加藤陽子さんの『それでも、日本人は「戦争を選んだ』(新潮文庫)を読みました。
日本学術会議にて6名が任命拒否された問題が解決されないままです。
政府は「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保する観点から判断した」が当初の回答。
その回答が受け入れられないと、政府は日本学術会議自体の問題点を指摘。
→それは論点のすり換えだと思われます。
学術会議メンバーが一部の大学に偏りすぎることなども政府は指摘しました。
→東大、京大、阪大など大学に所属する教員が多いのは当然のことです。
若手研究者は地方の大学で研究行いながら業績を積んで、中央の大学へ栄転してくることが多いのですから・・。
この問題は初動対応の誤りだと思われます。
これだけ、事が大きくなる前に6名を追加任命しておけば問題は解決したはずです。
S長官からあがってきたリストを再考し、追加任命するだけで良かったはず。
私は菅総理が、6名中の1名、加藤陽子さんのことは存じていたとの発言が記憶に残りました。
そこで、購入したのがこの『それでも、日本人は「戦争を」選んだ』です。
この本は神奈川の栄光学園の生徒に対して行われた五回の特別講義の内容。
日本史については何十年も前に受験教科として勉強した私。
当時は、山川出版の教科書と資料集をひたすら暗記。
日本史を学ぶ喜びや面白さはわからないままでした。
日露戦争、日清戦争においても日本とその相手国との問題だけではなく、ロシア、アメリカ、英国、ドイツなどとの様々な権利関係が入り混じっていたことを初めて知りました。
「戦争は国家と国家の関係において、主権や社会契約に対する攻撃、つまり敵対する国家の、憲法に対する攻撃、というかたちをとる」とするルソーの言葉が何回か紹介されています。
日本学術会議の問題が起こらなければ、たぶん読んでいなかった本。
是非一読してみてください。
結局、この本を読む限りにおいては、任命拒否される理由などはまったくわかりませんでした。