芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

宮入恭平・佐藤生実『ライブシーンよ、どこへいく』(青弓社)

2011-10-25 07:07:07 | Weblog

宮入さんと佐藤さんとは、

ここ何年か同じ場所で、

毎週定刻に顔を合わせる研究仲間だ。

落語の世界で言えば、

師匠、渡辺先生を仰ぐ我々は同門の弟子だ。

三遊亭○○、林家○△、・・。

 

これはクラシック音楽や社交ダンスなどの高級文化と言われるものではなく、

ライブハウス、ディスコ、クラブ、フェス等のポピュラー文化に光をあてている作品。

これらが書籍になって、ライブカルチャーの実態が多くの人びとに知られる意義は大きいはずである。

筆者たちが愛する「歌」や「ダンス」をアカデミズムの世界で表現した作品である。

言葉を変えれば、

筆者が冒頭で語るように

「愛」や「夢」を言葉につづった作品になっているとも言えるのかもしれない。

 

以下に抜き書いたのは印象に残った記述である。

 

「ライブハウスがノルマ制を導入したのは、1980年代半ばになってからのことだ。ノルマ制の導入によって、ライブハウスはビジネスとしてのリスクを回避するという利点を手に入れたと同時に、みずからの求心力を失うことになった。」p.48

 

「差異化が均一化をもたらすという女たちのダンスは、その後もバブル崩壊後のジュリアナ。ブームから90年代末のパラパラブームまで続いていた。そして哀れな男たちは、ナンパ待ちをするか、踊る女たちの下着をこっそりと覗き見るにすぎなかった。」p.68

 

「フェスが売り物にするのは、形式張った資本主義には見られないクールという意識なのだ。大規模なフェスは、クール資本主義―差異化を図り、消費者の声に耳を傾け、ときには社会的良心を訴える」p.84

 

「ライブハウスやクラブといった日常に連続したライブシーンにあるのは音楽だけで、フェスが用意してくれるような、人びととのやりとりをうながすお膳立てがない」p.89

 

「日本のポップカルチャーとして海外で求められているのは、日本のポピュラー音楽そのものではなく、クールをまとった日本のポップミュージックなのだ。」p.132

 

所謂「ライブカルチャー」に興味がある方々には一読してほしい。

今月初頭から大手書店店頭に並べられている。

ぜひとも現物を手に取って見てほしい。

クールな表紙に読書欲をそそられるはずである。

 

この本はアカデミズムに対抗している雰囲気もかもしだしながら、

各章がしっかり仕上がった論文から構成されている。

しかも、注釈にも読んで為になることがしっかり書かれている。

大学の卒業論文作成で

ライブハウス、ディスコ、クラブ、フェス等のライブカルチャーに興味を持ち、

それを卒業論文にまとめてみたい大学生にとっては必読の書である。

全国の大学図書館にも、ぜひとも購入して配架していただきたい。

 

内容についての感想だが

2章と3章が論文としての完成度も高く、内容豊富だ。

内容が凝縮されていて深化した物となっているので、

心地良く読み進めることができた。

たぶん、

「2章 搾取されるミュージシャン」を宮入さん、

「3章 ディスクとライブのせめぎ合い」は佐藤さんが書いたのであろう。

ちなみに4章の場合は前半は佐藤さん、後半は宮入さんではないだろうか。

この「ライブシーンはどこに行く」は筆者二人での「コラボレーション」との記載が前書きにあったが、筆者それぞれの責任著作とコラボレーションの混合作品としても良かったのではないかという感想をもったこともお伝えしておこう。

 

その他の細かな疑問点は、

今後に予定されている合評会で質問させていただきたい。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『テレビショッピングっか』

2011-10-18 07:07:07 | Weblog

9月下旬から10月上旬にかけての番組改編。

例年、警察の24時間を取り上げる番組が多い。

今年は、震災の影響もあるかもしれないが警察物が少なかった気がする。

 

今年の傾向として、民放キー局各社とも歌番組が非常に多かった。

テレビ局からしたら、

倉庫に眠っている歌番組のテープを引っ張り出して編集しただけの再放送である。

よって手間もお金もかからない。

当時の映像を見て、喜んでいる芸人たちは、

どの番組にも登場する芸の無い「芸人」たちだ。

 

山口百恵、松田聖子、キャンディーズといったアイドルから、AKB48まで。

ざっくりと80年、90年、00年の3期に分けて

日本のポップスのCD売上げを基にランク付けした番組構成が主体だ。

何度もこの手の番組が繰り返して放映されている。

それらが繰り返されることで、

幅広い年代の視聴者の耳に届くことになる。

テレビ局側の視点からは、

「世代を越えて歌いつながれていく名曲」

「思わず口ずさみたくなる歌」となるのであろう。

 

私はぶつぶつ言いながら、そのてのテレビ番組を少々見ていた。

「こんな古い日本の歌謡曲やポップス等をゴールデン番組にして・・。」

「これでは若者はテレビを見なくなる・・」

番組を見ていて、ふと謎が解け霧が晴れた気がした。

 

これは、カラオケで歌う時の為の楽曲紹介カタログ番組ではないかと。

 

当然のことであるが、民放キー局は不景気になってから

この種の商品・製品カタログ番組を多く放映している。

特徴的な番組をあげると

テレビ朝日「お試しかっ」帰れま10。

人気のある品目を10品当てるという番組だ。

 番組レビューにも「シャトレーゼ」、「デニーズ」、「日高屋」、「ミスタードーナツ」・・。

 売れっ子芸人が、食しながら順位をあてていく。

 それままさに長い、長い~メニューカタログのコマーシャルそのものだ。

 一昨日は、

「シルシルミシルさんデー」という番組をやっていた。

一言でいえば、工場見学番組だ。

 マクドナルドの工場が映し出され

ポテトのできるまでが取り上げられていた。

だれが見ても、食べたくなってしまう・・。

クーポン券利用でお得な情報ゲット。

今週はビックマック20周年記念だそうだ。

この先も騙されないようにしなくては・・。

お先、マックらになってしまう。

 

*眼と鼻の先の鬼怒川訪問は多いが、

先週初めて、日光東照宮に行った。

 年を重ねてくると、

彫刻や建築の素晴らしさを改めて感じてしまう。

 まだ、紅葉はしていなかったが、人、人、人。

 日光駅から東照宮まで徒歩で20分、車だと30~40分。

大渋滞だった。

 

 渋滞にはまってしまい、お腹もすいた。

しかしながらレストランも1時半を過ぎても

ウエイティングリストには多くの名前が書かれていた。

やっとで日光金谷ホテル内のレストランでカレーを食べることができた。

 「100年カレー」で商標登録しているカレー。

カレーセットでお代は2500円也。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『秋の始まりと終わり』

2011-10-11 07:07:38 | Weblog

後期のゼミの学習会が再会された。

渡辺ゼミに集う皆さんの活躍は、とにかく凄い。

MさんとSさんの共著『ライブシーンよ、どこへいく』が先日出版された。

さらにSさんは次に取りかかっているとのこと。

今回の作品については次回以降に読後の感想を入れるが、

とにかくこのページをご覧の皆さんはぜひとも購入していただきたい。

加えてさらに、

2名の方の博士論文の提出など、

本当に皆さんの活躍はとにかく凄い。

人をうらやんでも仕方ない。

私の場合は今年の猛暑の僅かながらの時間を利用して、

一本論文を作成し9月末に学会誌に投稿した。

現在、査読審査中である。

できれば雑誌に掲載してほしいと願うばかりである。

 

さて、先週は93歳になる伯母の葬儀があった。

今年に入ってからだけでも

義母、伯父、そして伯母の3件。

自ずと、式典を見る目が肥えてしまう。

今回も前回と同じ場所。

大田区にある浄土真宗の豪華な寺での通夜・告別式。

式典まえに寺院に電話を入れて事前にお布施を伺ったところ、

会館使用料込みでやはり120万円との返答だったそうだ。

前回と同様なのだが

○○家だけで、今年240万円をお支払いしている。

本堂を見渡すと、その壁には、

今年に入ってからのお布施の金額と寄贈者の氏名が書かれていた。

半紙に墨で書かれて掲示されている。

10枚位、貼られていた・・。

「120×10」

今回も式典中にも様々な観察を行ってしまった。

浄土真宗の僧侶は剃髪していない。

しなくて良いようだ

寺には、寺所有の葬祭会館が隣接されている。

エレベータ付きの地上4階建の建物だ。

1階は式典会場。

2階は専用会食場所。

3階は仏壇納骨所。

4階には1200kgもある梵鐘がつり下げられている。

 

式典会場は、冷暖房完備でスバラシイ音響設備付き。

ろうそく台や香合は銀製で指紋一つ付着していない。

なにもかもがピカピカしている。

 

葬式仏教だけではないという試みか?

月、一回の「法座」も実施されているが「会員制」である。

少し興味はあるが、参加を躊躇してしまう。

寺のホームページには以下の記載がある。

 

「浄土真宗のおしえを多くの皆様方に知っていただくご縁となるために、どんな寺院なのか、紹介することになりました。」

 

⇒「・・なりました。」ではなく、「いたします。」だと思うのだが・・。

 本部の命令で、ホームページを作ったのだろうか?

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「小岩の夜」

2011-10-04 07:07:07 | Weblog

秋分の日は勤務だったので、

代休を利用して日帰りで地元に帰省。

墓参り、母との対面、

そして壊されつつある母校(キヨショウ)の校舎工事見学。

プール、テニスコート、弓道場は取り壊されていた。

なんでも7階建の新校舎ができるそうだ・・。

せめて清商(キヨショウ)という校名だけでも、何とか残ってほしいが・・。

 

夜から大学時代の旧友たちと語る会があったので昼は新宿でランチ。

勉強会の打ち上げで利用したことのある

新宿パークタワー内にある

フレンチレストラン「カフェーズ」コース料理を食した。

土曜日の昼の客は、殆んど女性だった。

半数以上は女性独りでおひとり様ランチコース。

読書をしながら、又は携帯メールを打ちながら

優雅にコース料理を食している姿は私にとってはとても不思議だった。

私であれば牛丼、ラーメン、又は自宅でコンビニ弁当で済ませそうだ。

 

(夜の会)

大手事務機メーカーに勤めるIは、

生活も安定しているために

定年後には関連会社の役員になって70歳以上まで勤めたいという話をしていた。

地元信用金庫とその企業との取引の話が、

億単位の話なのもついていけない。

金銭の損得が物事の判断基準になっている言動は私との違いを感じた。

彼の話を聞いていて、「就職」と「就社」の違いについても考えてしまった。

 

大手塾業界に勤めるKは、

塾も私立中高も特待生制度の廃止を含めた戦略の成否が

新規の生徒募集に多大なる影響を及ぼすことを語っていた。

土曜、日曜日は特別な講習や模擬試験などで休めないそうだ。

教員データに関しての企業におけるデータベースの凄さを聞くことができた。

 

地元に根付いて、

自営業を営むIは粉飾決算をしてでも利益が上がっているように見せかけて税金を納めているという。

一般論としてはできるだけ、節税したいのではないか?

出来れば税金など払いたくないと考えるのではないかと思うのだが・・。

税金を納めている優良企業ということで、地元の公共工事を受注しやすいという。

なるほど・・。

 

贈答品関連企業に勤めるMからは、

10月にはとても婚礼式典が多いこと、
特に例年に増して今年は多いことを聞いた。

Mは私のブログを時に見ているという話もしていた。

最近、印象に残っているのは、「メイドバー」だそうだ。

中野のメイドバーは、

本当にリーズナブルで、

健全であることを彼に改めて説明した。

 

旧友たちの良い所は自分の子供自慢をしないこと。

子供年齢確認ぐらいだ・・。

我々の年齢になってくるとみんなの共通点は、

父親はすでに他界して残された母親がいるということだ。

旭川で独り暮らしの母、

奄美大島で独り暮らしの母・・。

 

総武線小岩駅そばの安居酒屋で、約4時間。

へべれけになりながらも何とか終電で帰宅。

思い出に耽ってしまった夜だった。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする