『三保の松原』
富士山が世界文化遺産に正式に登録されました。
一度はイコモスの「除外」勧告を受けていた「三保の松原」も富士山に含まれての復活劇。
ニュースでは「富士山」以上に「三保の松原」が大きく取り上げられていました。
さて、「三保の松原」は私のふるさと静岡市(清水区)にある観光名所です。
かつて、そこにはそれなりの人も観光に来ていたのでしょうが・・、
最近は、ほこりを被ったような時代遅れの土産物を売る土産物店や車のとまっていない寂しげな駐車場が目立つ場所となっています。
正直、さびれた観光名所であるというのが実態だと思います。
しかしながら、今回、世界遺産に登録されたことにより
一時的に観光客が急増することは間違いありません。
観光客が増えることでの現地での飲食や
海産物、お茶、みかん、いちごなどの土産物を購入することでの経済効果は測り知れません。
地元経済にうるおいを与えることは間違いありませんし、それは誠に喜ばしいことです。
じつは私にとって「三保の松原」は嫌な思い出が残っている場所でもあります。
それは、高校時代のマラソン大会までさかのぼります。
三保の灯台から三保の松原までの砂浜を走りぬくという全校行事。
足が遅く、持久力の無い私はいやいや三年間その行事に参加していました。
走っている時の一枚の写真。
その辛そうな表情が良かったのか?
それが卒業アルバムの記念写真の1枚になってしまいました。
私と友人のフテツが息苦しく並走。
どう見てもトップの走りではない姿。
ああ、恥ずかしい。
さて、テレビニュースを見ていて気づいた点を一点指摘したいと思います。
世界遺産に指定されて地元の生活道路が渋滞したり、ゴミ捨ての問題、
そして三保の松原周辺に置かれたテトラポットが景観を害している事はそれほど大きな問題ではない気がします。
実は、三保地区は清水の中でも大きな問題を抱えている地域なのです。
三保地区は砂地であり、地盤がかなり低くなっています。
加えて、清水港は三保半島の内側、湾内ですが、三保半島は湾外。
つまり、三保は外海に直接、面しているということです。
東海地震の可能性が叫ばれて、はや30年以上たったでしょうか。
地元の多くの建物は耐震構造に建て替えられて、
地震の揺れで倒壊する家屋は少ないと思われます。
しかしながら、地震による津波は防ぎようがありません。
津波が発生した時に大きな被害を被るのは三保であることは地元住民なら誰もがわかっていることです。
それゆえに、三保地区の不動産価格は底値ですし、
そもそも不動産取引が成立しない地区なのです
万が一の場合に備えて、三保の松原を訪れた観光客が避難できる場所の確保や誘導体制も整えて欲しいと切に願っています。