今月上旬に猛威をふるった台風2号は静岡に記録的な大雨を叩きつけていった。線状降水帯による大雨はオイラが住む上流部にも川沿いの道路をいくつも寸断させていった。久しぶりにその国道をゆっくり通行してみる。停電した原因とみられる電柱の破折とガードレールの崩落を確認した。現場はすでに新しいコンクリート製の電柱に変わっていた。
そばに転がっていた電柱を見ると、先端部分が折れていた。きっと、ガードレールが崩落するに伴い樹木が倒れてその勢いで電線に引っ掛かり電柱が折れたのに違いない、と勝手に推測する。ここから街中に進むにつれて寸断された道路がいくつも見られた。
次に見たのは、川の壁面が崩落したことでガードレールも落下した場所だった。落下したガードレールは10m近くはあったろうか。その近くを車で通行するのだから恐る恐る行くしかない。人間が作り出した技術も叡智もなんとあっけなく破壊されてしまうのだろう。
そしてまた次は、昨年秋の台風15号で崩落した箇所を修復していたところだった。つまり、同じ場所を再度襲ったというわけだ。そこは橋のたもとで、小さな小屋が流され、その残骸が落ちていた。しかもなんと、コンクリートの壁面も流されていた。自然の破壊力のすさまじさを思い知る。後日、下流域を通ったらもっと被害が出ているのが分かった。
昭和初期に森林鉄道が走っていたという狭い軌道のトンネルを通る。トンネルの出口に崩落があって通行止めがしばらく続いた。つまりそこは、しばらく陸の孤島になってしまった集落となった。「開通して心がやっと晴れやかになった」と地元の声を聞いた。地球の軋みの苦しみが人間に届いたのだろうか。プーチンよ、戦争なんかやっている場合かー!? 気候変動対策の先陣を切る大国になってもらいたいものだ。