台風7号が来る前にということで、急遽、地元衆が先週11日午前8時に集合する。すでにそこには、スコップや砂や土嚢袋が用意されていた。自治会役員や組長・消防団などの事前の準備が万端であることがわかる。さっそく、土嚢袋に砂を入れる作業が開始される。全部で150袋以上は作っただろうか。汗が流れるのがわかる。
軽トラックに分乗して土嚢とともに現場に急行する。林道もかなり荒れていてトラックの振動も半端ではない。この林道は水道の水源へ行く道でときにライフラインの要ともなる。現場の林道には20mほどの亀裂があった。ここに雨水が沁みていけば土砂崩れとなるのは時間の問題でもある。民有地でもあるので行政はすぐには動いてくれない。
まずはブルーシートを広げ雨水が浸透しないようにシートを敷いていく。そこに、風や雨でシートが飛ばないよう、また雨水の進路を考慮して土嚢を置いていく。100袋でも足らず、もう50袋以上を追加して軽トラックでピストン輸送する。その間に落ちた枝葉や石などを除去し林道の清掃をする。集落の水道は沢の水から取水しているので、ときどき当番が水源に点検しに行く。
集落の主要な顔ぶれが集まったためか、2時間強くらいで作業は終了する。中山間地で生きる人々の作業効率の素早さに、よそ者のオラはただ指をなめるだけだった。作業は仮設だが、本格的には自治会を中心に公的な支援をすでに要請している。
台風7号は鳥取や富士山周辺では猛威をふるっているようだが、最近の被災状況は今までにない事態が始まっている。オラの経験則からしても国道の土砂崩れは頻繁になってきたのは間違いない。従来だと数か所だった災害がここ数年では10か所以上にもなっていて、規模も大きい。地球温暖化や人類の環境破壊を阻止する活動ができるかどうか、SDGsのささやかな行動に対して自分では何ができるかが問われている。その意味で、江戸の暮らしの先進事例にも学ばなければならない。進歩することが絶対ではない。自然とともに牛歩に生きる、そんな時代が来ているのでは。