『日本大災害の教訓―複合危機とリスク管理』
の著者の一人である船橋洋一さんの講演を聞いた。
彼は元朝日新聞主筆であり、
現在、日本再建イニシアティブの理事長でもある。
彼の話で印象に残っている事は
自衛隊への讃辞だ。
福島原発への自衛隊ヘリコプターからの水の投与。
これが効果的だったそうである。
チェルノブイリ事故の場合も同様に
ヘリコプターから水が投与されたとのこと。
しかし、当時乗組員が被ばくをしたことが説明された。
今回のヘリコプター乗員の隊員は一人も被爆していないことも紹介されていた。
「東京電力」に対して彼は怒っていた。
その理由は、水素爆発の危険性があるにも関らず、
それを最前線の自衛隊に告げていなかったこと。
爆発で数名の自衛隊員が負傷したことに言及していた。
「戦略的」な行動とは、リスクを最小限にすること。
「どこを捨てて、どこを守るか」
「何を生かして、何を殺すか」
リスクの軽減の為にトップが下す「予防」の重要性を強調していた。
ところで日本は戦略的な行動をとっているのだろうか?
野田首相は大飯発電所の再起動問題を語っている。
>国民生活を守る。
東日本大震災での政府対応の拙さに国民の信頼は揺らいだままである。
そんな政府に国民生活を守ると言われても信用おけるのであろうか。
>地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。
5月上旬にも今まだに経験したことのないような竜巻も起こっているではないか。
>豊かで人間らしい暮らしを送るために、安価で安定した電気の存在は欠かせません。
福島原発問題は未解決。
失業し仮設住宅で最低限の生活しか出来ていない人が多いのに・・。
犠牲になる人や地域を見ぬふりをして成り立つ人間らしい生活とは何だろう?
>更に我が国は石油資源の7割を中東に頼っています。
輸入に過度に依存しているのは、石油だけではないはず。
食料の方が更に大きな問題ではないか。
犠牲になるのは国民。
生かすのは産業。
電気で起動する産業があるから、
国民は生活できているんですよとも聞こえてしまうのである。