芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

リンダ・グラットン『ワーク・シフト』(プレジデント社)を読んで

2023-12-26 07:07:07 | Weblog

 この本は「2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?」という働き方の未来について2012年に書かれた書籍です。

以下には、この本を読んで印象に残ったと箇所を書き留めました。

それぞれの項目について、皆さんはどのように考えられますか?

 

・アメリカの夫婦の離婚率は、1950年には26%だったのが、1980年には48%に上昇している。

・イタリアでは、女性の25%に出産経験がなく、25%が子どもを一人しか出産していない。

試算によると、イタリアが現役世代と年金受給世代の人口比を現在の水準に保つためには、年金支給開始年齢を77歳まで引き上げるか、毎年220万人の移民を受けいれるしかない。

・私たちは誰でも、自分らしく、他人に干渉されずに生きたいと思うが、その反面で、コミュニティに加わることにより活力を補給したいと思っている。

→少子高齢化現象の具体例であり、さかんに言われるコミュニティーと個人の関係かと思われます。

 

・カエルはお湯の熱さに慣れて、逃げようとしない。

しかし、しまいには生きたままゆで上がって死ぬ。・・私たちは仕事の世界で「気づかないうちに積み重なる既成事実」に慣らされてはいないか。

・私たちはきわめて社会的な動物だった。

群れたがる動物と言ってもいい。

ところが、テクノロジーの進化とグローバルの進展により、そういう人間の自然な性質どおりに行動することがかつてなく難しくなる。

・日常と違うことをするとき、日常の時間と場所の枠を超えて行動するとき、なんの制約も受けずに行動していると感じられるとき、手段と結果の関係に関する固定観念を離れて柔軟に振る舞うとき、私たちは「遊んで」いると言える。

・アメリカ国内で走っている自動車の数は、1930年代には2000万台前後だったが、1960年には6000万台、1970年代前半には一億台を突破した。

・生理的欲求と安全への欲求が満たされれば、私たちは所属と愛の欲求を満たすようになる「「私が働くのは、友だちと楽しく過ごすためである」」。

その次は、承認の欲求に移行する(「私が働くのは、専門技術を高めるためである」)。

そして最後は、自己実現の欲求を満たしたいと考えるようになる(「私が働くのは、自分の潜在能力を開花させる機会を得られるからである」)。

→働きすぎ、働かせすぎが社会問題化しています。

レジャーと仕事についての再考が求められています。

『レジャー・スタディーズ』(世界思想社)を再読したいと思います。

今年最後の投稿となりました。

皆様が方のご多幸をお祈りいたします。

 

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『BeReal(ビーリアル)にみられる人間関係』

2023-12-19 07:07:07 | Weblog

約40年間同じ私立の中学・高校で働いています。

そんな私はかつての生徒たちと、現代の生徒たちとの違いを感じることがあります。

1980年代、携帯電話やインターネットが無い時代には、紙に秘密内容を書いて授業中に見つからないようにそれを友人に渡すスリルを楽しむ生徒。

秘密の日記を家においておくのは保護者に見られそうで不安。

通学カバンに日記帳を常に入れて校則違反内容を書きこんでいた生徒たち。

今と違って、持ち物検査は何のためらいもなく実施されていた時代でした。

それらのメモや日誌に書かれていた内容は、その殆どが異性に関するものでした。

具体的には「〇〇というラブホテルに行った」など。

 

2030年、今では、秘密を友人にエアドロップで送ったり、SNSに書き込んだりと携帯電話を手放すことはできません。

当時と比べれると、電子データを瞬時に秘密に送ることが可能となりました。

SNSでは24時間で書かれた内容が消える「ストーリーズ」や「フリート」が流行っています。

情報が消える前にスク写して残すこともしているようです。

今、まさに中学・高校生に流行っているのが、「BeReal(ビーリアル)」です。

それは1日に1回、ランダムな時間に通知が送られてくる写真投稿サイト。

通知が届いてから2分以内に自分や周囲の状況を撮影して投稿しなければなりません。

投稿しない場合には、ビーリアルに投稿された写真閲覧ができなくなるそうです。

よって、授業中であろうがなかろうが、隠し持っていた携帯電話で何かを撮影して直ぐに投稿する生徒たち。

授業中に隠し持っていた携帯電話の撮影ボタンを押す。

その行為が問題になっています。

 

秘密を友人に伝えることで仲間意識を高めたい生徒たち。

閉じられた場での写真共有は内輪の仲間であることの確認です。

自分の秘密を他人にバラしたい。

他人の悪口を言って、内輪でうけたいなどの現象。

それらをすることで結びつく友達との人間関係構築は何年たっても変わらない行為なのです。

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『年内推薦入試の終了』

2023-12-12 07:07:07 | Weblog

12月は指定校推薦入試の合格発表の月でもあります。

過去において面接で数学に関しての質問をされて、数学科を不合格になったケースはありますが、今年も指定校推薦入試については、ほぼ100%の合格が見込まれます。

指定校推薦入試は、言わずもがな大学と高校間での相互的な信頼に基づいた入試です。

お互いの信頼関係が継続されるように、高校側でも、所謂、「良い生徒」を推薦しています。

偏差値の高低で大学を評価することが多い高校側では偏差値がそれほどでもない大学(日東駒専以下の評価を受けている)には、「学力が高い良い生徒」ではなく「いわゆる普通の生徒」を送り出す傾向もあるようです。

指定校推薦を利用して入学後に、大学での成績が芳しくなく、留年するなどして

高大の信頼関係にヒビが入り、仮に関係が切れてしまっても、一般入試で十分に合格できるレベルの大学には、高校側としては無理をしてまで「良い生徒」は送りださないのです。

 

推薦入学試験後に送付されてくる合否文書は受験者個人へ文書が送られる場合と大学から高校へ合否文書が発送されてくる2パターンがあります。

先日も、合否発表日に度重なる合否確認の保護者からの電話がありました。

感情的に何度も電話をしてくる保護者に対して、紳士的に文書が到着しているかどうかを探し回る担任。

私であれば、「ないものは無い」、「届いていないものは届いていない」だけを保護者に返答して終わるのですが・・。

「やれやれ」、保護者が主導権をとりたがることは本当に困ったものです。

 

今年度は年内に合格を決める推薦入試利用者が約50%になるのではないかと言われています。

 実際に、できるだけ早く進路を決めたい受験者とできるだけ早く入学者を確保したい大学側との想いは一致するのです。

そのような状況のなか、明治大学や立教大学が他大学との併願推薦ができる入学試験(年内に合格を手に入れて、一般入試で早慶や国公立上位大学合格を目出す)を実施しています。

今までは、歩留まり率が読めない、(入学するかどうかがわからないので、大学側としてはそのような入学試験方式は採用したくなかった)、ので併願可の大学は、何方かと言えば偏差値が低い大学だけでしたが、今年度あたりから上位大学もそれを採用する上位大学が増えてきました。

 1月14、15日に実施される共通テストも近づいています。

受験生の皆さん、頑張ってください。

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『北里大学が別法人の中高を附属に』

2023-12-05 07:07:07 | Weblog

東京都の北区にある順天高校が北里大学の付属になるようです。

正直、驚きました。

というのも、順天高校は生徒募集には困っていません。

学力レベル的にも中堅以上、いや上位に位置する私立中高だからです。

しかし、冷静に考えると双方の学校にとってメリットがある合併です。

北里大学は医学部に加えて薬学、獣医、海洋生命科学、看護、理学、医療衛生、未来工学などを有している理科系の総合大学です。

学部の所在地も神奈川、東京、青森と広範囲に点在しています。

ということはたぶん不人気学部もあることが推測できます。

ある一定以上の学力レベルの生徒をある一定程度、毎年、恒常的に付属高校から入学させることはとても大学にとっては意味があります。

それは入学定員の確保に加えて、一般入試での合格者レベルを難化させるメリットがあるわけですから・・。

一般的に言って、医学部や獣医学部は開設されている学部数自体が少ないために入学するのに大変な学部です。

そのような学部を有している、付属の中学・高等学校であれば中学入試にチャレンジして入学したいと考える受験生徒も増加することは間違いありません。

たぶん、来年2月に行われる中学入試では大幅にその志願者の急増があるはずです。

 さて、高大連携が高校側にとっても昨今のブームにもなっています。

A高校では午前中に授業が終わる日には、希望者対象でN大学の授業を受講して、試験が合格すれば、仮にN大学に入学した場合にはその科目の単位が卒業単位として認定されるそうです。

B女子高校ではC大学の教授に「探究」の授業をご担当いただいているそうです。

理工系大学に多くの女子生徒に進学してほしい大学側と、理系科目に興味がある生徒により興味深く、生徒に学ばせたい高校側のニーズが一致しているパターンです。

実際に、連携後は受験生が増えているそうです。

C高校では近隣にあるT大学の図書館を利用させていただいているそうです。

大学側としては受験生増加につながるオープンキャンパス参加者増に繋げたいはずです。

大学の施設設備を身近に感じてほしい大学側に対して、図書館や学習スペースが狭い高校側としては静かな環境で自習できるスペースを自校の高校生たちに無料で使用させていただくことはメリットがありそうです。

今後も、学校法人どうしが合併して大学が中学・高校を附属化する流れは続きそうです。

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