芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

「ブディストネーム」

2010-03-30 10:12:44 | Weblog
春が来ているのに、昨日は御殿場で積雪。
そんな季節の変わり目からか
先週は二件の葬儀に参列した。
一件は職場の友人の父親、
そしてもう一件は、清水のオジの葬儀であった。
今回は後者のオジの葬儀について記してみたい。

最近のオジとの会話で印象に残っているのは
「戒名なんて安いのでイイだ~あよ」
「あとん、たいへん。金んかかるダヨ。」
 
学のあるオジではないが、
その言葉は的を得ているように思われる。
そもそもクリスチャンネームと同様に
ブディストネームとしての戒名は、
修行して得度して仏教徒になった証である。
もちろん、僧侶は生前に取得することも可能なわけである。
わたしたちは葬式以外には、
日常生活において殆ど仏教と関係を持っていない。
修行せずにお金を出して、戒名を付けていただく。
お金を出すことで学位取得が可能な
「ディプロマミル」と同じような気もする。
また、金額に応じて高位の戒名を付けていただくことも可能だ。

有名人の場合
双綱院貴関道満居士(貴ノ花)
 二人の子供を横綱に育てた貴関を意味しているそうだ。
石森院漫徳章現居士(石ノ森章太郎)
 漫画家、石ノ森章太郎であることがすぐ解る戒名である。

戒名については、それぞれの考えがあるだろう。
戒名をつけるために寺院向けのソフトウエアが販売されていることや、
卒塔婆(そとば)専用のプリンタも販売されていることを聞くと
「いらない」というのも選択肢の一つかもしれない。

 つぎは親族として参加した湯かんの儀だ。
「湯かん」とは、簡単に一言で言ってしまえば
死者があの世に旅立つ前に浴びるシャワーだ。
今回行った葬祭場には、専用の「湯かん」室が設置されていた。
湯をかけ、髪を整え、化粧をして衣装を代える。
今回、興味深かったのは
シャンプーを掛けた後に、
身内の2、3名が頭を洗ってあげるという儀式だ。
私はそれを見ながら
「故人の最後だから身内で洗髪してあげている」とも思われるが、
生前、故人にシャンプーしてあげることもなかったのでは?という疑念も感じた。
この儀式はオプションであり、費用は約10万円である。

最後に、東京と静岡の清水では大きな違いが一点ある。
それは、通夜についてだ。
東京の場合、告別式よりも都会で働く人の利便性を重視して通夜に重きが置かれている。
よって通夜振る舞いがあるのが普通だが、清水の場合は読経だけだ。
5時半位から始まって約20分で終了、解散。
都会の人がその慣習を知らないとあまりのあっさりした式典に少々驚かれるかもしれない。

いずれにしても、
葬儀やそれに参列する人々を冷静にそして客観的に観察してしまう自分である。
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「年度末」

2010-03-23 21:46:01 | Weblog
学校にとって3月は最も忙しい時期だ。
企業で言えば決算期であろう。
私にとっても特に先週はさらに忙しかった。
学年の解散会は卒業生の親が経営する中華料理店で行なわれた。
退職される方のさよなら会を兼ねた教科会も偶然、中華料理だった。
加えてJUWAT研究室の追い出しコンパも偶然、中華料理。
まさに先週の夕飯は中華三昧。
中華料理店の美味しさランクは、エビチリで決まると確信してしまった。
その他に、○委員会等の納め会。
錦糸町で学生時代の級友数名と同窓会実施についての相談のために鍋もつついた。

そんなわけで、飲み疲れの頭ゆえ文章が浮かばない。
先週読んだ本で記憶に残ったことを記しておきたい。
まずは、川端裕人『PTA再活用論』中公新書ラクレ。
私はPTAについて強い関心を持っている。
そんな訳でPTAについての投稿論文も一本ある。
それを発展させることができるかもしれないという
期待を込めて購入したのがこの本だった。
今後の私の作品作りの参考になるかどうかは私の力量にかかっているが、
ここでは、記憶に残った文を抜き出してみよう。

1972年、PTAは
「不良マスコミ排除の要望書を関係官庁」に提出している。
1978年、文部省や民放連等へ同様の内容を申し入れると同時に、
テレビ番組ワースト7を発表している。

以下がワースト7だ。
「8時だヨ!全員集合」
「スターどっきりマル秘報告」
「みごろ!たべごろ!笑ごろ!!」
「ウイークエンダー」
「飛べ!孫悟空」
「うわさのチャンネル!!」
「女子プロレス」

 現在の深夜番組の下品さはここで取り上げられている番組の比ではない。
当時は経済の発展とともに番組内容も多様化していく時代であるし、
子供から大人まで多くの人がテレビを視ていた時代でもある。
子供に悪影響があるとPTAに決め付けられて問題提起されたのだろう。
しかし、私にとっては思い出されるのは
「8時だヨ!全員集合」のエンディングでの加藤茶の言葉だ。
「歯、磨けよ!」「宿題やれよ!」
 なんと教育的なことであろうか。

さらにもう一冊は、
宗教学者の島田裕巳さんの『葬式は、いらない』だ。
近刊『コミュニケーション・スタディーズ』で「死」を担当したこともあり、
昨年は何十冊かの葬儀関連の本も読み込んだ。
この本で新たに知ったことを抜き出してみたい。
「一つの寺を維持していくたにには300軒の檀家が必要だと言われる。一年間に営まれる葬式の数は、およそ檀家数の5パーセント程度である。・・15件ほどの葬式がある計算になる。・・これに戒名料を含む布施の全国平均、54万円を掛けると、823万5000円」
檀家の数が少なくなれば、当然お布施の金額も上がることになる。
希望年収をベースにして、お布施の金額が逆算されているようだ。
“なるほど”となんだか、とても納得してしまった私であった。

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「卒業式」

2010-03-16 10:00:00 | Weblog
先週、勤務校の卒業式があった。
私は3年生の担任なので、
式典の主役である生徒を送り出す役割担当でもあった。
担任が各生徒の名前を呼び上げると、
元気な声で生徒が返答。
返答と同時に立ち上がる一人一人の姿をカメラが追いかけ
壇上に設置された巨大スクリーンに彼らが大写しされていた。
この企画は会場にいる保護者には大変好評である。
卒業式の山場は卒業生代表の答辞だ。
「友への感謝」、
「教師への感謝」、
そして「親への感謝」が語られていくと
会場にいる皆々からは涙が溢れ出ていた。

正式な式典後、
教室に戻りクラス単位で証書の授与をおこなった。
私のクラスは、
一人一人教卓の前に立ち、
級友、教室に集った保護者、
そして私に向けて一言スピーチを行った。
彼らは涙をこらえながら、
あるいは涙を流しながら
男女関わらずに自分の言葉、
自分のスタイルでクラス内の他者に向けて
級友と離れる寂しさとこの場にずっと留まっていたいという気持ちを表すと共に、
この充実感を感じているのは「級友のおかげ」である
という感謝の気持ちが述べられていた。
私にとっては、今までで最も印象にのこる卒業式となった。
以下に示すのは、
学校新聞に掲載したクラスに向けての私のメッセージである。
***************************
卒業おめでとう!
「人生それぞれの時期、
それぞれの状態には、それ相応の完成というものがあり、
それぞれに固有の成熟というものがある」
というジャン・ジャック・ルソーの言葉は、
卒業という日にも該当しそうです。
自分自身では気がつかないかもしれませんが、
君たちの心身の成長は顕著でした。
次の成熟にむけて努力を継続してください。
私は担任として君たちに対して、
悪い意味での「いいかげん」ではなく、
程良い距離感を持った「好い加減」でありたい
と思ってクラス運営をしてきました。
あなた方にとって、
4組という場は如何なる場所だったでしょうか?
私は今、君たちに一つお願いがあります。
それは二十年後の君たちに会うことです。
その時、ぜひあなた方それぞれの人生の歩みについて、
「語り部」本人から直接、話を聴いてみたい。
その際、自慢話や成功談は不要だ。
失敗や苦悩を自ら乗り越えて、
その時ある成熟したあなた方の語りが今から楽しみである。
* ***************************

私も分担執筆させていただいている
渡辺潤先生編著『コミュニケーションスタディーズ』世界思想社
 まもなく発売されます。
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「着いた?付いた?突いた?」

2010-03-09 10:00:00 | Weblog
先週、広報学会のオピニオンショーケースという研究発表会に参加して勉強をしてきた。
以前にも書いたが、広報学会は英語表記が好きだ。
ツイッター、センタリング理論、CSR、コーポレイトブランド、クライシス、オポチュニティー等、
日本語表記した方が判りやすいと思う言葉もあるのだが・・。
個人的には、ツイッターによる口コミ効果についての発表が楽しみだった。
発表者はビーコムという広告代理店の女性社長Kさん。
Kさんによるとネットトレーディング調べでは、
日本では去年の5月のツイッター利用者52万人。
今年の1月は472.3万人になっているそうだ。
グリコの「ドロリッチ」等の事例を交えながら口コミで流行した事例も報告されていた。
ツイッターを利用すると情報収集も可能だそうだ。
ただ、私にとってツイッターは単なるゴミ山のような「つぶやき」である。
その利用には躊躇してしまう。

発表者のKさんは東経大のコミュニケーション学研究科にも在籍して研究をされていることを知った。
川浦先生に指導を受けているのかもしれない。
発表後に名刺交換をさせていただいた。
JUWAT研究室のKさんには、
論文についての助言をしていただいているとのこと。
また、Yさんとはツイッター仲間らしい。
名刺交換をした数分後に、ツイッターに書き込みがされていた。
Yさんこと“urati”さんが、即答されていた。
そこがツイッターの魅力なのであろうが、
その書き込みを見ているツイ―トでない私にとっては不思議さと違和感。
友人や知り合いとの関係は良好になるだろうが、
見知らぬ他人が、ツイ―トの語りを覗き込むことで
見知らぬ他人との壁は一層高くなる場合もあるようにも思われた。

ツイッター以外には、
富山のクレープ専門店「コムクレープ」のH社長の発表が面白かった。
研究者は興味を殆んど示さなかったが・・・。
市街地活性化の一助となったクレープ店。
「若者、よそ者、バカ者」が地域を活性化させるという話もされていた。
「よそ者」とは地元の気づかない視点で、そのよさを判る人。
「ばか者」とは、いい意味でバカになれる人。
「若者」とは老人を中心とした元気のない社会への起爆剤である。
上記の言葉を一言で表現すれば、
上から下への活性化ではなく、
下からの活性化につきるのだと思う。
守りに入るな!
みんなと合わせようとするな!
そんなメッセージも込められていると思う。
「よそ者、バカ者、若者」は
ロックの伝播や発達とも相通じる所があるようにも思えた。

時期的に本業が忙しく学会発表に行くことができない。
しかしながら、発表を聞くことはすごく自分にとっての刺激である。
今年は、ぜひ論文を一本投稿しようと思う。

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「音叉式腕時計と電波式腕時計」

2010-03-02 21:57:05 | Weblog
「時」ついて深く考えたことがあまりないので、
今回は「時間」について考えてみたい。
私が高校に入学した○十年前は、
高校入学のお祝いとして腕時計が一般的だった。
人と同じものを好まない私は、
セイコーではなく、
シチズンの腕時計を叔母からプレゼントしてもらった。
カットが一風変わった音叉(おんさ)式の腕時計だった。
当時の価格で約3万円。
非常に高価ゆえに、
少しだけ大人になった自覚と
時を自らが感じた。
そんな節目となった腕時計でもあった。
(ケイタイで時間をチェックする若者にはピンとこない話かもしれない。)

私が今使用している腕時計は電波式の腕時計だ。
誤差が10万年に一秒なので、
ほとんど狂いがない時計である。
間違いなく私の方が先に狂いそうだ。

現在、職場で電波式の腕時計は私の必需品だ。
私は授業開始時刻の30秒前、
教室前の廊下で深呼吸をしながら始業の鐘を待つことにしている。
鐘とともに、教室に入り授業開始。
とにかく時間のケジメを子供たちにも求めている。
着席状態で、
机上には教科書とノートの準備をしておくことを生徒と約束している。
授業の終わりの鐘は、
定刻終了時刻の20秒前に鳴り始める。
鐘が鳴り終わるとともに授業を終了し、
教室から出て行く私。
まさに「鐘と共に去りぬ」である!
私のそのような姿はオートメーション工場の労働者のように見られるかもしれない。

ふと農業従事者のことが頭をよぎった。
お日様があがったら、仕事開始。
日没までには仕事終了。
そのように農業に従事している人々は、
少なくとも電波時計で一分一秒を気にしながら仕事をしてはいない。
どちらが良い悪いという問題ではないが、
あまりにも時間を気にしすぎる自分自身に対して反省する必要があるかもしれない。

 「日本人ほど、時間の奴隷になって、あくせくしている民族も少ないだろう。
  待つことの大嫌いな人種。・・・インドだけではない。ローマでもパリでも、
  ロンドンでも待ち人はひどく優雅な顔をしている。第三者にはほとんど待つ人が
  あるのかどうかわからないほど、その待つ時間を自分で十分エンジョイしているのだ。
  ・ ・日本人はやたらと必要もないのに急ぐ。
  先へ先へと急ぎさえすれば、ひどく得をしたようにおもうのだ」
                    中根千枝『未開の顔・文明の顔』1959

*お世話になっているJUWAT研究室。
研究仲間のYさんが国立のN大学の助教としての採用が決まったそうだ。
喜ばしいかぎりである。
おめでとうございます。
日本酒で乾杯!

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