める
シノハラ:
あなたみたいな弁護士が、犯罪者が罪と向き合うのを邪魔するのよね
罪と向き合うとは、真実から目を背けないってことでは?
愚笑する3人
ミの家を訪ねるシ
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大家:
ミはキチンとした人だった
ミツエは見かけなかった たまに女の子は来てた 高校生くらい 足の悪い
飼っていた鳥が死んで、外に埋めたミ そこにも十字
シは掘ってみる(!
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ミとシの面会
ミの大好物のピーナツクリームを差し入れる カナリアを飼っていたことを聞く
シ:5羽いっぺんに病気にはならないですよね?
ミ:今さら放しても生きていけないですよ 1羽だけ逃げちゃった 寒いからどうしてるかなエサとか
シ:家賃は3万8000円 来月分を10日早く払ってあるから、最初から捕まるつもりだったのでは?
ミ:
家賃を払うのは楽しい 刑務所にはないから 特別な意味はない
手を見せてください このほうがその人のことが分かる
当ててみましょうか、今何考えてるか
(鼻で笑い)おいくつですか、娘さん?
14と答えるシ 超能力? 誰かに聞いた?
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セはミにシの娘のことは話していないという
サキエの学校に行くシ
図書館で勉強する 北海道大学志望
ドラッグストアも尾ける
足は生まれつき 周りには「工場の屋根から飛び降りた」と言っているサ
事件当日は、帰宅してから外出していない
シの父・彰久(元裁判官)が事務所に来て、シの30年前の殺人事件の資料を渡す
父に反抗的なシ
2、3日泊まるつもりで、シの家に来る
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ア:楽しみに殺して燃やした いるんだよケダモノみたいな人間が
シ:前は不幸な生い立ちで随分、酌量してるじゃない
ア:
30年前だ 犯罪は社会から生まれると思われていた
オレは昔から死刑廃止論者じゃないよ 反省してますよ
殺す奴と殺さない奴の間には深い溝がある
それは生まれた時から決まってる
(スピリチュアル的には正論
シ:更正とか信じてないんだ
ア:
そう思うのが傲慢だよ 理解しようとするだけムダだぞ
親子でも分からないのに、ましてや他人なんか
冬の北海道に来るシとカ
新幹線内でミから父に来たハガキを読むシ
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“昨年、仮釈放されて働いている 故郷の北海道で、娘に大きな手袋をあげた”
その思い出に自分を重ねる夢を見るシ
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昭和61年 小さな町で起きた事件だった
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カ:借金とり2人を殺して、建造物放火 よく死刑にならなかったですね
シ:死刑にしてたら、またこんな事件は起こらなかった 父が自分で言ったんだ
当時、ミを逮捕した刑事・渡辺に聞く
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渡辺:
動機は怨恨となってるが正直分からない 取調べの間にコロコロ変わって
失業者が多くて、金貸しからみんな酷い目に遭ってたから
怨恨のほうが死刑を回避できると弁護士が考えたのでは
憎しみはなかった それが逆にブキミ カラッポの器のような
ミの娘のメグミがいたバーにも入る
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スタッフ:娘のメグミがどこに行ったか分からない
シ:彼女の証言で刑が軽くなるかもしれない
スタッフ::
あんな人早く死んでほしいって言ってたよ
事件後、この町に暮らせなくなったから
そのことをミに話すと明らかに動揺する
ミ:思い出したくないこともある
シ:自分のしたこととちゃんと向き合うのも必要ですよ
ミ:あなたは向き合ってないでしょ
シ:今回のことは後悔してるんですよね?
ミ:手紙ではそう書けって言われたから
シ:法廷では言わないでください 裁判員裁判ですから
ミ:
あんな奴、殺されて当然だ
生まれてこなければよかった人間はいるんです
あなたたちもそうやって殺してきてるじゃないですか
シ:死刑のことですか?
カ:生まれてこないほうがよかった人なんていないですよ!
カ:なんか別人でしたね
シ:
あれ、本気でそう思ってるの? オレはそう思わない
人間の意志とは関係なく命は選別される
理不尽に命を奪われたりしてるってこと
またサを尾けるシ 彼女を疑ってる?
パン屋でピーナツクリームを見ているサに声をかける
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ミのアパートに行ったことを聞く
シ:フツー行かないでしょ
ミ:フツーて何ですか?
シ:
ミの家族のことは聞いた?
彼には娘さんがいて、30年くらい会ってなくて、あなたと同じように足が悪かったんだって
だから仲良くなったのかと思ってた 聞いてなかったんだ
「カラオケで2人を見かけた」と週刊誌に聞かれて否定しているミツエを見るサキエ
ミ:
私が愛人だなんて根も葉もない話 お母さんが頼れるのはサキちゃんしかいない
北海道の大学行っちゃったら寂しくて死んじゃうかも
どうして保険金おりないんだろう? 保険屋も私を疑ってるのかしら
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サ:じゃ、本当のこと言えばいい
ミ:工場潰れちゃうじゃない
サ:潰れたほうがいい
ミ:
その汚いお金であんたここまで大きくなったんじゃない
裁判では余計なこと言わないでよ
サ:余計なことって何?
ミ:お父さんのこととか 別にお父さんだけが悪いわけじゃないでしょ
シにユから電話が入り、忙しいと言う
ユ:何かあったら、また助けに来てくれる?
シ:助けに行くから ごめんな もっと一緒にさ・・・
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シはミと面会して流れを打ち合わせする
シ:主犯はミツエで
ミ:その話信じてますか? 窃盗とか保険金とか そのほうが勝てるってことですか?
シ:法廷戦術的にはあります
ミ:ほんとの動機は何だと思います? 興味ないかな?
シ:1つ質問させてください 十字のヒミツは? 裁こうとしたのでは? 罪を
ミ:
私はいつも裁かれるほうだ カナリア1羽だけわざと逃がしたんです
僕がしたみたいに人の命を弄んでる奴に理不尽だって言ってやりたい
父も母も妻もなんの落ち度もないのに不幸になって死んだのに、私は生きている
命は選別されてる 理不尽に!
シ:あなたはなぜ裁判長にハガキを出した?
ミ:憧れていたんです 人の命を自由に出来るじゃないですか
(ミは家族に詫びて死にたいのか?
裁判所に入る
遺影を持っているミツエ、サキエも見ている
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検察官シノハラの起訴状朗読
シノハラ:控訴事実 金品を盗もうとして殺した
ミ:ミツエさんに頼まれたからです
メールを証拠として出すシ
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シ:例の件とは何ですか?
ミ:仕事のことです 工場のことは知りません 夫が勝手に私の携帯を使ったんです
シ:被告人が勝手に殺人依頼と思い込んだということですか?
ミ:本人に聞いてください 前金ではありません
サは3人に殺人現場となった河原で、事件前にミと撮った写メを見せる
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サ:
ミが焚き火をしていて、私が誕生日だと言ったら、雪でケーキを作ってくれて話をした
父から14歳から性的暴行を受けていた
ミは私のために・・・ ミと母は何の関係もない それを法廷で話したい
殺してくれと頼んだわけじゃない 心のどこかでそう思っていてミに伝わった
シ:
どこで会っていたかなど検察官に必ず聞かれるよ
足のことも 子どもの頃、屋根から飛び降りて怪我したとウソをついたって
サ:ウソじゃない
シ:耐えられる? 辛いよ
サ:誰にも話せなかった時のほうが辛かったから
シ:どうして話してくれた?
サ:私は母みたいに見ないフリしたくないから
セ:古い話で、目の見えない人たちがゾウに触る話がある
シ:
鼻や耳に触った話でみんなで言い争うてやつか オレは今どこ触ってるんだろ
裁いたのか 救ったのか
サキエも一緒に殺しているイメージを見るシ
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ミと面会するシ
サと去年撮った2ショットを見せる
シ:父からレイプされたことをあなたに告白したと言っている
ミ:覚えていない
シはミが父に送ったハガキを見せる
シ:あなたにとって、サは娘の代わりだった サを救うために父親を殺した
ミ:ウソですよ あの子よくウソをつくんだ
シ:当日、どうやって社長を河川敷まで連れて行ったんです?
ミ:
大事な話があると言いました 「食品偽装」のことで
月に一度、出所の分からない小麦粉をタダみたいな値で買って、すりかえるんです
50万円はその仕事に対するお金
シ:裁こうとしたんですか、あの母親を 見てみぬフリをしたから
ミ:どうせ信じてもらえない 私は河川敷に行ってない ほんとは殺してない
シ:なぜ今ごろ?
ミ:
やってないって言いました 刑事にも、弁護士にも 最初、拘置所に来た時
でも「ウソつくな 認めれば死刑にはならないから」って
工場で人の弱味につけこむより、刑務所のほうがウソつかなくて済むから 泣くミ
シ:
ここに誰か会いに来たの? 頼むよ! 今度こそほんとのこと教えてくれよ!
財布は盗んだんだろ?
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ミ:
盗みました 偽装のことバラすって社長を脅して 金は娘に送りました
火傷は焚き火の時 信じてくれますか?(でも十字は?
シ:
あなたは、私の依頼人だから意志は尊重しますが
今否認するのは戦術的に不利だ
ミ:戦術なんてどうでもいい! 信じるのか、信じないのか!?
シ:分かりました いんですね、本当に
2人に話す
シ:目撃者は誰もいない 検察の根拠は自白だけだ
セ:怖くなったんだ 死刑が近づくとみんなそうなる
シ:こんな父親は殺されて当然なんだよ!
セ:お前みたいな弁護士が犯罪者が罪と向き合うのを妨げるんだよ 負けるぞ
報道者も傍聴者も行列
サキエにも伝える
セ:あなたを救おうとした話を法廷ではしないでほしい
サ:話します
シ:
話したいのは自分の正義感を満足させるためなのか
ミを救いたいなら、それを一番に考えるのが大事では?
サキエの尋問する検察官
サ:ミはお金のために殺したんじゃないと思います 死刑は望みません
シノハラ:父に対して言いたいことは?
サ:私を生んで育ててくれたことを感謝しています
ミの証言
ミ:
社長を脅して金を盗もうとした クビになってヤケになって
財布はとったが、河川敷には行ってません
やってないと言ったら、検事がトイレまで来て「殺したと言えば死刑にはしない」って言ったんだ
弁護士も認めれば助かるって オレのことは誰も信じてくれないから 私は殺してません!
裁判長らに呼ばれる
シ:急に変わりました 犯人性を争います
検察官:公判を最初からやり直すしか
裁判長:続行ということで 裁判員の都合もありますから
なにか耳打ちされてシノハラは続行を認める
カ:みんなで阿吽の呼吸みたいでしたね
セ:今さら最初からやり直しても結論は変わらない
カ:ミが殺してないと誰も信じないんですね
セ:
裁判官もスケジュール通り数をこなさないと評価に響く
立場は違えど、みんな司法って船に乗ってるわけだから
独房の窓に鳥が来て、エサをあげるシ
もう判決 死刑が確定する
理由は、合理性は認められない 信用できない 不合理な弁解に終始していたため
安心するミツエ
(裁判員制度でもまだ死刑はあるのか
シにお礼を言い、握手するミ
ミはサを守りたかったのか?
シはサに謝る
サ:
あの人の言った通りでした ここでは誰も本当のことは話さない
誰を裁くかは誰が決めるんですか?
もう一度ミに会うシ
穏やかな顔のミに桜の話をする 北海道と比べると東京は咲くのが早い
シ:あなたが犯行を否認した理由を考えた サに辛い証言をさせずに済む
ミ:
私からも質問していいですか? あなたはそう考えたから私の否認に乗ったんですか?
でもいい話ですね 私はずっと生まれてこなければよかったと思っていた
私はいるだけで、周りを傷つける
こんな私でも誰かの役に立つことが出来る たとえ人殺しでも
シ:それはつまり、僕がそう思いたいだけってことですか?
ミ:僕みたいな人殺しにそんなこと期待してもダメですよ
シ:あなたはただの器? 2人の顔が重なる
十字路で立ち止まるシ
誰か「精神性」がどうのとかってしれっと話していたけれども、あすこが一番の要だったのか?
監督・脚本:是枝裕和
出演:
福山雅治 重盛朋章
広瀬すず 山中咲江
満島真之介 川島輝
市川実日子 篠原一葵
松岡依都美 服部亜紀子
蒔田彩珠 重盛結花
井上肇 小野稔亮
橋爪功 重盛彰久
斉藤由貴 山中美津江
吉田鋼太郎 摂津大輔
役所広司 三隅高司
ほか
“「そして父になる」の是枝裕和監督が、再び福山雅治を主演に迎えて贈る法廷ミステリー・サスペンス。”(allcinemaより
地上波初放送とのことで、一応予録して観てみた
私は無実な人が最後に解放される法廷劇が好きだけど、これはだいぶ指向が違う
役所さんと福山さんがガチで演じるけれども、ほんとうの真実は煙に巻かれたようだ
そもそも人が人を裁くこと自体にムリがあるんだが
裁判員制度も、始まったばかりはあれほど騒いだのに、その後忘れ去られたようでいて、ほんとにやってるのか
こんな込み入った事件なのに、結局、これまでの司法のシステムが裏で動いていたらまったく意味がない
もとはアメリカの真似 なんでも裁判にするから、弁のたつ弁護士が儲かるシステム
【内容抜粋メモ】
三隅高司は、夜中に男を後ろからスパナで殴って殺し、ガソリンをまいて燃やす
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弁護士・重盛朋章、川島輝、摂津大輔はミスミの弁護士として拘置所に行く
ミは逮捕後すぐに強盗殺人を自白 このままだと間違いなく死刑
言うことがコロコロ変わるからセッツはシゲモリに面会の同行を頼む
セ:30年前の事件の裁判長の息子・シだ
ミ:お父さんにはお世話になりました(本当はその裁判に恨みを持ってたりして?
どうして世話になっていた工場の社長を殺したのか動機を聞く
ミ:
お金が欲しくて 借金があった 会社をクビになった理由は金庫の金を盗んだから
焼酎を飲んでヤケになった 燃やした時に手を焼けどした
セ:「前から殺してやろうと思っていた」という以前の話と食い違う
ミは減刑を望んでいるがそうは見えない
できれば無期懲役にしたいセ ミのためというより事務所や自分らのため
36歳の娘が北海道にいるミ
セ:30年もムショにいたから会えなかったかも
北海道生まれのシ
シ:理解とか共感とかは弁護には要らないよ 友だちになるわけじゃないんだから
殺人現場を見に行くシとカワシマ
そこに被害者の娘・山中咲江がいる 足をひきずっている
現場は十字模様になっているのが気になるシ
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タクシーのカメラ映像を確認
(今はこういうのがあるのか 防犯用か? 守られているのか、監視されているのか
運転手:最初から様子が変だった
なぜ窓を開けたのか聞くと、ガリンン臭かったという
財布のせいではと証拠品を見る
検察官・篠原一葵:自白したのに余計なことしないほうがいいのでは?
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ミ:
財布のシミの鑑定から、ガソリンをかけてから盗んだのでは?
だとすると強殺と窃盗だ 動機は怨恨の線で探ってみろ
シはミが書かせられた遺族への手紙を渡しに行く
被害者の妻・山中美津江に型通りの謝罪するミ
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ミツエ:こんな手紙ひとつで許せって言うの?
泣いて、手紙を破られ、返される
カは工場のスタッフ桜井に聞き込み
サ:ここは前科者が多い 僕もそうだけど 安く使えるからだろう
シ:まず、強盗を単純殺人と窃盗に落とす 動機は怨恨 クビを恨んでいたと
セ:金目的だと罪が重くなる 怨恨は罪を犯すだけの理由があったとされる
女性社員:罪は同じなのに法律ってなんかフシギですね
シの娘・結花が万引きをして呼ばれる
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大きな事件を扱っていて家の中がゴタゴタしてて と謝るシ
泣いてみせるユ
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ユ:何、急に父親みたいなことゆって
シ:さっきなんで泣いたの?
ユ:ああいうの上手いんだよね(すぐに泣いてみせる
また仕事の電話が入り、今から行くというシ
またミと面会する3人
週刊誌には「ミツエに頼まれて、保険金目当てに殺した」と書かれていることを確認すると認めるミ
預金通帳に50万円の入金があるのはミツエからの前金か
セ:最初に記者が言い出したのでは?
ミ:メールで頼まれた 2週間くらい前
男女関係を聞くとあやふやな態度
メールを確認し、
シ:共謀 むしろミツエ主犯でいけるかも
男女の関係があると不利
セ:
元検事として言わせてもらうと、このメールじゃ動かないな
「黙っててくれたら悪いようにはしない」は男女関係のことか?
シ:
どっちが本当かなんてどうせ分からない ならより役に立つ方法を選ぶ「裁判員裁判」だからな
セ:オレなら死刑は躊躇するな
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会議で事前に何で争うか互いに確認し合うのか
強盗の意志があったかが主旨になり、ミツエを訴求する流れで日程を決める
シノハラ:
あなたみたいな弁護士が、犯罪者が罪と向き合うのを邪魔するのよね
罪と向き合うとは、真実から目を背けないってことでは?
愚笑する3人
ミの家を訪ねるシ
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大家:
ミはキチンとした人だった
ミツエは見かけなかった たまに女の子は来てた 高校生くらい 足の悪い
飼っていた鳥が死んで、外に埋めたミ そこにも十字
シは掘ってみる(!
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ミとシの面会
ミの大好物のピーナツクリームを差し入れる カナリアを飼っていたことを聞く
シ:5羽いっぺんに病気にはならないですよね?
ミ:今さら放しても生きていけないですよ 1羽だけ逃げちゃった 寒いからどうしてるかなエサとか
シ:家賃は3万8000円 来月分を10日早く払ってあるから、最初から捕まるつもりだったのでは?
ミ:
家賃を払うのは楽しい 刑務所にはないから 特別な意味はない
手を見せてください このほうがその人のことが分かる
当ててみましょうか、今何考えてるか
(鼻で笑い)おいくつですか、娘さん?
14と答えるシ 超能力? 誰かに聞いた?
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セはミにシの娘のことは話していないという
サキエの学校に行くシ
図書館で勉強する 北海道大学志望
ドラッグストアも尾ける
足は生まれつき 周りには「工場の屋根から飛び降りた」と言っているサ
事件当日は、帰宅してから外出していない
シの父・彰久(元裁判官)が事務所に来て、シの30年前の殺人事件の資料を渡す
父に反抗的なシ
2、3日泊まるつもりで、シの家に来る
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ア:楽しみに殺して燃やした いるんだよケダモノみたいな人間が
シ:前は不幸な生い立ちで随分、酌量してるじゃない
ア:
30年前だ 犯罪は社会から生まれると思われていた
オレは昔から死刑廃止論者じゃないよ 反省してますよ
殺す奴と殺さない奴の間には深い溝がある
それは生まれた時から決まってる
(スピリチュアル的には正論
シ:更正とか信じてないんだ
ア:
そう思うのが傲慢だよ 理解しようとするだけムダだぞ
親子でも分からないのに、ましてや他人なんか
冬の北海道に来るシとカ
新幹線内でミから父に来たハガキを読むシ
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“昨年、仮釈放されて働いている 故郷の北海道で、娘に大きな手袋をあげた”
その思い出に自分を重ねる夢を見るシ
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昭和61年 小さな町で起きた事件だった
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カ:借金とり2人を殺して、建造物放火 よく死刑にならなかったですね
シ:死刑にしてたら、またこんな事件は起こらなかった 父が自分で言ったんだ
当時、ミを逮捕した刑事・渡辺に聞く
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渡辺:
動機は怨恨となってるが正直分からない 取調べの間にコロコロ変わって
失業者が多くて、金貸しからみんな酷い目に遭ってたから
怨恨のほうが死刑を回避できると弁護士が考えたのでは
憎しみはなかった それが逆にブキミ カラッポの器のような
ミの娘のメグミがいたバーにも入る
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スタッフ:娘のメグミがどこに行ったか分からない
シ:彼女の証言で刑が軽くなるかもしれない
スタッフ::
あんな人早く死んでほしいって言ってたよ
事件後、この町に暮らせなくなったから
そのことをミに話すと明らかに動揺する
ミ:思い出したくないこともある
シ:自分のしたこととちゃんと向き合うのも必要ですよ
ミ:あなたは向き合ってないでしょ
シ:今回のことは後悔してるんですよね?
ミ:手紙ではそう書けって言われたから
シ:法廷では言わないでください 裁判員裁判ですから
ミ:
あんな奴、殺されて当然だ
生まれてこなければよかった人間はいるんです
あなたたちもそうやって殺してきてるじゃないですか
シ:死刑のことですか?
カ:生まれてこないほうがよかった人なんていないですよ!
カ:なんか別人でしたね
シ:
あれ、本気でそう思ってるの? オレはそう思わない
人間の意志とは関係なく命は選別される
理不尽に命を奪われたりしてるってこと
またサを尾けるシ 彼女を疑ってる?
パン屋でピーナツクリームを見ているサに声をかける
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ミのアパートに行ったことを聞く
シ:フツー行かないでしょ
ミ:フツーて何ですか?
シ:
ミの家族のことは聞いた?
彼には娘さんがいて、30年くらい会ってなくて、あなたと同じように足が悪かったんだって
だから仲良くなったのかと思ってた 聞いてなかったんだ
「カラオケで2人を見かけた」と週刊誌に聞かれて否定しているミツエを見るサキエ
ミ:
私が愛人だなんて根も葉もない話 お母さんが頼れるのはサキちゃんしかいない
北海道の大学行っちゃったら寂しくて死んじゃうかも
どうして保険金おりないんだろう? 保険屋も私を疑ってるのかしら
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サ:じゃ、本当のこと言えばいい
ミ:工場潰れちゃうじゃない
サ:潰れたほうがいい
ミ:
その汚いお金であんたここまで大きくなったんじゃない
裁判では余計なこと言わないでよ
サ:余計なことって何?
ミ:お父さんのこととか 別にお父さんだけが悪いわけじゃないでしょ
シにユから電話が入り、忙しいと言う
ユ:何かあったら、また助けに来てくれる?
シ:助けに行くから ごめんな もっと一緒にさ・・・
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シはミと面会して流れを打ち合わせする
シ:主犯はミツエで
ミ:その話信じてますか? 窃盗とか保険金とか そのほうが勝てるってことですか?
シ:法廷戦術的にはあります
ミ:ほんとの動機は何だと思います? 興味ないかな?
シ:1つ質問させてください 十字のヒミツは? 裁こうとしたのでは? 罪を
ミ:
私はいつも裁かれるほうだ カナリア1羽だけわざと逃がしたんです
僕がしたみたいに人の命を弄んでる奴に理不尽だって言ってやりたい
父も母も妻もなんの落ち度もないのに不幸になって死んだのに、私は生きている
命は選別されてる 理不尽に!
シ:あなたはなぜ裁判長にハガキを出した?
ミ:憧れていたんです 人の命を自由に出来るじゃないですか
(ミは家族に詫びて死にたいのか?
裁判所に入る
遺影を持っているミツエ、サキエも見ている
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検察官シノハラの起訴状朗読
シノハラ:控訴事実 金品を盗もうとして殺した
ミ:ミツエさんに頼まれたからです
メールを証拠として出すシ
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シ:例の件とは何ですか?
ミ:仕事のことです 工場のことは知りません 夫が勝手に私の携帯を使ったんです
シ:被告人が勝手に殺人依頼と思い込んだということですか?
ミ:本人に聞いてください 前金ではありません
サは3人に殺人現場となった河原で、事件前にミと撮った写メを見せる
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サ:
ミが焚き火をしていて、私が誕生日だと言ったら、雪でケーキを作ってくれて話をした
父から14歳から性的暴行を受けていた
ミは私のために・・・ ミと母は何の関係もない それを法廷で話したい
殺してくれと頼んだわけじゃない 心のどこかでそう思っていてミに伝わった
シ:
どこで会っていたかなど検察官に必ず聞かれるよ
足のことも 子どもの頃、屋根から飛び降りて怪我したとウソをついたって
サ:ウソじゃない
シ:耐えられる? 辛いよ
サ:誰にも話せなかった時のほうが辛かったから
シ:どうして話してくれた?
サ:私は母みたいに見ないフリしたくないから
セ:古い話で、目の見えない人たちがゾウに触る話がある
シ:
鼻や耳に触った話でみんなで言い争うてやつか オレは今どこ触ってるんだろ
裁いたのか 救ったのか
サキエも一緒に殺しているイメージを見るシ
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ミと面会するシ
サと去年撮った2ショットを見せる
シ:父からレイプされたことをあなたに告白したと言っている
ミ:覚えていない
シはミが父に送ったハガキを見せる
シ:あなたにとって、サは娘の代わりだった サを救うために父親を殺した
ミ:ウソですよ あの子よくウソをつくんだ
シ:当日、どうやって社長を河川敷まで連れて行ったんです?
ミ:
大事な話があると言いました 「食品偽装」のことで
月に一度、出所の分からない小麦粉をタダみたいな値で買って、すりかえるんです
50万円はその仕事に対するお金
シ:裁こうとしたんですか、あの母親を 見てみぬフリをしたから
ミ:どうせ信じてもらえない 私は河川敷に行ってない ほんとは殺してない
シ:なぜ今ごろ?
ミ:
やってないって言いました 刑事にも、弁護士にも 最初、拘置所に来た時
でも「ウソつくな 認めれば死刑にはならないから」って
工場で人の弱味につけこむより、刑務所のほうがウソつかなくて済むから 泣くミ
シ:
ここに誰か会いに来たの? 頼むよ! 今度こそほんとのこと教えてくれよ!
財布は盗んだんだろ?
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ミ:
盗みました 偽装のことバラすって社長を脅して 金は娘に送りました
火傷は焚き火の時 信じてくれますか?(でも十字は?
シ:
あなたは、私の依頼人だから意志は尊重しますが
今否認するのは戦術的に不利だ
ミ:戦術なんてどうでもいい! 信じるのか、信じないのか!?
シ:分かりました いんですね、本当に
2人に話す
シ:目撃者は誰もいない 検察の根拠は自白だけだ
セ:怖くなったんだ 死刑が近づくとみんなそうなる
シ:こんな父親は殺されて当然なんだよ!
セ:お前みたいな弁護士が犯罪者が罪と向き合うのを妨げるんだよ 負けるぞ
報道者も傍聴者も行列
サキエにも伝える
セ:あなたを救おうとした話を法廷ではしないでほしい
サ:話します
シ:
話したいのは自分の正義感を満足させるためなのか
ミを救いたいなら、それを一番に考えるのが大事では?
サキエの尋問する検察官
サ:ミはお金のために殺したんじゃないと思います 死刑は望みません
シノハラ:父に対して言いたいことは?
サ:私を生んで育ててくれたことを感謝しています
ミの証言
ミ:
社長を脅して金を盗もうとした クビになってヤケになって
財布はとったが、河川敷には行ってません
やってないと言ったら、検事がトイレまで来て「殺したと言えば死刑にはしない」って言ったんだ
弁護士も認めれば助かるって オレのことは誰も信じてくれないから 私は殺してません!
裁判長らに呼ばれる
シ:急に変わりました 犯人性を争います
検察官:公判を最初からやり直すしか
裁判長:続行ということで 裁判員の都合もありますから
なにか耳打ちされてシノハラは続行を認める
カ:みんなで阿吽の呼吸みたいでしたね
セ:今さら最初からやり直しても結論は変わらない
カ:ミが殺してないと誰も信じないんですね
セ:
裁判官もスケジュール通り数をこなさないと評価に響く
立場は違えど、みんな司法って船に乗ってるわけだから
独房の窓に鳥が来て、エサをあげるシ
もう判決 死刑が確定する
理由は、合理性は認められない 信用できない 不合理な弁解に終始していたため
安心するミツエ
(裁判員制度でもまだ死刑はあるのか
シにお礼を言い、握手するミ
ミはサを守りたかったのか?
シはサに謝る
サ:
あの人の言った通りでした ここでは誰も本当のことは話さない
誰を裁くかは誰が決めるんですか?
もう一度ミに会うシ
穏やかな顔のミに桜の話をする 北海道と比べると東京は咲くのが早い
シ:あなたが犯行を否認した理由を考えた サに辛い証言をさせずに済む
ミ:
私からも質問していいですか? あなたはそう考えたから私の否認に乗ったんですか?
でもいい話ですね 私はずっと生まれてこなければよかったと思っていた
私はいるだけで、周りを傷つける
こんな私でも誰かの役に立つことが出来る たとえ人殺しでも
シ:それはつまり、僕がそう思いたいだけってことですか?
ミ:僕みたいな人殺しにそんなこと期待してもダメですよ
シ:あなたはただの器? 2人の顔が重なる
十字路で立ち止まるシ
誰か「精神性」がどうのとかってしれっと話していたけれども、あすこが一番の要だったのか?