山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

ききょう寺の多様な石造物群

2013-12-03 01:04:14 | 石仏・石造物
 ききょう寺の圧巻は、多様な石造物の存在。
 いちばん関心があったのは、灯篭の種類の多さだが、それは後日に譲ることにする。
 一方、かわいい小さなお地蔵さんが多数配置され、短い教えが掘られているが、どうも内容に深さが足らない。

 庭の中央に目立った「恋愛観音」も、キキョウの花言葉「変わらぬ愛」にちなんでの観音様だ。
 この感性は、顧客への媚びもないではないが、お寺の経営手腕のフットワークの素晴らしさと受け止めたい。

  
 この丘陵地帯は7世紀あたりから古墳になっていたことから、黒御影の「供養塔」が平成3年に建てられている。
 庭の奥まった所の展望台隣にひょいと置かれていた。

                      
 反対に門をくぐったすぐに、赤い石の「撫で石」があった。
 さすがに親しみやすいのか、ツルツルに磨かれている。
 この石は「生命の躍動」を表し、災いを防ぐという。

  
 同時に、村のはずれにときどき見られる「六地蔵」があったが、現代的にアレンジしたお地蔵さんが彫られていた。
 それはじつにかわいい仕草・表情であり、きっとキキョウ目当ての女性を意識した作品かもしれない。

                       
 さらには、犬猫の供養塔も彫られていた。
 デザインも練られていて、じつにカワイイ。
 こうしたところにも、お寺の経営感覚の柔軟さと努力が感じられる。

  
 それだけではなく、オーソドックスな「十三重石塔」もあった。
 一番下の「初層」の4面には梵字の「種子(シュジ)」が「薬研(ヤゲン)彫り」で彫られている。
 「末法思想」が流布した平安時代後期に流行した石塔だが、これは新しい。
 以前、奈良の談山神社(藤原不比等を祀っている)に行ったところ、木製の十三重塔が珍しいとの記憶が甦った。

 かようにして、ききょう寺は植物ばかりではなく石造物のデパートだった。
 花があまり見られないときでも十分楽しめられる探検となった。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする