酒呑童子神社というところからの散策路がありますが、林床にツバキの繁る雑木林になっています。このツバキが曲者でいろいろ物議を醸しだします。結論から言えばヤブツバキとユキツバキの雑種と考えられるユキバタツバキという名前で処理される個体群です。
樹形はユキツバキの茎は斜上するのですが国上山のユキバタツバキはヤブツバキ同様立性をしています。花はやや開出気味で花糸は合着しているのですが色は薄く黄色味がかります。ヤブツバキは白色、ユキツバキは黄色ですからその中間ということになります。
比較として丘陵公園に自生しているユキツバキの花を載せてみました。花糸は基部まで避けていて合着する部分はそれほど厚くありません。また花糸の色は黄色です。花は開出して咲きます。ちなみに、ヤブツバキの花は筒状に見えることが多く開ききることはありません。
ユキツバキの樹形はこのように斜上していて直立していることはありません。雪の重みで地に伏し接したところから発根し広がります。したがってユキツバキは立ち上がった大木はないのです。