『セクシィ・ギャルの大研究』岩波書店は上野千鶴子さんの処女作だ。
フェミニストの上野千鶴子さんの著書は、
『スカートの下の劇場』いらいだ。
今回、強く感じたことは自らの主義主張の伝達方法だ。
理論武装して論文作成を行ない、それを発表することも1つの方法だが、
主義主張を入れ込んだ文章をオモシロおかしく読みやすい文体にして発表することは多くの読者に自らの考えを伝えることができることを再確認できた本であった。
この本のなかで紹介されている村上信彦さんの紹介がとても印象に残った。
それは、女性の服装についてである。パンツルックの時代には女性が強く、そうでない時代には女性が弱いという指摘。詳しく抜き出してみたい。
(1)「女がズボンをはいていた時代」
(2)「女がズボンを脱いだ時代」
(3)「女が再びズボンをはくようになった時代」
(1)上代から平安期までは、日本人が、男も女も裳(も)というはかま状のズボンをはいていた時代だった。
(2)鎌倉時代以降に女が裳(も)を脱いで、着流しのまますごすようになったのである。その時期から家父長制の中で女の地位は低下しはじめている。
「着流しの女は、パンツなんかはいていないから、めくればたちまち情を交えることができた。」そうだ。
(3)女が再びズボンをはくようになったのは、戦時中と、ここ数十年のジーパン文化の普及によるという。
さらにユニセックス・ファッションの流行は、女性の社会的地位が、男性に近づいてきたことを意味していると判断されている。
確かにブームという一言で片づけられてしまうかもしれないが、街中にはスパッツをはいている女性の姿がやけに目立つような気がする。
リップスティックについての記述もとても鋭い発想であり、
強烈な印象として残った。
職場の高校生には、刺激が凄過ぎて話せそうにない。
しかし、このブログには書き留めておこうと思う。
「むかしの人は、小さな皿に紅を溶いて小指で口紅をつけた。
いまでもパレット型の口紅は、繰り返し発売される。・・・
唇が女性器のコピーであるのに対して、リップスティックは男性器のコピーだからである。
女たちは、口紅に犯される、秘密の愉しみをもっているのだ。」