GSと聞いて何を思い浮かべますか。
Gas Station、つまりガソリンスタンドと答える人が多いと思われます。
ここであげているGSはガソリンではなく、グループサウンズのことです。
グループ・サウンズについてはジュリーこと沢田研二や堺正章、ショーケンこと萩原健一、ムッシュカマヤツなどがそれぞれのGSで活躍していたという程度の知識しかありません。
以下に、稲増龍夫『グループサウンズ文化論』(中央公論新社)を読んで新たに知ったことを書き留めてみたいと思います。
・ 1965年に岸部一徳、瞳みのる、森本太郎、加藤かつみで「サリーとプレイボーイズ」結成
・ 1966年に沢田研二が同上グループに加わり「ファニーズ」に改名。
・ 1967年に東京進出。その時にすぎやまこういち命名の「ザ・タイガース」に改名
・ ビートルズが伝説になったのは解散後。当時の人気はGSの方が圧勝
・ ロックの原点と言われる「ロック・アラウンド・ザ・ロック」はもともと『暴力教室』(1955年)という映画の主題歌で、不良がかったイメージの音楽
・ タイガースの衣装はコシノジュンコさんが手がけた皇子様みたいな衣装
・ 堀威夫さん(ホリプロ)、相澤秀禎さん(サンミュージック)、渡辺美佐さん(渡辺プロ)
・ 1955年頃にはプレスリーの影響でロカビリーが社会現象・・そのブームを牽引したのは(日劇)ウエスタンカーニバル
・ 10代から20代の若者のうち、ラジオを聴いたことのない若者の割合は、アメリカ1%、イギリス5%、日本40%
・ ブルー・コメッツの楽曲「ブルー・シャトウ」は「月の砂漠」と同じコード進行で、日本の童謡をベースにしている。
・ ファニーズ(後のザ・タイガース)と「帰って来たヨッパライ」で有名なフォーク・クルセダーズは「ナンバ一番」という同じライブハウスに出ていた。
・ 60年代には、銀座でアイビーを着ている男の子の写真を雑誌に載せていたので、おしゃれ自慢の子が雑誌に載りたくて、日曜日になるとみゆき通りに行っていた。それでみゆき族が生まれたらしい
・ タイガースは京都出身の五人組グループで、GSブームにやや乗り遅れた渡辺プロが内田裕也の推薦もあって東京に誘い、周到なマーケティング戦略で武装し、1967年に「僕のマリー」でデビュー
・ 65年に足利市教育委員会が、県内の小中学生に「エレキを買わない、バンドを組まない、エレキのテレビ番組を見ない」という申し合わせ
・ 67年、NHKは「長髪のGSを出演させない」という方針を決定
アイドル、商業主義、虚構などに興味がある人にとってはGSの歴史を読み解くことで学部ことがあるかもしれません。
ぜひ、一読して見て下さい。