かつてわが家の男の子の祝いには親から兜の人形をいただき、親戚からは武者人形をいただきました。
親戚にも祝っていただけたことは嬉しいかぎりでしたが、自分の好みとは異なることに加え、それら人形の置き場所にたいへん困ったという記憶があります。
私は子どものために鯉のぼりを購入しました。
庭にポールを立てて鯉のぼりをなびかせるという私の小さな望みは実現しましたが、毎日の掲揚と、その片付けがたいへんであることも経験しました。
現代のひな人形の売れ筋は「おだいりさまとおひなさま」の二体だけが主流です。
特に、都内の場合にはマンションに暮らす共働き夫婦が多いので、セッティングも楽であり、場所をとらないコンパクトなひな人形が人気のようです。
さて、数か月前からパートナーが孫にひな人形をかってあげたいと言い出しました。
「いらないんじゃないかな」。
「どうしても買いたければ、数年後に親が子どもに買ってあげればよいのでは?」
と何度もやわらかな否定を発信してきたのですが・・。
私の言うことには耳を傾けません。
フーテンの寅さんのような息子はこの件については無関心であり、無反応。
とうとうパートナーは義理の娘を説得してひな人形を購入してきました。
都内のデパートを何件か回ったのですが、お気に入りの品に巡り合えなかったようです。
結果として、所沢にある大きな老舗の人形店での購入となりました。
その店は市内の小学生の社会科見学場所になっているほどの大きな店舗。
購入先として選んだ理由は、義理の娘と寅さんの中学時代の同級生一家が営んでいるからです。
ひな人形を購入後に中学時代の同級生であることを店員さんに打ち明けました。
人の縁は不思議なものです。
何人もの店員さんがいる中で、マンツーマンで商品説明を担当したのは同級生のおばあさま。
そのおばあさまの娘さんが嫁いだ板橋区の産婦人科で義理の娘と孫が誕生したことが分かりました。
多くの人が出来るだけ関わらないで暮らしている東京なのに、地方での人間関係を感じるような近い人間関係。
世間は狭く、人との縁が繋がっていることの不思議さを強く感じました。
追伸:寅さんが率先してひな人形を飾っていたとの報告を聞き一安心です。