酷暑のとある日、「天」をながめているうち、いつもは野鳥がくつろいでいるはずの電線に2頭のトンボがいた。2頭とも逆立ちしているではないか。逆立ちはときたま見かけることはあったが、複数で見たのは初めてだった。この形は「オベリスク姿勢」というらしい。神殿前の石尖塔の姿に似ているというわけだ。この姿勢は、トンボの熱中症対策で太陽に当たる部分を少なくしているというが、日陰に移動した方が涼しいと思うが、どうだろうトンボ君。余計なお世話だと返信してきたようだがね。
「天・地・人」ではないが、今度は視点を下の「地」に移したら、足元に小さなアリが集会を開いていた。いつも作業をするコンクリートの場所だが、こんなにアリが集まるとはこれも初めて。その種類も見かけない。獲物があったかどうか、女王ありはいたかと探してみたが動きが激しくて見つからない。女王様の就任パーティーなのか、国葬儀式なのか!??
忙しく動いているので、カメラのピントも合わない。頭部は四角っぽく触覚がU字型のようだ。お尻の腹部には白い毛が生えている。このコンクリートの下に営巣しているかもしれない。
ネットで確認したら、どうやら「トビイロシワアリ」のようだ。webの「気ままに自然観察」のブログにわかりやすい画像を発見した。アリの種類は同じように見えてしまうから同定が難しい。女王が複数同居しているらしいので、数万匹の大集落を形成しているかもしれない。
こんどは「人」の目線で畑の周りを見たら、「アサマイチモンジ」(タテハチョウ科)が止まっていた。だいぶ翅が切れているのでオイラと同じ後期高齢者を迎えているのに違いない。都内では絶滅種、神奈川・千葉では絶滅危惧種2類となっており、里山の貴重な昆虫ということになる。
浅間山付近で最初に発見されたので名前に「アサマ」がつく。「イチモンジチョウ」にそっくりなのでいつも迷う。一文字の白班が共通しているが、微妙に違う。飛んでいるときはわからないので、いつも画像から同定する。
急に寒くなってきた。蚊が最後のえさを狙ってやってくる。だからか、食われるといつもよりとびきり痒い。なので、虫さされのかゆみ止め薬と蚊取り線香はまだまだ手放せない。