センター入試から2020共通テストへの何点かの変更点の目玉の一つが「数学」と「国語」への記述問題の導入です。
選択問題ではなく、書かせることが重要であるという考えに基づくものです。
共通テストまであと約15か月。
共通テストに関するニュースがこの7月に次々に発表されています。
<数学>の記述に関しては
「大学入試センター(東京)が数学で検討していた文章記述の問題導入を初年度は見送る方針を決めた」そうです。
<国語>の記述に関しては
国語は20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する形式。
それは記述問題には受験生は模試で慣れた問題形式であり、採点のしやすさを考慮したやり方です。
しかしながら、私は思うのです。
1000文字程度を書かせるような小論文形式にした方が良いのではないかと。
受験生総数は約60万人。
大学共通テストの採点者について、大学生アルバイトを利用するという事実が運営側より明かされました。
それに対して、文部科学省が「学生バイトを認める方針を固めた」との報道もありました。
大学単体で独自に行う一般入試で、自大学の大学院生を活用する位であれば許されるとおもいますが、国レベルで一斉に行うテストの採点者に学生を使うことに採点ミスや秘密保持の点で問題が残るのではないでしょうか。
その他の目玉の一つが、<英語>の試験の代替として外部試験活用です。
それは英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るための民間試験の活用。
高校3年の4~12月に2回まで受けた結果が、大学入試センターに提供されるのです。
以下は英語の外部試験導入に関して7月にリリースされたニュースです。
TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は7月2日、2020年度から「大学入試センター試験」に替わり実施される「大学入学共通テスト」への参加申し込みを取り下げると発表
→受験でTOEICの得点を利用しようと頑張って勉強してきた生徒が気の毒です。
2020年度から始まる大学入学共通テスト向けに日本英語検定協会が始める新型英検で、最初の申込時に3千円の「予約金」を取られることに、高校から反発が出ている。
→予約金を集めて会場の手配等にそのお金を使うようです。
それにしても、半年以上先に受験する(現在高校2年生が、高校3年生になってから受験)のに3千円の予約金とはいかがなものでしょうか。
殆どの生徒にとって英検合格級やその得点を利用するかどうかは不明です。
不明であれば、とりあえず不利にならないように「予約申し込み」をしなさいが高校側の指導となるのは当然です。
さらなる問題として既に準1級を持っていても成績提供システムには出せません。
新たに受験しなくてはならないという問題もあるのです。
いずれにしても、今回のテストの変更の混乱に巻き込まれている被害者は受験生です。
このように大学入試改革での問題により潤うのは、予備校や英検、ベネッセなどの受験産業には違いありません。