木道から数m離れた湿原の縁にオクノフウリンウメモドキの赤い実を認めました。木道を離れて湿原内を歩くわけにもいきませんから、望遠を駆使して写真を撮りましたが、思い通りの絵になりません。上越国境の深山の比較的明るい林にときどき見ることができる低木です。しかし、決して多い種ではなくむしろ希な存在です。
高地の湿原を彩るヒオウギアヤメの枯れた姿が広がる玉原湿原です。株はかなりありましたから、6月から7月はヒオウギアヤメの花であふれることでしょう。初夏のヒオウギアヤメに秋のタムラソウというところでしょうか。しかし、秋も半ばヒオウギアヤメはひっそりとしていて熟した果実を風の力を借りてこぼしているという最終段階。花軸などは枯れてもしっかりと仕事をしています。
秋の玉原湿原の主役はタムラソウのようです。訪れたときはもう盛りが過ぎてその面影がところどころに見られる程度でしたが、枯れた株が随所にありそこから推測すると赤紫色の草原が広がっている光景が浮かんできました。実はタムラソウの大きな群落は見たことがありません。高山の適湿地に多少かたまって生えているのはときどき見かけたものの、数百m2もの広さで生育しているところはありません。玉原湿原が実際はどうかは不明ですが、木道を歩いた範囲ではかなりの量があることは間違いありません。