秋晴れのすがすがしい日の散策でヤクシソウに出会いました。どこにでもあるから帰化植物と思いがちですが、ちゃんとした在来種。遅くまで花を見せてくれる貴重な存在ですね。一つ一つはなよなよとした感じの花ですが、枝分かれが多く花を沢山つけますから結構ボリュウムがあります。葉が茎を抱くのも大きな特徴です。
サンショウも普通にある低木ですが、今日はイヌザンショウが目に留まりました。もう種子もあまり残っていませんが花柄が赤いので遠目でもそれと気づきます。香りがあまりよくないので「イヌ」が付いてしまいました。サンショウに比べ大きな木になります。ミカン科雌雄異株の種です。
小さなさくらんぼのような実はアクシバの実。初夏に小さなくるくる巻いた花弁の独特の花をつけるツツジ科の小低木で、秋に赤い実をつけます。どこにでもありそうなものですが、今年はようやく出会えました。いつもは赤い実はぽつんぽつんと付いていますから、この4連の実などはなかなかありませんね。
俗に言う「ひっつき虫」(イノコズチの種子)の一つ、(ヒカゲ)イノコズチの色づいた葉です。これも紅葉?でしょうか。なんとも神秘的な色合いです。草むらに入っての作業の後は嫌というほど衣服に「ひっつき虫」が付くのですが、この見事な色合いに出会うとなぜか許せます。全ての個体が色づくわけでもなく、時々出会う程度。これは幸運の色かもしれませんね。
オヤマボクチの花です。まだ盛んにマルハナバチが吸蜜に飛んで来ていました。なんとなくアザミに近い感じがしますが、遠くはありませんが一応別属。葉の裏は白い綿毛が密生しています。この葉の繊維を利用して蕎麦のつなぎにすることができるそうです。定かではないのですが、子どもの頃の記憶に「ごぼうの葉」といってササ団子のあんを包む皮を作るときに利用した記憶があります。「ほくち」とはこの葉の繊維だけを取り出して綿状にしたものをいうそうで、火打石で火をつけるときに使う「火口」なのだそうです。
ヨメナといろいろ比較される野菊です。触ってみましょうか。ざらざらしていたらこのノコンギクですね。ごく普通にある種ですがどちらかというと山手にノコンギク、里にヨメナやユウガギクが多いような気がします。ちなみに長岡辺りではヨメナは青いものが目立ちユウガギクは白い花です(葉の形も違います)。
数日後スッポンタケの卵のあった場所に立ち寄ってみると、もうキノコは伸びきってその盛りが過ぎて地面に倒れこんでいました。早いですね。あっという間です。それにしても面白いキノコです。新鮮なうちならこの白い茎の部分を食用にできるそうです。どんな味がするのでしょうか。
本当に最近は誰も採らなくなって、このキノコだけは沢山あります。「キノコといえばこのキノコを採って食べたものだ」という人も今は全く口にしないそうです。マスコミの力は偉いですね。ごくごく一部の人に問題が出てくるのでしょうが、解明されるのはまだのようです。私はぜんぜん意に介せず写真の株をいただいてちょっとだけ秋の味覚を味わいました。
名前からもう毛嫌いする向きもありますが、食べない以上問題はありません。「食」の概念をすてて造詣の美しさを堪能したいものです。このドクベニタケ、切り通しの斜面の土の所からいきなり発生していました。こういう発生はあまり目にしません。こういう生態も面白いですね。
キキョウ程ではないにしろ、リンドウもすっかり少なくなってきましたね。長岡では山道の脇の草薮にもたれかかったような格好で時折見かける程度で、乱獲されたのもあるのでしょうが、草刈などの手入れがなされなくなって減ってきたような気がします。日が当たると本当にきれいに咲いてくれます。
今年のキノコは早くに発生してあまり取れなかったという話を耳にします。我が家のナラタケは未だに発じんの兆候がなく今年も昨年に引き続き不作かなぁと思っている矢先ですからなんとなく納得してしまいます。それでもこの時期野山に遊べばいくつかのキノコが目に入ります。これはボリュウムたっぷりのウラベニホテイシメジで、雑木林の一角に10数本が発生していました。そのうちの2本だけいただいて他はそのままにしておきました。
この手のキノコに要注意種があります。裏がこのように淡いピンク色のものに悪名高いクサウラベニタケがあります。本種に比べてかなり小型です。不確かな場合は絶対に食べないようにしましょう。
この手のキノコに要注意種があります。裏がこのように淡いピンク色のものに悪名高いクサウラベニタケがあります。本種に比べてかなり小型です。不確かな場合は絶対に食べないようにしましょう。
花の季節が終わる秋、野遊びの楽しみはキノコと木や草の実。夏の終わり頃から花が咲き実を結んでいたノササゲ、早い花の実の色づきはこの写真のようにいまいちで、遅めの花の実が綺麗な青紫に色づいてくれます。晩秋に散策するといいですね。
この花はつぼみが早くにできるのになかなか咲かない代表で、ようやく9月下旬に咲きました。花の一つ一つはなかなか面白く、キンポウゲ科の植物で白く見えるのは全ておしべ。花弁は早くに散るか僅かに残っている程度で目立ちません。